リスティング広告を出稿する際において、文字数制限や記号の制限、画像サイズなど、規定のルールがありますが、それ以外にも一定の商材を扱う際にはルールが課せられます。
健康食品や美容関連の商品・サービスを取り扱っている方にとって、広告の審査と通過するのは、何かと大変だったりするのではないでしょうか。
ネット広告のサイトを出そうと思ったら、第一の壁として「審査に通らず全く掲載できなかった」「 薬事法を調べてはいるけれど、難しくてよくわからない」「結局どんな表現ならいいの?」と、こんなことに悩んでいる方はいませんか?
なかなか審査に通らずに、広告を出稿できない状況が続いてしまうと、大きな損失になってしまいます。
日本には、「薬事法」という言葉がありますが、聞いたことはありますでしょうか。
リスティング広告を使用する際に、文面で表現する場合、効果的な言葉を使いたいですよね。
しかし、どのフレーズを使ってもいいという訳ではなく、使っていい”OK表現”と使ってはいけない”NG表現”があります。
そこで今回この記事では、リスティング広告を運用していくにあたり、薬事法に絡んでどのように気をつけていけば良いのかについて初心者の方にも分かりやすく事例・理由などについても一緒にご紹介していきます。
安全に広告を公開して、長期的な運用をしていくためには知っておくべきことなので、 具体的なNG・OKの表現の例も必ず認識しておくようにしましょう!
リスティング広告で気を付けるべき薬事法とは
日本の「薬事法」は、現在、”薬機法”と呼ばれています。
薬機法に法改正したポイントとしては、医療機器の承認や再生医療関連製品の製造などの促進と、消費者をより守るための規制強化として、2014年11月25日に薬機法へと改名されました。
インターネット広告は、出稿のしやすさや、審査の甘さから虚偽・誇大広告でのトラブルが増加し、健康食品では広告のような効果が得られないなどの苦情件数が激増した背景があります。
改名されたことによって、医療の発展・薬事法の抵触に悩む製造業者・販売業者の懸念を解消しつつ、消費者がだまされることを防ぐ安全対策強化が高まったといえるでしょう。
日本の法律での薬機法の正式名称は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」となっていますが、名前が長いので関係者間のやりとりでは、薬機法(やっきほう)と呼ぶのが通例です。
少し難しく思われますが、簡単にわかりやすく言うと、医薬品や医療機器や同等の効果効能を持つ商品やサービスにおいて「有効性や安全性がないものを売らせない・買わせない」ために制定された法律になります。
薬事法の目的としては、
- 医薬品・医薬部外品
- 化粧品
- 食品、健康食品
- 医療・健康機器
の4種類ついての品質、有効性及び安全性の確保のために必要な規制を行う事なので、薬機法の基礎といえる部分なので、定義には必ず目を通しておきましょう。
たとえば、化粧品なのに医薬品の定義に含まれるような訴求をした場合には、「薬機法に抵触する」と覚えておきましょう。
法律の名前からすると、一見、医薬品と医療機器だけが対象になるかのように思えますが、医薬品や医療機器のように、身体に何らかの変化をもたらす可能性がある医薬部外品や化粧品、健康食品などの商品は、すべて薬機法に抵触する可能性があります。
それぞれ業界としては、医療・美容・健康食品・スポーツなどが該当しますが、それ以外にも該当しそうな商品について広告の配信や販売を行う際には、先に押さえておく必要があります。
医薬品、医薬部外品
医薬品、医療機器に分類されるものは、
・医師が処方する薬
・薬局等で購入できるかぜ薬、胃腸薬、目薬などの市販薬
・制汗スプレー
・育毛剤
・除毛クリーム
・殺虫剤
・うがい薬
・薬用入浴剤
・薬用歯みがき剤
・コンタクトレンズ
・体温計
・血圧計
・補聴器
などがあります。
医薬部外品とは、厚生労働大臣から効果効能の承認を受けたものになり、医薬品と比べて人体に対する作用が穏やかで、副作用のリスクがないものとされています。
たとえば、薬用化粧水や薬用シャンプーなど、化粧品でありながら「薬用」と付いた製品は、一般化粧品と同様の扱いではなく、医薬部外品に分類されています。
