Google広告を配信して運用をしていくと、必ず必要になってくるのはやはり「平均掲載順位」ですよね。
自分の広告が、今どの位置に表示されているのかを知ることはとても大切です。
ただ、この平均掲載順位は実は、2019年の時点で廃止されているとの情報があります。
まず、そもそも平均掲載順位とは一体何なのか。
そして、本当に2019年に発表された廃止は本当なのか?本当に廃止されてしまったのかということなど、関連することをこの記事でご紹介していきます。
Google広告の平均掲載順位とは?
まずは、平均掲載順位とは何なのかという基本となることから見ていきましょう。
平均掲載順位とは、その名の通り広告が検索結果ページに掲載された表示順の平均位置を示す管理画面で確認できる指標のことです。
自分が制作して出稿している広告が、「上から数えてどの位置に表示されているのか」、または「平均して何番目に掲載されているか」などを数値化しているものになります。
検索広告の成果を見るうえでは、この数値が1に近ければ近いほどユーザーの目に触れる可能性が高くなり、その結果クリック率が高くなるのでパフォーマンスがよい状況だといえます。
一般的に、掲載順位はサイトでの検索広告のパフォーマンスを大きく左右するので、1から大きく離れてしまっているとユーザーの目には留まらないので改善する対策が必要になってきます。
Google広告の平均掲載順位の確認方法は?
では、平均掲載順位の確認方法についてみていきましょう。
Google広告を運用するには、この平均掲載順位の確認をすることは重要なので、必ず行うようにしましょう。
まず、Google広告のアカウントに「ログイン」します。
次に、広告管理画面左側の「キャンペーン」をクリックします。
そしたら、表示画面の右にある小さなアイコンの「表示項目」をクリックします。
次に、「キャンペーンの表示項目を変更」から「競合指標」をクリックして、チェックボックスの「平均掲載順位」をクリックします。
これで、キャンペーン画面に平均掲載順位の列が追加されたので、いつでも見れる状態になります。
掲載順位が高いほど、クリック率が高くパフォーマンスが良いといえますが、それでも平均掲載順位が広告のパフォーマンスを把握するには十分な指標ではないとGoogleは考えたのです。
Google広告の平均掲載順位が無くなった?
ここからが本題なのですが、実は、平均掲載順位はもう廃止されているというのです。
「え?どういうこと?」と、思う方もいるかもしれませんが、本当に平均掲載順位は廃止されてしまっているのでしょうか。
Googleからの連絡を見てみると、2019年9月29日に平均掲載順位は廃止されています。
そのため、2020年の今ではもう平均掲載順位は見れないということですね。
因みに、Yahoo!は平均掲載順位は2019年9月25日で掲載を終了しています。
どちらも2019に廃止されてしまっています。
これから、自分の広告がどの位置に掲載されているかが確認できなくなるということなのでしょうか。
Google広告の平均掲載順位が廃止される理由は?
Googleがツールを廃止するときには、必ず何か廃止されるべき理由があります。
平均掲載順位が廃止された気になる理由とは、一体何なのでしょうか。
簡単に言うと、現在の検索結果において掲載順位は広告のパフォーマンスを把握するのにじゅうぶんな指標ではなくなったからです。
海外のPPC代理店のオウンドメディアを見ると、中には平均掲載順位の指標を「時代遅れ」とまで表現しているサイトまでありました。
実際に2018年5月Google広告は海外のカンファレンスで、以後、拡張広告のシステムアップデート・開発をGoogleは行わないと発表していて、今後も発展していくリスティング広告の最適化トレンドに、平均掲載順位という指標では対応仕切れない部分が発生していくと考えられるからです。
例を挙げてみると、ページの上部に広告が出た時とページの下部に出た時とを考えてみましょう。
この場合、どちらとも掲載位置は1位となります。
ただし、ページの上部にある広告の方がクリック率が高くなるのは明白ですよね。
広告のパフォーマンスに大きな影響を及ぼすのは、掲載順位ではなく、掲載位置なのを間違えてはいけません。
なので、掲載順位だけを見ていると、どうしても広告のパフォーマンスに大きな影響を及ぼすのは、掲載位置なので、掲載順位では十分な状況把握ができないのです。
維持できているとは限らなくなってしまっているということです。
Google広告の平均掲載順位に代わるツールは?
