インターネット広告やSEOなどに、少しでも関わっている方であれば「クリック率」という用語を一度は耳にしたことがあると思います。
リスティング広告を掲載してみたものの、「広告がクリックされない…」「思っていたより集客がなく困ってしまった」…という経験をした人はたくさんいるのではないでしょうか。
実は、リスティング広告は設定こそ簡単なものの、それを集客につなげるには少しのコツが必要なのです。
そもそも、「クリック率は高い方がいいと思うけどなぜかはわからない」という方も多いのではないでしょうか?
今回はこの記事で、その概要やコツについて初心者の方にでも分かりやすく具体的にお伝えし、少しでもクリック率アップのお手伝いができればと思っています。
たった3つの方法のみなので、是非参考にして対策をしてみてください。
リスティング広告クリック率とは?
そもそも「クリック率」とは、なんのことなのでしょうか?
クリック率とは、ディスプレイに表示された広告がクリックされた頻度や、そのキーワードがクリックされた頻度を表わしています。
「インプレッション数(広告が表示された回数)」のうち、「クリック数(広告がクリックされた回数)」の占める割合のことで、リスティングやSEOの版でも使用される基本となる用語になっています。
求め方の式としては、「クリック数÷広告表示回数×100=クリック率(CTR)」で算出することでが出来ます。
クリック率は、ユーザーがその広告にどれくらい興味を示したかどうかの指標として用います。
広告において重要なチェック項目としてポイントになるので、是非覚えておいてください。
クリック率は、タイトル、広告文、ターゲット層、媒体、掲載場所、掲載時間などの様々な要因が関係し、それらに応じて変動します。
リスティング広告でのクリック率相場
リスティング広告におけるクリック率は、一般的にだいたい1%程度と言われています。
しかし、あくまで目安であり、業界やネット広告の種類や構成、価格によっても変動します。
SEOの観点からよくみられているクリック率の指標と、広告の観点からみたクリック率の指標として、もう少し細かく分析してみると、
- 固有名詞ワード(アドリスティングなど)…3%以上
- 主要キーワード(リスティング広告運用代行など)…1%以上
- 潜在系ワード(リスティングなど)…0,5%以上
という、上記の分析結果もあります。
キーワードによっては、強調スニペットなどが増えていることや広告の出稿が増えているので、分析結果から変動する可能性も十分に考えられます。
指名キーワード(商材名やブランド名などの固有の名前)で検索する場合や、一般キーワード広告で検索する場合など、出稿しているキーワードによって大きくCTRは変わります。
なので、まずは目安として1.5%を目指すと良いでしょう。
リスティング広告のクリック率が低い場合のデメリット
クリック率が低い場合のデメリットは、そのままメリットの裏返しです。
すなわち「クリック単価(CPC)が高くなる」ということです。
クリック単価が上がるということは、もちろんCPAも高騰してしまいます。
また、オークションも不利になってしまうので、広告の表示回数が減ってしまうなんてケースもあります。
しかし、クリック率が低い広告やキーワードだからと言って、必ずしもコンバージョン率(成約率)が低いわけではありません。
クリック率は低くても、費用対効果の高い広告やキーワードは中にはあります。
有効な部分もあるので、一概にクリック率で判断するのはあまりおすすめしません。
広告文がユーザーの心に刺さらない理由とは?
それでは、なぜ広告文がユーザーの心に刺さらないのでしょうか。
その理由は下記の2つがあります。
- 「訴求点がユーザーの心に刺さっていない」
- 「表現がユーザーの心に刺さっていない」
という2つのことが挙げられます。
この2つを考える前に、前提として「ペルソナ設計」をすることが必要です。
広告を配信する際にターゲティングをしていると思いますが、ユーザーの心に刺さる広告文を作る際にはより詳細なニーズを知るためにペルソナを作りましょう。
広告文は、「訴求点」とその「表現」の2つの要素に分けることができます。
訴求点とは、ユーザーに商品を購入してもらうために伝えたい商品の特徴のことです。
表現とは、その商品の特徴をどのように表現するかを意味します。
それぞれにおいてユーザーを捉えていないと、CTRは向上することはありません。
リスティング広告でクリック率をあげる方法とは?