化粧品
化粧品は、
・ひげそり用剤
・薬用石けん
・化粧水
・クリーム
・シャンプー
・香水
・まゆ毛用化粧品(まゆ毛に色をつけるようなもの)
・まつ毛用化粧品(まつ毛を育毛するようなもの)
・歯みがき剤
・メイクアップ用品全般
などがあります。
化粧品と聞くと、化粧をするための用品などをイメージすることが多いと思いますが、歯磨き粉やシャンプー、シェービングフォーム、入浴剤、ヘアカラー、ベビーオイルなど、さまざまなアイテムが化粧品として販売されています。
同じアイテムでも、「薬用」と呼ばれるものは、医薬部外品の扱いとなります。
化粧品の定義としては、「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの」とされています。
定義内の「作用」については、厚生労働省から56項目の効能効果として示されています。
薬機法の定義と56項目の効能効果に該当するのであれば、薬機法上の化粧品として扱いますが、たとえ使用目的は一緒でも、医薬部外品や内服するものは化粧品とは扱いが異なります。
食品、健康食品
食品、健康食品は、
・各種サプリメント
・ダイエット目的のドリンク
・健康維持を目的とした特別な成分が配合された食品、ドリンク
などがあります。
基本的に、健康食品やサプリメントは単なる「食品」になるので、薬機法の規制対象とはされていません。
しかし、規制対象でないから違法行為が許されるというわけではなく、医薬品や医療機器のように効能効果を表示すれば薬機法違反となることを忘れないようにしましょう。
健康食品やサプリメントのコンテンツを作成する場合には、厳しい制限の中で商品の魅力や有用性を表現し、他社商品との差別化を図る必要があります。
また、食品の中でも特定の条件をクリアしたものに限っては、個別のルールに則り、表現の幅を広げることも可能です。
健康機器
健康器具は、
・視力回復マシン
・美顔器
・マスク
・マッサージ器具
・加圧シャツ
・むくみを改善する、血行を促進するなどの効果のある矯正サポーター
上記のような商材が、薬事法が適用される対象商材となります。
医薬品類は「健康や美容のために作られた薬品」になるので、正しい情報の明記次第で十分な訴求力があります。
それに伴い、医薬品等の製造・販売・流通に関する規定はもちろん、医薬品等の表示・広告、薬局の開設に関する内容等についても定める法律となっています。
それにも関わらず、医薬品の効果を誇大に表現した場合には、日本の薬機法の規制対象となってしまうので、この薬事法によって医薬品や医療機関に関わる商材の表示方法やネット広告に関する内容を定めるのです。
そこで、リスティング広告を運用するにあたり、医薬品の販売を行う際は、この薬事法が定める法律の規定に従う必要があります。
薬事法の目的
薬事法で細かく表現を規制する目的としては、第一にユーザーの安心・安全を守るためです。
医薬品や医療機器は、人の健康や生死に関わることがあるので、用途や効能を見てユーザーが判断することを考えると、誤った判断でユーザーが商品を使用した場合、最悪の場合、健康や命が危険にさらされる可能性があります。
役立つ情報としてメディアに向けて大きく発信していく以上、知らないでは済まされず、やはり最大限の安心・安全を守らなければなりません。
広告主側は、数多くのサイトがありネット社会と言われている現代において細かな法律を守っての運用は大変ですよね。
この掲載ポリシーを何度も反する広告出稿を繰り返していると、媒体側の判断でアカウントが強制的に停止になる可能性があり、その場合、今後の広告の再出稿が難しい場合もあるようです。
また、薬事法に違反しているとみなされた場合、罰金などが課せられるケースもあるようですので、やはりまず第一に法律の範囲内でいかに商材の魅力を伝えていくかが重要です。
特に、化粧品・医薬部外品は日本の厚生労働省の定める「薬事法」のもとに管理されています。
また、利用できる表現も、何かと薬事法で細かく決められていて、その判断基準としては、それぞれに定められた範囲内で何として表現しているかどうかになります。
そのため、広告についても一番のグレーゾーンとなってくるのがこの「化粧品」「医薬部外品」なのです。