平均掲載順位では、実際にはページの下部に表示されていた場合の1位表示も、掲載順位1位として反映されるので、広告の掲載位置を正確に把握するということが困難でした。
しかし、廃止後に平均掲載順位を確認できなくなるのは、やはり痛手となりますよね。
平均掲載順位がなくなる経験はもちろんしたことがないことで、さらに、今まで平均掲載順位に頼りきりの方なんかにとっては、とくに大打撃となるでしょう。
しかし、平均掲載順位に代わる新しいツールはすでに開発されて提供されています。
それが「インプレッションシェア」というものです。
全く同じ内容というわけではありませんが、使い方によっては違いを感じさせないような同様の効果を大いに発揮するツールとなっています。
Google広告のインプレッションシェアとは?
平均掲載順位の代わりになる新しい指標としては、「ページの上部(最上部)のインプレッションシェア」があります。
「インプレッションシェア」とは、広告が表示可能であった回数のうち広告が実際に表示された回数のことをいいます。
つまり、広告表示可能回数が100回で、広告が実際に表示された回数が50回であれば50%ということになりますね。
また、インプレッションシェアには複数の種類があります。
その中でも、平均掲載順位にとって代わる機能としてあるのは、
- 検索広告のページ最上部インプレッションシェア
- 検索広告のページ上部インプレッションシェア
の2つとなります。
この2つを合算させることにより、平均掲載順位を知ることができるようになります。
【検索広告のページ最上部インプレッションシェア】は、検索広告のページ最上部に広告掲載が可能であった回数のうち実際に広告が表示された回数のことをいいます。
【検索広告のページ上部インプレッションシェア】は、上部に掲載可能であった回数のうち実際に広告が表示された回数のことを言います。
これらの指標は「平均掲載順位」とは違って、他の広告と比較した相対的な位置ではなく、検索結果ページで広告が実際に表示される位置を表します。
たとえば、クリック率が急に下がってしまった場合に、それまで最上部や上部に表示されていた割合が低下している可能性があります。
検索結果の目立つ場所に広告を掲載することが目的の場合は、顧客の目につきやすいように「目標インプレッションシェアスマート入札戦略」を使用しましょう。
ただし、上部表示を目指し入札単価を上げることは、あまり望ましくありません。
入札単価が高くなると、あまり望ましくない位置でより競争の激しいオークションに参加することになる可能性があるので、これは最善の得策とは言えません。
ここは、予算との兼ね合いの中で掲載位置を設定していくことが必要になってきます。
では、それぞれ「検索広告のページ最上部インプレッションシェア」「検索広告のページ上部インプレッションシェア」の確認方法を見ていきましょう。
Google広告のインプレッションシェアの確認方法
インプレッションシェアの確認方法としては、まずは、Google広告管理画面の「キャンペーン」をクリックします。
次に、右側の小さなアイコン「表示項目」をクリックします。
次に、表示画面の「競合指標」をクリックして、
- 検索広告のページ最上部インプレッションシェア
- 検索広告のページ上部インプレッションシェア
をクリックします。
これで、キャンペーン画面に各インプレッションシェアの列が追加されました。
「ページ上部インプレッションシェア」「ページ最上部インプレッションシェア」の活用例
今後は、「ページ上部インプレッションシェア」と「ページ最上部インプレッションシェア」の指標を活用して最適化することを推奨しています。
この導入された指標ですが、これらの指標を活用することで広告主様の広告がどれほど上部や最上部に表示されていたかなどがわかります。
活用例としては、仮に、
- ページ最上部(オーガニック検索結果ページの上部の一番上)を掲載順位1位
- ページ上部(オーガニック検索結果ページの上部)を掲載順位1~3位
と仮で定義をしたうえで、以下の指標をもとにざっくりとした平均掲載順位を算出してみると、
- インプレッションシェア:60%
- ページ上部インプレッションシェア:50%
- ページ最上部インプレッションシェア:40%
となります。
この上記の数値の場合だと、全体の60%のうちの40%(3分の2)は、ページ最上部(掲載順位1位)として表示されていたことになります。
また、掲載順位が2~3位はのページ上部(掲載順位1~3位)の50%から、ページ最上部(掲載順位1位)の40%を差し引いた10%ほどが表示されていたことになります。
残りの10%が掲載順位4位以降ということになるため、これらを加重平均で計算すると平均掲載順位1.7位前後となり、仮の定義ではありますがなんとなくの平均掲載順位を割合から計算で算出することができます。
そもそも、平均掲載順位を計算で出す必要があるのかは不明です。
ですが、これらの指標を参考に今後は調整を行うことになりそうですね。
「ページ最上部インプレッションシェアが50%だったので、2回に1回は1位として表示されていましたよ!」といったお客さまへの報告の仕方が変わりそうですね。
他にツールはあるのか?
