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リスティング広告で商標トラブルが起こった際の対処法!ブランドネームの取り扱い方!

リスティング広告を運用していると、インターネット広告の定番として利用企業も多く、社名・商品名・サービス名など自社のブランドネームを広告文に用いた他社広告を目にする機会があるかもしれません。

 

リスティング広告は、ユーザーの目にもつきやすく、効果の計測もしやすいので人気の広告でありますが、ちょっとしたトラブルが発生する場合があります。

 

中でもよくあるトラブルとしては、“商標登録された単語・用語を巡る”トラブルになります。

 

リスティング広告で、他社商標を使用してしまっていたり、または、他社の広告で自社商標を使用されているなどということはありませんか?

 

少しデリケートな部分でややこしいトラブルとなっていますが、法的な問題もからんでくるのでリスティング広告の商標トラブルは、出来れば避けたいところです。

 

そこで、今回この記事では、【リスティング広告と商標登録の関係】や、【リスティング広告で商標トラブルが起こった場合の対処法】などをご紹介していきたいと思います。

目次
  1. リスティング広告での商標とは?
  2. リスティング広告で商標トラブルが起こった際の対処法!
  3. リスティング広告でのブランドネームの取り扱い方!
  4. 自社で商標登録している単語が他社に使われないようにするには?
  5. リスティング広告で商標用語の使用制限するためのアナログな方法
  6. 他社の商標を出稿することは法律に抵触するのか?
  7. 商標権侵害の警告を他社から受けた場合の対応
  8. 商標権侵害トラブルは早めの弁護士への相談がポイント
  9. 本当にあった商標侵害の事例
  10. リスティング広告で商標トラブルが起こった際の対処法!ブランドネームの取り扱い方!まとめ

リスティング広告での商標とは?

リスティング 広告 商標 トラブル 起こった 場合 対処法

みなさんも「登録商標」という言葉を、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

 

リスティング広告では、競合他社の商品名やサービス名を使って広告出稿されていることが多々ありますが、そもそも商標とは、一体何のことなのでしょうか?

 

商標とは、商品名やサービスの名称、それを提供するお店の名前等、商品もしくはサービスを表す表示のことで、文字、図形、記号、立体的形状、これらの組み合わせなども含まれ、商標として特許庁に登録されているものをいいます。

 

簡単に言うと、商標とは「どの企業のサービスなのか」、「誰が作った商品なのか」を表すもので、類似している商品との区別や類似しているサービスの品質保証を示すことができるのになります。

 

商標権を取得するためには、特許庁に商標出願をして、商標登録を受けることが必要があるので出願申請をして一定の審査後に登録されるか否かが決まります。

 

そして、商標が登録されると、商標が登録された分野の指定商品・指定役務について、商標権者の独占的使用権が認められます。

 

商標は、店舗名や商品名、サービス名などに関連するのですが、自分の会社には関係がないことだと思っている企業主さんもいるようです。

そのため、商標権侵害など商標に関するトラブルで訴えられるケースも増えています。

商標権は、特許庁に出願し審査を通過して商標登録されれば、指定商品などの範囲内でその権利を持つ人だけが使用できるというとても強い権利のなのです。

 

なので故意はもちろん、意図的ではなかったとしても、他人が勝手に使用する行為は許されません。

 

こういった理由から、リスティング広告においても既に商標登録されている商標を使って広告を出稿してしまうと、商標権侵害にあたり、罰則を科せられる可能性があります。

 

なので、商標は、出来るだけ早く取得しておくことをおすすめします。

 

なぜ早く商標を取得した方がいいのか、その理由は商標を取得したその日から、あなたの会社の「会社名」・「店舗名」・「サービス名」がその会社にしかないオンリーワンのブランドとなるからです。

 

メリットとして、商標登録すれば競合他社など他の会社は似た様なロゴや名前などを使用することが出来なくなります。

 

また、商標登録したロゴや名前は自社のオリジナルとなるので、他の人がそのロゴや名前を見たり聞いたりした時に、すぐにどこの会社なのか分かるようになります。

 

そしてその結果、顧客からの安心と信頼に繋がります。

 