そのため、この2つの表現については、次の章で別途詳細を説明していきます。
商品の分類次第で扱いが変わる
医薬品、医療機器、医薬部外品、化粧品、健康食品といったジャンルの商材を扱っているのであれば、この薬機法を避けて通ることはできません。
しかし、そのほかの雑貨や一般食品の場合はどうなのでしょうか。
雑貨や食品の製造・販売に関しての薬機法の規制はありませんが、だからといってどんな広告を出しても薬機法違反に該当しないのではありません。
たとえば、雑貨や食品の中で、使用や摂取した場合の効果や効能を述べるなら薬機法の規制が適用される可能性が高いので、身体や健康に対する作用を訴求するのであれば、どんな商材であっても法令に違反してしまうリスクがあります。
薬機法では、同じ内容の表示や表現をしてあったとしても商品によっては違法とされたり、そもそも広告自体が禁じられていたりと、販売方法が限定されていることがあるので、まずは、正しい分類をすることが必要になります。
商品分類に応じてそれぞれ定められているルールも多いので、広告に携わる場合には、製造工程を含めて商品を正しく理解しておきましょう。
リスティング広告で取り扱う健康食品・サプリと薬事について
健康食品・サプリは、薬事法対象の4種類には何も含まれないので、薬事法とは別物になります。
ですが、「医薬品と誤認される」「効果の過大解釈により適切な治療を受ける機会を失う」事を避けるために、薬事法で取り締まられています。
サプリメントを含む食品の表示や広告物などを作成する際には、医薬品的な効能効果の標榜には注意する必要があります。
薬事法の基本的な考え方から、この表現であれば効能・効果のOKであろう表現、その逆にNGな効果・効能の表現と思われる言い方の例は下記3つです。
OKな効果・効能の表現 | NGな効果・効能の表現 |
|
|
このように、基本的な考え方として「維持」「補う」は、表現としてはOKな範囲になりますが、「治す・予防」「増強・増進」「変化・改善」などの表現はNGとなります。
なので、特定の成分を出して変化があること言い切る表現して促進することは全てNGになりそうです。
医薬部外品/化粧品の表現範囲について
薬事法の対象カテゴリの中でも、「医薬部外品」「化粧品」についてが、最もグレーゾーンで、何かと比較表現に困るところであります。
化粧品の目的は「美しく見せる」「隠す」「容姿を清潔にする」「魅力を増す」「健やかに保つ」事が対象なのに対し、医薬部外品は「防ぐ」というところまでが範囲になるので、表現をすることが出来る範囲は少しだけ医薬部外品の方が緩和されます。
薬事法を通る範囲内での表現でライティングをしようとすると、あまりにもありきたりでユーザーに”ぐっ”と刺さるような目を惹く表現をすることが出来なくなってしまう事が多いです。
そのため、表現の範囲内でどこまで魅力的に伝えることが出来るかを模索していく必要があります。
表現の1つとして、「ここでは、薬事法の関係で効果は記載できませんが…」というのも抵触になります。
要注意表現として「美白」と「エイジングケア」
まずは、特に薬事表現で厄介とされている「美白」「エイジングケア」の2つについてです。
血行や血流の改善は、身体の変化にあたることなので、薬機法に抵触してしまいます。
基本的に、「美白」「エイジングケア」の2つこの2つの表現は、第一、薬事上ではNGとされていますが、どうしてもこの文言を入れたい場合は、下記のポイントをクリアすれば表記する事も可能です。
「美白」の表記について
「美白効果」、「ホワイトニング効果」等は、薬事法による承認を受けた効果ではありません。
なので、これらの文字を使用する場合は、一定のルールに従って表現する必要があります。
まず、承認を受けた効能効果に基づく表現はOKなので、「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」や「日やけによるしみ・そばかすを防ぐ」などの表現はOKです。
また、メーキャップ効果により肌を白くみせる効果に基づく表現もOKです。
さらに、美白・ホワイトニング等の表現は、「日焼けによるシミ」、「ソバカスを防ぐ」などは記載OKですが、「効果絶大の美白化粧品」、「日焼けの後もすぐに美白」のような表現はNGです。