実は、掲載順位に関する入札方法として「目標インプレッションシェア」を活用するという手もあります。
目標インプレッションシェアでは、「最上部」「上部」「任意の場所」でそれぞれターゲットに置いた順位に合わせて自動で入札調整を行ってくれます。
これらを上手く活用すれば、平均掲載順位に成り代わるかもといわれている機能の1つでもあります。
またまだ、効果的な使い方は公表されていませんが、次のような
- 検索広告のページ最上部インプレッション損失率(予算)
- 検索広告のページ最上部インプレッション損失率(順位)
- 検索広告のページ上部インプレッションシェア
- 検索広告のページ上部インプレッション損失率(予算)
- 検索広告のページ上部インプレッション損失率(順位)
- ページ最上部インプレッション率
- ページ上部インプレッション率
なども一覧の内容でも使えるようですね。
たくさんありますが、いろいろと組み合わせて効果的なリードできる手法を見つけるしかなさそうです。
今後の影響は?
実は、インプレッションシェアを知ることですべてが解決されたわけではありません。
平均掲載順位が無くなったことで、今後の影響というのはかなり出てきています。
まず、「検索ページの目標掲載位置」や「優位表示シェア」など、平均掲載順位を使用した入札調整や最適化を利用することができなくなります。
そのため、インプレッションシェアという代替ツールを使う必要があります。
また、あまり知られていないのですが、今まで使っていたキャンペーンは自動的に「目標インプレッションシェア」に移行されますので注意が必要です。
さらに、インプレッションシェアは2018年9月以前のデータを参照することができません。
これは、かなり痛手ですよね…。
平均掲載順位の撤廃に伴って、過去のカテゴリの広告視認性のデータを参照することができなくなるということです。
さらに、もう一つ…、それはお客様に提出する数値レポートをAPIで出力している場合です。
これまで平均掲載順位をレギュラー項目としていた場合は、出力データを全て変更して作成する必要があります。
先ほど述べたインプレッションシェアを使うのではない場合、どのような見せ方をするべきなのかは要相談しないといけないところですね。
Google広告のオークション分析はどうなるのか
競合他社との掲載順位などの比較を行う際に、オークション分析を活用することもあると思います。
平均掲載順位がなくなるので、オークション分析はどうしたらいいのかサポートセンターに問い合わせたところ、やはりこちらからも平均掲載順位の項目は無くなってしまうようです。
オークション分析で表示できる項目から平均掲載順位が消えて、「ページ最上部インプレッションシェア」という型が新たに追加されるそうです。
しかし、もしYahoo!スポンサードサーチやYDNなどの他媒体のデータもまとめてディスプレイに出力している場合は平均掲載順位の項目はどうするのか、「ページ上部インプレッションシェア」や「ページ最上部インプレッションシェア」といった指標をレギュラー項目として追加するのか、その場合の見せ方はどのようにするのか、といった点を見直す必要があります。
すでに、「ページ上部表示率」といった項目が存在しているので、具体的にどう変化するかまでは現時点では詳しくわかりません。
とくに、オークション分析をよく活用している方は、今後の動きがとても気になるところですね。
Google広告の平均掲載順位とは?2020年以降に廃止されていた?のまとめ
今回は、Google広告の平均掲載順位について詳しく解説してきました。
実態を表すことができなくなっていた平均掲載順位が廃止になり、インプレッションシェアで表すことになりました。
広告の精度を考えて、今までも様々な機能が廃止・追加されてきたので、今回も歓迎すべきことです。
そのたびに、長年運用していたアカウントに多大なる影響を与えてきたことは事実です。
しかし、掲載順位という直接の数値ではなく、まず数多い指標があり、それぞれの意味をきちんと把握して割合やシェアに合わせて運用して、細かな評価をしていかなければならなくなったのも事実で、なかなか困難です。
しかし、そのたびに成り代わるツールがあったり改善策も公表されています。
今回の平均掲載順位の廃止も、成り代わるツールは公表され、現在では検索広告の運用においても自動入札が広く用いられています。
自動入札を前提とした広告運用の中では、パフォーマンスによって調整される掲載順位の違いは、これまでほど大きな意味を持たないのも事実です。
なので、上手く組み合わせてGoogle広告の運用をしていきましょう!
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