早めに商標登録しておかなければ、競合他社に先に取得されてしまうことや真似をされてしまう可能性もあるので、注意が必要です。

商標登録をされれば、日本全国で、指定した商品・サービスについて、登録した商標を独占的に利用できることになるのですが、中には例外もあるので注意が必要です。

商標登録されているっものを勝手に使うことはできませんが、同じ名称でも使いみちが違えば登録をすることが可能なこともあります。

実は商標登録されているもの

実は商標登録されているものとして、身近な単語が商標登録されているのでご紹介します。

  • ウォシュレット
  • シャワートイレ
  • イクメン
  • イケメン
  • コスプレ
  • コスチュームプレイ
  • 女子高生
  • スマホ
  • 宅急便
  • デジカメ
  • バンドエイド
  • 美少女
  • 美女
  • 美魔女
  • フリーマケット
  • 変身
  • 万歩計
  • メイドカフェ
  • メディア

上記に紹介したブランドも、最初は無名で知らない人も多かったはずです。

ですが、いち早く登録しているので今では誰もが知る有名ブランドとなっているのです。

 

多くの企業が商標制度を利用しており、年間約10万件の商標が登録されています。

 

バンドエイドは商標登録してあっても、絆創膏はしていなかったり、フリーマーケットは登録されていてもフリマはされていなかったりと、判断が難しいので知らず知らずのうちに使っていることもあるかもしれません。

 

知らずに商品・サービスや広告に使ってしまうと思わぬトラブルになりかねません。

そして、現在は使えるものとして、

  • エスカレータ
  • ホームシアター
  • 巨峰
  • 正露丸

は、今現在は商標登録から外れています。

 

このように、商標登録してあるからと言っても、変わっていくのでチェックをするようにしましょう。

商標は1度登録したら永久に利用できる?

商標は、1度登録してしまえば永久に利用できるのかということですが、その答えはNOです。

 

商標は、10年毎に更新」があり、その際に更新登録の登録料を特許庁に納付して商標の更新をします。

 

商標の更新をするかしないかは、自由です。

リスティング広告で商標トラブルが起こった際の対処法!

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商標について分かったところで、リスティング広告を運用していると、社名・商品名・サービス名など「自社のブランドネーム」を広告文に用いた他社広告を目にする機会、ありませんか?

 

そもそも、「リスティング広告で、商標登録されている単語って使えるの?」という点が気になりますよね。

 

リスティング広告における商標登録キーワードの使用には、

  • 「商標登録されているキーワードで入札・出稿する」
  • 「商標登録されている単語を広告文に含める」

場合の2パターンがあり、それぞれ事情が異なります。

そこで、ここからはリスティング広告における商標トラブルを見ていきましょう。

商標登録されているキーワードで入札・出稿する場合

他社が、商標登録されているキーワードで入札・出稿を行ったために、そのキーワードで検索をした際、検索結果として他社の広告が表示されてしまうケースです。

 

また、自社の社名や商品名で検索したにもかかわらず、自社の広告よりも上位に他社の広告が表示されてしまうこともあります。

 

このように、他社が商標登録しているキーワードに出稿することについては、法的には問題がありません。

例:「○○サプリ」という商品名を商標登録している場合

たとえば、A社が「○○サプリ」という商品名を商標登録しているとします。

 

ここで、同じような効能のあるサプリを売っている競合のB社が、リスティング広告でこの「○○サプリ」というキーワードで出稿したとします。

 

すると、ユーザーが「○○サプリ」というキーワードで検索した場合に、競合であるB社の広告が表示されることになりますよね。

 

これが、「商標登録されているキーワードで入札・出稿する」ケースです。

このように、他社が商標登録しているキーワードに出稿するのは、一見NGのように思えますが、前述の通り「基本的に法的問題はない」のです。

中には商標登録している会社側から、「我が社の商標登録キーワードを使って入札するのはやめて欲しい」と頼んでくる場合もあります。

 

しかし、いくら商標登録しているからと言って、その取り下げ要求に絶対的な強制力があるわけではないのです。

つまり、「A社」と検索した場合にA社から見れば不愉快とも思えるようなリスティング広告が表示されても、法的な削除請求をA社は行うことはできません。

広告の取り下げを依頼したい場合は、広告主もしくは代理店と、他社の間で直接交渉を行うしか、方法はありません。

ただし、ビジネス上の都合やモラル的な問題を考えた場合、速やかにリスティング広告を取り下げたほうが良い場合もあります。

 