「エイジングケア」の表記について
エイジングケアの表現は、「加齢によって変化している現在の肌状態に応じて、化粧品などに認められた効能・効果の範囲内で行う、年齢に応じた化粧品などによるケアのこと」です。
化粧品関連では、肌の表面までしか記載をすることができないので、角質までに留めるようにして、ほかにも、「アンチエイジング」という言葉自体が医薬品的な効果効能の標ぼうと捉えられるのでNGになります。
NG表現 | OK表現 |
ほうれい線が目立たなくなる | 弊社商品史上最高のカバー力 |
血行を良くする | ハリつやを良くする |
真皮までアプローチ | 角質層のすみずみまでしっかりアプローチ |
肌の表面までの記載とすることで、表記上問題はありません。
ポイントとしては、“年齢に応じた化粧品等の効能効果の範囲内のケアの「エイジングケア」を用いた表現”であれば記載OKです。
または、「エイジングケア」という単語を使うことなく「40代からの化粧水」のように、年齢を記載するテクニックもよく用いられます。
変に「エイジング効果」におわせるコピーを使用するより、例えば「肌に年齢を感じたら、潤いを与えてくれる化粧水でケア」のように、何かの悩みにエイジング的な要素入れる表現もあります。
ダイエット・健康食品・サプリ
ダイエットの表現については、「痩せる」「サイズダウン」「このサプリで100%痩せる」という事を言い切るのはNGです。
ダイエットの表現は、健康食品・サプリの効果効能に沿って表記をする必要があります。
OKな表現としては、「目指せ!ー〇cm」「まだ間に合う!今年こそ痩せる」「夏までにメリハリボディを手に入れる」というような表現で記載をするようにしましょう。
健康食品・サプリの表現範囲としては、「治す・予防」「医者いらず」「増強・増進」などの表現をすることがNGなので、大きな変化を言い切るような表現は避けるようにしましょう。
OKな表現としては、「維持」「補う」までになるので、「生活習慣の改善」「毎日の元気をサポート」「ずっと若々しくいるために」などの表現をしましょう。
おまけ:よくつかうフレーズ集
薬事法を加味した表現で、よくサイトなどで使われているフレーズをまとめて一覧にしてご紹介します。
リスティング広告を運用するにあたって、どの言葉を使ったらいいのか迷って困ってしまった時には、ぜひ下記のフレーズを参考にしてみて下さい。
- カバー
- 隠す
- もっちり
- すっぴんのような
- 吸い付くような
- ガザガザ肌
- まだ間に合う
- 透き通るような
- ピンと張った
- つややか
- 潤い
- たまご肌
- ファンデーションいらず
- 実力派
- 弾力
- 乾かない
- 年齢肌
- 触りたくなる
- ワントーン上がる
- 鏡を見るのが楽しくなる
- 新事実
- 自身がもてる○○
- 目指せ○○
- ○○にアプローチ
- 驚きの○○
- ○○を実感
- ○○美人
- ○○に導く
など、参考までにご紹介をしました。
ここに挙げたフレーズは、「まだ間にあう」「触りたくなる」「〇〇に導く」など、代表的なものばかりなので、なんとなくわかるものもありますね。
リスティング広告掲載における医療関連の広告ポリシー
リスティング広告には、「Google AdWords」と「Yahoo!プロモーション広告」の2種類があります。
1つずつご紹介していきます。
Google広告
Googleは、snsなどの検索エンジンのサイト中で最も広く使用されており、1日に35億回もの検索が行われている人気のツールです。
そこで出稿することが出来る「Google広告」は、誰にでも簡単に始めることができます。
Google広告では、キーワードの選定が大事になってきます。
広告文やランディングページやキーワードで、”処方薬”に関する用語を使うことは禁止されているなど、規制があるので注意が必要になります。
ヘルスケア・医薬品に関する広告規制に準じ、広告掲載のポリシーが定められていて、医薬品メーカーは、一部の国のみで広告掲載が許可されています。
Googleは、ヘルスケアや医薬品に関する広告規制に従うよう努めているので、広告やLPは、法律や業界基準に準拠する必要があります。