「いざリスティング広告を始めてけど、クリック率が低くて成果が出ない」という方に向けて、リスティング広告のクリック率を改善する施策をご紹介します。
では実際に、クリック率が上がる方法3つを伝授していきましょう。
今回おすすめする3つの方法としては、
- :広告文を変える
- :広告表示オプションを設定
- :広告の掲載順位を上げる
以上の3つです。
それぞれ詳しくみていきます。
広告文を変える
まずは、広告文を変えるという方法で、一番ポピュラーなやり方です。
広告の中で最も重要な広告文を見直しをしてみましょう。
キャッチーなフレーズや興味を惹くような表現を使って、クリックしたくなるような広告文を作ってみましょう。
ある広告は、広告文を変えただけで、クリック率が3%台まで飛躍的に伸びたという例もあります。
クリック率が極端に低い場合は、ユーザーが求める情報がその文章には含まれていないということが考えられます。
よくあるのが、商品の説明をしただけの広告文です。
これは悪いわけではないのですが、クリック率という点では少々劣ってしまいます。
もちろん、誇大表現を使うべきという話ではなく、むしろ、誇大表現は広告を踏んでも離脱されてしまうので、今一度、自分のターゲットとしているユーザーは、どのような言葉に反応するのかよく考えて可能な範囲で魅力的な広告文を作りましょう。
また、全ての広告にほとんど同じ広告文を設定している人もいますが、それでは効果はあまり期待できません。
最初の手間で、結果は大きく変わるので、面倒くさがらずにしっかり作りこんでいきましょう。
広告表示オプションを設定
次に、広告表示オプションをまだ設定していない場合は、是非設定してみましょう。
表示オプションとは、検索連動型広告で出てくる住所、電話番号などの追加情報です。
広告表示オプションを設定することで、広告面積が大きくなり、ユーザーごとに最適なパターンを配信してくれるので、ユーザーにあなたの広告が目に留まりやすくなります。
広告表示オプション自体にはお金はかからないので、ほぼデメリット無しでユーザーに追加の訴求を行えます。
また、キーワードに合わせて親和性の高い広告文を出してくれるので、クリック率が向上しやすくなります。
さらに、このオプションの中にはテキストを入力することも可能なので、広告文に入れたくても入れられなかった分をここに入れてみるのもおすすめです。
広告表示オプションはgoogle、Yahoo!ともに様々な種類があるので、よく調べてから入力するようにしてください。
中でも、サイトリンクとコールアウトは特に重要な情報を表示してくれる機能なので、是非取り入れましょう。
広告の掲載順位を上げる
当たり前ですが、広告の表示順位とクリック率は比例しています。
つまり、クリック率を上げたければ、広告の表示順位を上げることが必要になってきます。
広告文は一度作ったら終わりではなく、ABテストを繰り返して改善を重ねていくことが重要です。
文字にすると当たり前に見えますが、意外とこれができているアカウントは少ないのが現状です。
ABテストを繰り返して改善を重ねることで、クリック率や成約率が高い理由や低い理由を分析することができます。
また、力技ですが、入札単価を引き上げて、広告を上位に掲載してもらうようにすれば、確実に結果は出せるでしょう。
これは、もれなくお金がかかることなので、この方法だけ試すのはあまりおすすめしません。
1と2を試したうえで難しければ、最終手段としてお金を使って問題解決をしていきましょう。
しかし、その際は予算だけはしっかり立てておくことが重要となります。
リスティング広告の品質スコアとクリック率
広告の良し悪しを数値化した結果である品質スコアも、クリック率があがることによって上がると言われています。
しかしこのスコアは、広告掲載順位に対してのクリック率をみたときの評価になります。
つまり、掲載順位が下なのにクリック率が高ければスコアは高くなります。
掲載順位が上位でクリック率もよいのは、当たり前の結果のなめ、さほどスコアに影響はしません。
つまり、先ほど挙げた3の方法のみでクリック率を上げた場合には、掲載順位が上がってしまっているため、たとえクリック率があがっても、スコアは変わらない可能性が高いのです。
しかし、クリック率が良ければOKとは一概に言えません。
クリック率に加えて品質スコアも上げたい場合は、注意してください。
クリック率と品質スコアが上がるメリットは?
同じキーワードに広告を出した場合、クリック率が高くてなおかつ品質スコアがいいことで、より多くの人がサイトに訪問してくれるので、オークション環境において上位に持っていってもらえるようになります。
特に成果が見込めるキーワードのクリック率が高ければ、売上といったコンバージョンが増えることに繋がります。
つまり、広告主が設定する入札単価とは別に、品質スコアをあげていくことは、広告のクリック単価を下げることに繋がっていくのです。
品質スコアが高くなると、同じキーワードでも、より安いクリック単価で広告を配信できるのです。
クリック率と品質スコア両方をあげておくことが大切なので、どちらもあげられるようにしっかり考えていきましょう。
クリック率を高めることは、リスティング広告においてとても重要なことなのです。検索結果の質という視点から見ても、クリック率が高い広告は、ユーザーが検索結果に満足している可能性が高いといえます。
それさえしっかりと把握しておけば、低価格で多くのお客を呼ぶような、素晴らしい広告を作ることができるでしょう。
クリック率が高ければ良いわけではない?