このように、実際に業界では「商標登録キーワードへの入札」というのは頻繁に行われているのです。

商標登録されている単語を広告文に含める場合

「商標登録されているキーワードで入札・出稿する」ケースについてご紹介しましたが、もうひとつのケースとして、「商標登録されている単語を広告文に含める場合」を考えてみましょう。

 

たとえば、上記の例と同様、A社が「○○ダイエットサプリ」という商品名を商標登録しているとします。

 

そこで、競合社であるB社が、「○○ダイエットサプリよりコスパ抜群なダイエットサプリはこちら」とリスティング広告の広告本文で使用して出稿していて「○○ダイエットサプリ」の単語を使用していた場合、これはOKなのでしょうか?

 

その答えは、「使用の禁止、または制限される可能性がある」です。

 

A社がこのB社の広告を見つけて、GoogleやYahoo!を通して当該キーワードの使用制限申請をした場合、「○○ダイエットサプリ」という単語は広告文で使えなくなる可能性が高いです。

 

つまり、OKかNGかで言うと「NG」に近いわけです。

リスティング広告でのブランドネームの取り扱い方!

リスティング 広告 商標 トラブル 起こった 場合 対処法

最近、リスティング広告に関するトラブルが見られます。

 

出稿状況が悪質であると判断された場合には、契約終了などの措置が取られる場合もあるので、注意をする必要があります。

  • 他社キーワードや異なる商品名での出稿
  • 古い情報、誤った情報の掲載

このように、「他社キーワードや異なる商品名での出稿」として、宣伝している広告とは異なる商品名・サービス名等での表示は、迷惑行為となってしまいます。

 

また、「古い情報、誤った情報の掲載」として、検索結果ページに表示される広告文や、広告掲載ページには正しい内容を記載するようにしましょう。

特に、料金やキャンペーンは内容が変更・更新される可能性が高いので、常に最新の情報を確認して、更新をする必要があります。

自社で商標登録している単語が他社に使われないようにするには?

リスティング 広告 商標 トラブル 起こった 場合 対処法

それでは、自社で商標登録している単語が他社の広告文で使用されていた場合、どのようにすればいいのでしょうか?

 

この場合、アドワーズなら「Google、Yahoo! 」プロモーション広告なら「Yahoo! JAPAN」に申請することで、他社による広告文内での商標登録キーワードの使用を制限することができます。

 

以下より、その手順を簡単にご説明しましょう。

Google AdWords(アドワーズ)の場合

Googleへの申請は、次の手順で行います。

  1. まずGoogleの「商標権侵害の申し立てフォーム」にアクセスします。
  2. 名前や会社名など、申立人(自分)の情報を入力して「次へ」をクリックします。
  3. 申し立てをしたい商標キーワード、対象国、商標の登録番号を入力して、「次へ」をクリックします。(10件まで可能です)
  4. 「申し立ての対象となる広告主」という画面に移るので、特定の広告主の使用だけを制限したいのか、それともすべての広告主の使用を制限したいのか、選択します。
  5. 次に「補足説明および誓約」というページに移動するので、補足事項があれば記入しておきましょう。
  6. 最後に「誓約」欄の注意事項を確認の上、チェックボックスをオンにして、「プレビュー」ボタンを押します。
  7. 最後のプレビュー画面になるので、ここまで入力した内容をすべて再チェックして、問題なければ「送信」ボタンをクリックします。

問題になっている広告の例の詳細記入は、④で求められます。

 

また、「すべての広告主」を選択した場合、追加で「商標使用を許諾された広告主」の記載も求められます。

 

この欄には、自社のAdWordsアカウント情報やパートナー企業のAdWordsアカウント情報を入れましょう。

 

申請を送信後、Googleから10日以内くらいに商標権所有者へ審査結果の連絡を確認するメールが届くのでそれまで待ちましょう。

以上で申し立ては完了ですが、上記の手順はあくまで一例なので、当てはまらない場合もあります。

Yahoo! プロモーション広告の場合

若年層を含む、幅広いユーザーに閲覧されている「Yahoo! JAPAN」。

 