ヘルスケア・医薬品の広告規制で影響する商品やサービスは具体的には、「オンライン薬局・医薬品メーカー・処方薬・市販薬」になり、これらをリスティング広告で配信する際には一定の規定に従わなければけません。
薬事法にひっかかり広告掲載の際に不承認になってしまう場合は、Googleへ申請を出し、認定された場合は広告配信が許可される場合もあるようです。
薬事法をしっかり守ることは、ユーザーの安心・安全を守ることになるので、薬事法に沿った方法でリスティング広告を運用していきましょう。
しかし、この記事で紹介した内容以外にも、Google広告を使いこなすには、管理画面の使い方はもちろん、seoや入札の仕組みや広告を表示させるための知識、配信を最適化したり効率よく作業を行うノウハウなど、様々なことを学ばなければなりません。
Yahoo!プロモーション広告
Yahoo!プロモーション広告における広告の審査について、どのような表現だと掲載をすることが不可となるのでしょうか?
薬事法上の広告表示の規制、および個別の掲載基準があるものは下記になります。
- 食品
- 健康器具
- 薬用化粧品(医薬部外品)・化粧品
- 医薬品・医薬部外品・医療機器
上記のような商材に関しては、個別の掲載基準を満たす必要があります。
Yahoo!公式サイトによると、商材に限らず、最大級の表現をしている文言は、掲載をすることが不可となりますので注意をしてください。
NG例としては、
・「顧客の満足度No.1」
・「業界トップの販売個数」
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、薬機法とする)による広告表現規制については、厚生労働省による「医薬品等適正広告基準」や、東京都福祉保健局の資料を参考としてみてください。
この薬機法には、表現方法に関してかなり細かい規定がしてあるので、各商材の取り扱い、広告を運用していく場合は、注意しながら広告の運用やランディングページの作成を行っていく必要があります。
美容商材でよく見かける、使用前と使用後のビフォーアフターの写真を掲載していることがありますが、このビフォーアフターの写真は保証表現となるので認められていません。
なので、ランディングページでの制作の際は気をつける必要があります。
また、”実際に使ってみた経験”や”体験してみたリアルな体験談”など、ユーザーのそのままの声は、結果の客観的な裏付けにはならないと判断され、消費者に誤解を与える恐れがあるとして、掲載出来ないとされています。
なので、この場合は化粧品などの使用感を説明する・タレントによる商品説明は掲載可となります。
オンライン薬局
日本でのオンライン薬局の宣伝は、「医薬品市販承認取得者の許可証」の有効な登録番号を提示している場合に限り許可されます。
処方箋の集配サービスを宣伝することは許可されません。代理店だけでなく広告主も Google の許可も受ける必要があります。
オンライン薬局の広告かどうかは複数要素(広告、サイトやアプリのコンテンツ、提供されている商品やサービスなど)により判断されます。
医薬品メーカー
医薬品メーカーの商材は処方薬と市販薬の2つに分離されて判断されます。
それぞれに広告配信の要件が設定されています。
処方薬
広告文やランディングページ、キーワードでの処方薬に関連する用語の使用は、以下の例外を除いて許可されません。
医療従事者、薬局の実店舗、医薬品メーカーのみアクセス可能なウェブサイトでは、キーワードとして処方薬の用語を使うことが認められます。
つまり、一般人がアクセスできない卸系のサイトの場合には、広告配信が可能ということになるので、ほとんどの会社が広告を配信することが出来ません。
市販薬
日本で市販薬を宣伝する広告を取り扱う際には、その広告主様が有効な許可証を取得している必要があります。
また、ウェブサイトにその登録番号を掲載している場合にのみ許可されます。
さらに、下記の薬品については、合法非合法に関わらず禁止されています。
- 宣伝が禁止された医薬品とサプリメントのリストにあるすべての商品(このリストは、禁止対象商品をすべて網羅しているわけではありません)