クリック率が高いのは良いことですが、高ければ高いほど良いのでしょうか?
実は、クリック率が高いからと言って、必ずしも良いとは言えない場合もあり、「クリック率が高い=商品が売れる」ということではありません。
そのパターンを3つ紹介していきます。
ユーザーが誤ってクリックしている
1つ目は、過剰な広告や誤解を与えやすい広告を配信している場合です。
- 自分たちの強みを目立たせようと、広告文が過剰な内容になっている
- 商品やサービスの内容が正しく伝わらない広告文になっている
こういった場合、本来、サイトに来てほしいユーザー以外にもクリックされている場合があります。
これを検証する際には、ユーザーが広告をクリックした後の動きを確認してみましょう。
- 訪問したユーザーがサイトを見ずすぐ帰っている
- 購入やお問い合わせなど コンバージョン に繋がる割合が低い
などといった場合は、本来のサービスを必要としていない人が誤ってクリックをしている可能性が高いといえます。
広告を表示するキーワードを絞り過ぎている
一般的に、商品・サービスに興味関心が高いユーザーほど、必然的に広告のクリック率は高くなります。
ですが、一方で今すぐに商品・サービスを必要としていないユーザーは、資料を見る程度であまり積極的に広告をクリックしません。
そのため、興味関心が高いユーザーが使っていそうな検索キーワードにだけ広告を配信することによって、クリック率が高くなりがちです。
キーワードを絞り過ぎているかは、キーワードごとにクリック率を見ていくことで検証することができます。
もし全体のクリック率が高かったとしても、今すぐ必要としているユーザーにのみ広告を出しているようであれば、それは当然の結果かもしれません。
むしろ本来得られるはずのクリックを逃しているかもしれないので、キーワードを注意深く見てみることが大事です。
競合の広告が少ない
自分たちだけでなく、他社の競合もブログなどを使って最新のリスティング広告を記載していることがあります。
当然、ユーザーは競合も含めた広告を目にして、どの広告をクリックしたらいいのかを選んでいます。
競合となる広告の出稿が少ない場合には、ユーザーの選択肢も少ないのでクリック率は高くなりますが、競合となる広告が多い場合や競合がキャンペーンを展開して広告の訴求内容で負けてしまっているときなどは、クリック率が低くなります。
クリック率が低くても、商品が売れることは世の中にはたくさんあります。
では、何をもとに判断したらいいのかというと、それは「CPA(獲得単価)」です。
CPA(獲得単価)とは、クリック率が影響するのはあくまでクリック単価のことで、クリック率が低くても、クリック単価が高くても、高い成約率で商品が売れていれば、CPAは良好です。
一概にクリック率やクリック単価で広告の良し悪しを判断しないで、CPAで判断することをおすすめします。
また、クリック率が低くCPAも悪い広告やキーワードについては、どんどん精査してしまいましょう。
リスティング広告でクリック率を上げる広告文を作る際に注意すべきこと
ここまでCTRを上げるための広告文の作成方法などを説明してきましたが、広告運用者が陥りやすい落とし穴があるので注意しましょう。
それは、CTRを追いすぎてコンバージョンに繋がらないということです。
CTRでユーザーの心に刺さる訴求点と表現を追求するあまり、ランディングページの内容と整合性が取れず、ユーザーがコンバージョンに至らないために起こってしまいます。
そうならないためにも、まずは目標とするCTRの目安をあらかじめ決めておきましょう。
そして、目標達成後はCVR(コンバージョン率)を上げるための施策にシフトチェンジしていくことも大切です。
CVRに直結するのはコンテンツの中身なので、広告の運用担当とコンテンツの制作担当が違う場合がほとんどですが、定期的に整合性を取るため、連携して施策を打つことをおすすめします。
リスティング広告でクリック率を上げたい!実践したい3つの方法!まとめ
今回はリスティング広告でクリック率を上げたいと思った際に実践できる3つの方法を解説してきました。
クリック率を上げよう!と意気込むと、ついついそのことにのみ意識が集中しがちですが、品質スコアも同時に上げられるように頑張りましょう。
クリック率を上げるための広告文に必要なことは、ユーザーの心に刺さる訴求点とその表現を追求することです。
クリック率が高い広告は良い影響を与えることが多いですが、必ずしも良いわけではありません。
リスティング広告を出稿する際は、クリック率が運用結果に与える影響を理解しなくてはいけません。
クリック率は、「あくまで広告が多くクリックされただけ」なことを忘れないようにしましょう。
広告文を作る作業はなかなか大変ですが、やみくもに広告文を作成するのではなく、作った広告文を分類・管理して運用して、あとから良い結果がついてくることを信じて、地道にやっていっていきましょう。
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