だからこそ、この1社で日本国内のスマートフォン利用者の約9割、パソコンユーザーの約7割に広告を届けることが可能です。

 

Yahoo! プロモーション広告の場合は、Googleへの申請手順とは違い、郵送での申請になります。

 

まずは、申し立てに必要な「5つの書類」「情報」を、揃えることから始めましょう。

  1. 申し立てをする人の本人確認書類(会社の名刺でOK)
  2. 申し立てしたい商標登録済みキーワードと、商標を使っている広告のリンク先URL(当該キーワードで検索したときのスクリーンショットを印刷して同封します)
  3. 商標登録証明書(写し)
  4. 申し立て相手の広告主がどういった点で商標権を侵害しているのか、詳細な説明
  5. 申し立て相手の広告主との過去の交渉履歴・記録(もし交渉したことがあるなら)

このように、全ての書類を揃えましょう。

揃ったら、Yahoo! JAPANまで郵送で送ります。

審査結果は後日郵送で送られてくるのですが、Googleに比べると審査にかかる時間がかかるため、申請時期によっては何ヶ月もかかる可能性があるので留意しておきましょう。

設定代行サービス・かんたん機能

Yahoo! プロモーション広告は、はじめての広告掲載でも安心な「設定代行サービス・かんたん機能」というものがあります。

 

設定代行サービス・かんたん機能は、専門のスタッフがお客様の商材やご予算に合わせた広告をプランニングし、設定まで行う「初期設定サービス」があります。

また、ご自身で簡単に設定ができ、その後の広告運用も簡便な「らくアド」というものもご用意しているので安心ですね。

リスティング広告で商標用語の使用制限するためのアナログな方法

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「商標用語の使用を制限するためのアナログな方法」は、Yahoo!、Googleなど媒体社を通さず、直接他社とコンタクトを取って交渉する方法です。

 

誠実に対応することで、エネルギーはかかりますが、応じていただける場合も多いです。

 

その際の注意点ですが、「商標を勝手に使わないでください」という強めな言い方ではなく、「お互いに商標を使わないようにしましょう」というように穏便に交渉するようにしましょう。

 

それでもどうしてもトラブルが解決しない場合は、弁護士に相談するのもひとつの手です。

 

GoogleYahooでも申し立てをしたのに、承認してもらえない場合や明らかに悪質だと感じられる商標侵害を受けた場合は、弁護士に相談すれば、資料や過去の事例から法に基づいた解決法を提案してくれます。

ただし、新規出稿広告の監視やそのたびに連絡を取る労力など、継続的なリソースが必要となるので、永遠に終わらないというリスクがあります。

監視頻度を週1から月1に下げるなど、適当なところでめどをつけて、あまりここにばかり力をかけることはおススメしません。

 

また、自社キーワードでの出稿停止をお願いする際は、キーワードの停止と合わせて、部分一致での表示を防ぐためにもフレーズ一致で除外キーワード登録していただくのもおすすめです。

他社の商標を出稿することは法律に抵触するのか?

商標の取り扱いについては、法律も関連してくるデリケートな部分になりますが、他社の商標を使用して出稿すると、法律に抵触するのでしょうか?

 

結論からいうと、他社の商標を利用して広告を出稿した場合、商標の使い方にもよりますが商標権侵害にあたってしまうケースがあります。

 

商標権侵害にあたってしまった場合、10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、もしくはその両方が課せられることになります。

しかし、他社商標を利用したらその時点で一律すべて商標権侵害に該当するわけではなく、むしろ、「それは、商標権侵害です」と判断されるような事例は稀です。

しかし、いくら稀とは言っても、最悪の場合は法律に抵触して罰則を受けてしまう場合もあるので、商標権とはどういうものなのか、商標権はどういった使い方をすると商標権侵害となってしまうのかということを正しく把握しておきましょう。

リスティング広告で商標権侵害にあたるケースはほぼ無い

そもそも商標とは、他サービスと区別をすることができる、独自の「名称」であったり「ロゴ」などの目印のことを指します。

 