- エフェドラを含有する商品
- ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)が減量や体重管理に関連して、または同アナボリック ステロイドと共に宣伝される場合
- 医薬品有効成分や危険な成分を含有するハーブ系サプリメントや栄養補助食品
- 虚偽または誤解を与える効果効能(処方薬や規制薬物と同等の効果があるなど)
- 政府の承認を得ていない商品で、病気や疾患の予防や治療における安全性や効果があると示唆しているもの
- 政府または規制機関による措置や警告の対象となったことのある商品
- 不承認の医薬品やサプリメント、または規制薬物と混同する可能性がある名前の商品
該当するものがある場合には、禁止されているものになるので使用しないようにしましょう。
リスティング広告での薬事法の目的
薬事法では、細かく広告掲載の規定が決まっていますが、どうしてそこまで規定をきめているのでしょうか。
薬事法で細かく表現を規制する目的としては、なによりも「ユーザーの安心・安全を守るため」です。
ユーザーは、用途や効能を見て判断するということを考えると、広告を見て誤った判断を提示することで、誤った認識を持ったまま商品を利用してしまったら、健康や生命が危険にさらされてしまう可能性があります。
特に、医薬品や医療機器は人の健康や生死に直接関わってくるものになるので、誤った判断でユーザーが商品を使用しないように表示、表現する必要があります。
また、薬事法はユーザーの安心・安全を守るために必要なものですが、ネット社会と言われている現代において広告を出す側としては、細かな法律を守っての運用は大変です。
この薬事法に何度も反する広告を出稿していると、媒体側の判断でアカウントが強制的に停止になる可能性があり、その場合、今後の広告の再出稿も難しくなります。
また、薬事法に違反しているとみなされた場合、罰金などが課せられるケースもあります。
なので、法律の範囲内でいかに言葉を巧みに使って商材の魅力を伝えていくかが重要ですね。
薬機法を守らないとどうなるのか?
薬機法の規定に違反してしまった場合、どうなるのでしょうか。
もし、薬機法の規定に違反してしまった場合には、罰則と罰金があります。
措置命令
広告違反行為に対しては、厚生労働大臣または都道府県知事から、違反行為の中止・排除、再発防止策の実施などの「措置命令」が取られます。
また、2021年8月1日から改正法が施行されたので、薬機法66条「虚偽または誇大な記事・広告の禁止」も措置命令の対象になっています。
自社で扱っている広告を再チェックしていない場合には、今一度チェックをすることをおすすめします。
課徴金の納付
薬機法66条「虚偽または誇大な記事・広告の禁止」に違反をすると、課徴金の納付を命じられることになります。
この罰則は、2019年12月4日に違反行為の予防効果を強化する目的で改正され、2021年8月1日から施行されました。
重要なポイントは、以下のとおりになります。
- 課徴金額は最大3年間に遡って対象商品の売上の4.5%
- 課徴金額が225万円未満(売上5,000万円未満)の場合は、課徴金納付の対象外
- 措置命令、業務停止命令、業許可の取消しなどの行政措置を受けた場合、課徴金が課されないことがある
- 減額措置がある(課徴金を命じられる前に自主申告すると課徴金が半額になるなど)
懲役刑では、贈収賄に関わった場合に最長で7年以下の懲役が課せられることになります。
また、贈収賄にかかわらない場合においても、最大で5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金が課せられることもあります。
薬機法はかなり重い罰なので、知らなかったでは済まされることなはく、株式会社などの法人が薬機法違反に問われた場合には、代表取締役社長などが逮捕されることになります。
そんなことになってしまったら大変なので、違反をしてしまっていないか十分に確認をするようにしましょう。
事例:製造販売者名表示がない育毛剤の販売
薬機法違反に問われ、実際に逮捕に至った事例として、不正表示の医薬部外品販売容疑で逮捕されたケースがあります。
取り扱っている育毛剤を販売した際に、容器に製造販売業者の氏名などを表示しなかったことを理由に、そこの会社員が逮捕されました。
さらに、医薬部外品の製造・販売の許可も受けていなかったので(薬機法第12条・13条違反)、無許可の育毛剤を販売したとして再逮捕されています。
このような事例もあるくらい、こんなことで逮捕されてしまうのかと思うかもしれませんが、この事例のように実際に逮捕されていますので、作成をする際にはとにかく注意を払うようにしましょう。
リスティング広告における薬機法違反を犯さないためのポイント
リスティング広告を配信する際に、薬機法違反を犯さないためには、ここで紹介をする3つのポイントが重要になります。
- 厚生労働省のガイドラインを熟読する
- 不明な点はうやむやにせず、専門家に相談する
- 社内で広告ガイドラインを作成する
それぞれについて、見ていきましょう。
厚生労働省のガイドラインを熟読する
ガイドラインにアクセスをして、厚生労働省医薬・生活衛生局が公表している適正広告の基準と留意事項をしっかりと確認をするようにしましょう。
ガイドラインには、医薬品や化粧品などの広告規制となる対象ごとに、具体的に細かく基準が書かれているので、参考にしてください。
ガイドラインの概要を理解することができたら、自社で取り扱っている商品が規制の対象になっているのか、自社の広告や記事は表現は適切かどうか、不備がないのかなどの観点を確認するようにしましょう。
特に、広告内の文章での表現についてですが、基準としているガイドラインでもあいまいな部分も一部あるので、より適切な訴求方法を検討することが大切になります。
不明な点は、うやむやにせず専門家に相談する
薬機法について「この表現は良いのかな?」、「これは薬機法に触れるのかな?」など、わからないまま放置をしてしまうと、想定外の理由で摘発を受けてしまう場合があります。
なので、必要に応じて、弁護士などの専門家の力を借りて少しでもリスクを回避しましょう。
薬機法違反で措置命令や課徴金の納付命令を受けてしまうと、広告媒体の審査に通過することができなくなってしまう可能性もあります。
そうならないためにも、トラブルを未然に防ぐことができるように専門家のチェックを受けるようにしましょう。
そこで、信頼できる弁護士をみつけておくと、必要なときに迅速に相談をすることが出来るので、企業は顧問弁護士など見つけておくことをおすすめします。
社内で広告ガイドラインを作成する
薬機法に違反しないためにも、社内で広告を制作する際にガイドラインを作成するようにしましょう。
広告の配信に関わる自社スタッフ全員でガイドラインを理解することによって、薬機法に違反することなく安全に広告運用をすることができます。
また、広告代理店やWeb制作会社の担当者とも、ガイドラインを共有しておくと、より確実に薬機法を遵守することができます。
薬機法チェックのために参考にしたい情報
薬機法に関連しそうなジャンルの広告を運用する場合に、チェックしておいた方がいいサイトをご紹介します。
薬事法ドットコム
長年WEB広告を配信している人であれば、知らない人はいないといっても過言ではないのが、サイト名やURLを見てもわかりますが、薬機法(旧薬事法)の昔からあるメディアになります。
薬事法ドットコムでは、違反となるような表現や違反となってしまた広告事例などが掲載されているので、とても参考になります。
すべてを読むのはかなり時間がかかってしまいますが、自社の扱っている商品に関連する部分だけでも読むことによって薬機法を理解することができます。
薬機法に抵触する可能性がある広告を配信する場合には、時間を見つけて一度は目を通してチェックをすることをおすすめします。
Yahoo!広告
Yahoo!広告でも、薬機法の広告規制についてわかりやすいように動画で解説をしているものがあります。
薬機法の基礎的な内容から、薬機法に抵触しやすい化粧品や健康食品に絞った掲載基準についてもまとめて紹介されています。
Yahoo!によるコンテンツですが、Google広告を運用する際にももちろん応用をすることができるので、リスティング広告を運用方は必見です。
薬機法だけでなく景品表示法も注意!