商標権侵害に当たるパターンというのは、簡単に言うとユーザーに他人が登録した商品や他人が登録したサービスやそれと類似する商品と故意に誤認させるような使い方をしている場合に該当します。

 

他社商標をただ使用するだけでは、商標権の侵害であるとは言えないことが多いので、使い方によって商標権侵害なのかどうかの判断が変わってきます。

 

リスティング広告での利用で考えると、

  • 広告文に他社商標を使用する場合は商標権を侵害する可能性がある
  • 他社商標を検索キーワードとして設定することについては商標権侵害には当たらない

となります。

 

他社商標を広告文で使用しない限りは商標権侵害とはなることはありませんが、広告運用をしていく上で、どのような例が「商標権侵害」となってしまうかということを具体的に把握をしておくことで、安心して広告運用をすることが出来ます。

商標権侵害にあたるのは ”なりすまし” のような場合。

商標権侵害とは、登録された商標を使用する権利のない人や権利のない会社が、事業として商標権を使用する行為を言います。

 

ここでは分かりやすく「スターバックス」を事例に挙げて解説してみると、「スターバックスの商標権を所持していない個人の珈琲店が、スターバックスという店名および、同じようなグリーンの看板を掲げてコーヒーを販売している」というのは商標権侵害に当たります。

 

この珈琲店は、「スターバックス」の商標権を所持していないので、何も使用をする権利がないのにコーヒーを販売しているということは、事業として商標権を利用している商標権を侵害していると判断されます。

 

スターバックスの事例はとても分かりやすい例になりますが、実際のところ、商標権周りの判例は非常に複雑になっていて、「他社の商品パッケージに自社の商標が勝手に使用されている」という場合でも、商標権侵害には当たらないと判断されている例もあります。

 

商標権を侵害していると見なされる使い方としては、「自他商品識別機能」「出所表示機能」を有していると捉えられるような使い方になります。

【自他商品識別機能】 この商標を用いた商品やサービスを、他社の商品やサービスと区別させる機能
【出所表示機能】 この商標を用いた商品やサービスは、「一定の出所(会社、メーカー等)から提供されている」とユーザーに認識させる機能

つまり、本来は異なる物であっても、ユーザーに「これ、あの有名な商品だ」もしくは「あの会社が出している商品だ」と誤認をさせてしまうような使い方をしていると、商標権侵害に該当する可能性が非常に高くなります。

商標権侵害の警告を他社から受けた場合の対応

自社が商標権侵害の警告を他社から受けた場合には、以下のような反論が考えられます。

  1. 自社が使用する商標が、登録されている他社の商標に「類似していない」ことを理由とする反論
  2. 自社の使用方法が「商標的使用ではない」ことを理由とする反論
  3. 自社が商標権者よりも先に商標を使用していた場合の「先使用権」を根拠とする反論
  4. 商標権者の「商標登録の無効」を根拠とする反論
  5. 商標権侵害はあったとしても損害が発生していないこと(損害不発生)を根拠とする反論

また、商標権者が商標権侵害を主張しているものの、実際にその商標を使用していないというケースも中にはあります。

 

この場合は、商標権の不使用取消審判によって、商標登録の取消を求めることも検討することをおすすめします。

商標権侵害トラブルは早めの弁護士への相談がポイント

商標権侵害トラブルは、自社が他社の商標権の侵害をしてしまった側、あるいは自社が他社に商標権を侵害された側のいずれの場合でもあり得ます。

 

なので、トラブル発生後はすぐに弁護士に相談するようにして、正しい対応をすることが重要なポイントになります。

(1)自社が他社の商標権を侵害してしまった場合の対応

自社が他社の商標権を侵害している場合、商標の使用を停止するなど、損害の拡大を防止するための措置を講じることが必要になります。

 

商標の使用を継続して、商標を使用した商品を販売し続けることは、将来、自社が支払わなければならない損害賠償の額を増やす結果となることが多いので、注意が必要です。

 

商標権侵害の警告を受けているのにそのまま放置してしまうと、商標権者から損害賠償請求訴訟を起こされり、場合によっては、刑事事件に発展する可能性もあります。

 

ただし、前述したとおり、他社から商標権侵害として警告を受けた場合でも、実際には反論をすることが可能なケースであったり、商標権侵害にあたらないケースも少なくありません。