広告を運用して商品を売る、あるいはサービスを知ってもらう際に、広告はとても重要な役割を担うので、売り上げを伸ばすために過大な広告をうったり景品などで消費者の購買意欲を誘ったりする広告を展開してしまいがちですが、薬機法への抵触は絶対的に避けなくてはいけません。
しかし、広告に関しては薬機法だけではなく、それと同時に気を付けなければならないのが「景品表示法」で、不当な表示であったり過大な景品などは規制されているので注意が必要です。
景品表示法は正式には、「不当景品類及び不当表示防止法」という法律で、実務経験者の間では「景表法」と略されて呼ばれていますが、商品やサービスの内容や品質などが事実と大きく乖離するような喧伝をする広告は景表法に抵触します。
いわゆる、公正な競争を阻害するおそれのある誇大広告と同じ意味だと思っていただいて問題ありません。
「最高」、「最上級」、「最良」といった最上級表現などは、一発アウトのNGキーワードになるので、使用をすることは禁止です。
また、実態をより良く見せかけるような言葉の選択をすることは、消費者のタメにならないので、正しい表現を用いて広告を作成するようにしましょう。
リスティング広告で気を付けるべき薬事法とは?安全に長期運用するために知っておくべきこと!まとめ
今回は、リスティング広告における薬事法についてご紹介しました。
薬事法は、ユーザーの安心・安全を守るために必要なものです。
- 薬事法は現在、”薬機法”と呼ばれている
- 薬事法の目的としては、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器の4種類の品質、有効性及び安全性の確保のために必要な規制を行う事
- 要注意表現として「美白」と「エイジングケア」
- OKな表現とNGな表現がある
- よくつかうフレーズ集
薬事法は、消費者に誤解を与えず安心安全を守るために存在しています。
薬機法に違反してしまった場合の課徴金は、対象者が故意でない場合や、過失がなかったとしても科されることになっているので、知らなかったでは済まされません。
知らないうちに薬機法に違反をしてしまっていたとならないように、気をつけたいところです。
なので、リスティング広告の運用の際は、薬事法の違反に該当しないように、ルールを守って対策を万全にして、法律の範囲内でいかに商品をより魅力的に伝えるか、工夫したフレーズを使用して消費者に届ける必要がありますね。
そのために、予めLP制作をしておくことで、広告出稿をする際もスムーズに審査を通ることが出来ます。
また、2018年6月1日に実施された医療広告ガイドラインでも、ガイドラインの規制があるなど、ネット広告における表現方法については、常に最新の情報を確認をしながら運用を進めていくことが重要です。
消費者の安心安全を守るための薬事法なので、リスティング広告の運用をする際には、ルールを守って法律の範囲内で何とか商品の魅力を伝えるかの工夫が必要になります。
広告の業界や業種によっては、まったく薬機法に抵触することはありませんが、美容や健康、医療など身体の変化にかかわる分野である場合には、薬機法は避けては通れない道になります。
もし、今審査に悩んでいるのであれば、早速表現の修正を行ってみてください。
リスティング広告の修正次第では、さらに良い結果を得ることができるかもしれません。
審査に引っかからないことばかりに気を取られてしまい、訴求力のないような広告になってしまっては意味がないので、どのようにすれば審査に通ることができ、訴求力のある広告になるのかを日々考えながら、訴求力を落とさない広告運用をしていきましょう。
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