判断を間違わないようにするためにも、他社から商標権侵害の警告を受けた場合は、早急に弁護士に相談して、商標権侵害に該当するかどうかを確認したうえで、初期対応を決めることが重要です。

何事も、初めの動き出しが肝心になってきます。

(2)他社に自社の商標権を侵害された場合の対応

他社に自社の商標権を侵害されてしまった場合には、早急に侵害者に対して警告をして、侵害行為を停止させることが必要です。

 

気づいてもそのまま放置をしてしまうと、自社と同じブランド名の他社製品が世に出回ってしまい、その結果、自社のブランド価値が低下していってしまいます。

 

商品についてのクレームをユーザーがTwitter等のSNSで投稿するケースも増えていて、粗悪な他社製品についての投稿が、自社に対するものと誤解されてしまい、自社製品の売上に大きな影響を受けるケースもあります。

 

商標権の効力は、ユーザーに対してはなにも及ばないため、SNSなどにいったん投稿されてしまいリツイートなどで拡散されてしまうと、その投稿を削除することが困難になってしまうケースも少なくありません。

このような大事になってしまう前に、他社に自社の商標権を侵害されていることを発見したら、すぐに弁護士に相談をして、商標の使用差し止め請求をしたり、損害賠償請求など必要な対応をするようにしましょう。

一見、自社の商標権が侵害されているように見えても、「商標的使用ではない場合」や「商標登録が無効である場合」などもあるので、本当に商標権侵害にあたるのかどうかも合わせて、弁護士に相談して確認することが必要です。

(3)商標権侵害に関する弁護士費用について

自社が他社から商標権の侵害を主張されている場合には、まず、弁護士が裁判になる前に商標権者と連絡を取って交渉することによって、裁判前に解決をするということが重要です。

 

その場合の弁護士費用は、商標権者からの請求額の大小や、反論する方向性なのか、それとも賠償に応じる方向で賠償額の減額交渉をするのかなどの事件の解決方針によって異なってきます。

 

また、他社に自社の商標権を侵害されてしまった場合には、商標権の使用差し止めや損害賠償請求をする場面の弁護士費用も、その請求額の大小や、事件の解決方針によって異なってきます。

 

商標権侵害トラブルに関しては、弁護士に相談をする際に個別に見積もりをしてもらうことが必要です。

本当にあった商標侵害の事例

ここからは、本当にあった商標権侵害の実例をご紹介します。

面白い恋人(2011年11月)

この事例については、一時期ニュースで話題になったので知っている方も多いかもしれませんが、吉本興業によるパロディー商標「面白い恋人」です。

 

石屋製菓の「白い恋人」は、昭和51年の販売開始以来、30年以上北海道の土産として高い人気を得ているもので、吉本興業の「面白い恋人」が「白い恋人」の商標を侵害しているというものです。

 

吉本興業の主張は、「面白い恋人」はアイデアや総意工夫によるパロディ商品であり「白い恋人」とは異なるというものです。

 

「面白い恋人」は「白い恋人」を丸ごと含むもので、消費者が「白い恋人」と「面白い恋人」を誤認してしまわないかどうか、知名度にただ乗りして不正に利益を上げているというのが問題で、石屋製菓側は1億2000万円の損害賠償を請求しました。

 

その後、吉本興業は今後も商品名として「面白い恋人」は使用できるが、パッケージのデザインを石屋製菓と合意したものに変更するということで、双方は和解しました。

 

また、営業圏の衝突を防ぐため、吉本興業の「面白い恋人」についての販売は関西六府県に限定され、1ヵ月以内の限定販売については、北海道と青森県を除いた地域で年間36回まで、との制限があります。

スターバックスとエクセルシオールカフェのロゴ類似(2000年6月)

スターバックス側が、ドトールコーヒー系列のエクセルシオールカフェが使用しているロゴがスターバックスの使用しているロゴに類似しているとして、2000年6月に、不正競争防止法違反で訴訟を起こしています。

 

最終的には、エクセルシオールカフェ側がロゴを変更することで、双方和解にいたっています。

インスタントラーメン「どん兵衛」と広島地方の飲食チェーン「どん兵衛」(2010年7月)

インスタントラーメン「どん兵衛」を製造販売する日清食品が、山口県のうどんチェーン「どん兵衛」を相手取って、「どん兵衛」の名称の使用中止と、1億1千万円の損害賠償とを請求しました。

 

日清食品側は、うどんチェーン側がインスタントラーメン「どん兵衛」のブランドイメージにただ乗りした点を指摘しています。

 

この指摘を受け、うどんチェーン側は名称の変更に応じるとしています。

ダイレクトメール発送会社「札幌メールサービス」と“ゆうメール”(2000年)

ダイレクトメール発送会社である、札幌メールサービスが保有する商標権(商標登録第4781631号、登録商標「ゆうメール」)を侵害するとして、「ゆうメール」を使っている郵便事業株式会社が東京地裁に訴えられました。

 

東京地裁の第一審では、日本郵便側は「ゆうメール」を使ってはいけないこと、また「ゆうメール」との標章が印刷されたカタログを破棄せよとの判決が2012年1月12日に言い渡されました。

 

日本郵便側は東京地裁の判決を不服として控訴し、最終的には日本郵便側が札幌メールサービス側の商標権を買い取ることで和解が成立しています。

 

日本郵便側は商標権を買い取ったことによって、今後は登録商標「ゆうメール」の商標権者となるので、それ以降は自由に商標「ゆうメール」を使用することができます。

ラーメン「山頭火」の商標使用事件

「らーめん山頭火」を運営する札幌のアブ・アウト社が、同じ商標でラーメン店を経営する有限会社「山頭火」に対して商標の使用中止を求めていた裁判で、札幌地裁は2015年6月18日に差止を認める判決を言い渡しました。

 

商標を侵害する側は、商標権者は事実上商標の使用を黙認していたと主張しましたが、フランチャイズを脱退した経緯などから、札幌地裁は侵害する側の言い分を認めませんでした。

 

実際に多い事象としては「自社の商標キーワードで検索したときに他社広告が表示される」またはこの立場が逆の場合のどちらかになります。

リスティング広告で、普通に自社の商品やサービスを宣伝する形で広告運用を行っていれば、滅多なことでは他社の商標権を侵害し、法的な問題に発展するということはとても稀です。

倫理的な観点、企業ブランドのイメージとしてどうか、という点を念頭に置いて、トラブルにならないように誠実な広告運用をするようにしましょう。

リスティング広告で商標トラブルが起こった際の対処法!ブランドネームの取り扱い方!まとめ

リスティング 広告 商標 トラブル 起こった 場合 対処法

リスティング広告で意外と多い“商標トラブル”

まとめ
  • 他社が商標登録しているキーワードに出稿することについては、法的には問題なし
  • アドワーズならGoogle、Yahoo!に申請する
  • プロモーション広告ならYahoo! JAPANに申請する

ブランドネームは自社の大事な財産ですし、ブランドネームを検索してサイトに訪れるユーザーは、当然、非常に成約までのモチベーションも高い優良ユーザーです。

 

この、優良ユーザーを自社サイトへ導いてくる確率を上げるためにも、広告は重要なミッションのひとつだと思います。

 

「他社の顧客を取りに行く」という点に力を入れるのではなく、自社のサービスの魅力、付加価値を強化し、顧客に選んでもらえるよう取り組む方が健全で効果的です。

 

ただし、少し視野を広げると、ランキングサイトや比較サイトなど、競合他社が自社とは異なるアプローチで広告展開をしていて、「他社の広告文内に商標登録済みキーワードが使われている」というケースもあります。

 

使用を制限することも十分可能なのですが、気付かないうちにビジネスの販路を広げてくれている場合もあります。

 

使用されて困っている方は、一度GoogleかYahoo! に申し立てをして制限することも可能です。

 

「商標」というのは、自社企業にとって大切な財産なので、守れる部分はしっかり守るようにしていきましょう。

 

リスティング広告での商標トラブルに悩んでいる方は、今回の内容を参考にして慎重に判断してみてください!

 

この記事を読んでいる企業主様は、まだ商標登録していないのであれば、まだ使用されていないかをしっかりと調査し、概要などを理解した上で自社のオリジナルのロゴや名前などの登録を検討してみることをおすすめします。

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