さまざまなWeb広告があるの中で、最もメジャーな出稿先の1つとしてあるのがGoogle広告です。
広告を運用していく中で、少し分かりずらいのが「ユーザー権限付与について」ではないでしょうか。
他のユーザーに権限を付与することによって、さらに有効的に活用をすることが出来るようになります。
「社内の別担当者に管理者権限を付与したい」、「どのような権限を付与することが出来るのか」、「それによってどんなことができるようになるのか」など、分からないことがたくさんあるのではないでしょうか。
権限は一つではなくさまざまな種類があり、よく理解をしていないと、一体どの権限を付与すれば良いのか分からない方も多いです。
そこで今回は、Google広告のユーザー権限付与について解説をしていきたいと思います。
Google広告のユーザー権限付与の設定方法
Google広告のユーザー権限付与の設定方法を見ていきましょう。
まず、Googleアカウントとパスワードを使って、Google広告にログインをします。
そして、Google広告の管理画面を開いて、画面右上に表示されている「ツールと設定」から、設定の「アクセスとセキュリティ」をクリックします。
- ユーザー
- MCC
- セキュリティ
「ユーザー」を追加するか、「MCC」と言われるようなGoogle広告アカウントを統括で管理するツールのような、Facebook広告で言うビジネスマネージャにあたるものになります。
MCCに登録されていれば、ログインやログアウトをすることなく広告アカウントの切り替えをすることができ、また、登録するGoogleアカウントごとに権限を設定することができます。
このどちらを使用してユーザーの権限を付与しますか、という形になります。
まず、ユーザーを普通に紐づける場合には、「ユーザー」の中の左上にある青色の「+(プラス)」ボタンをクリックして、メールアドレスを入力するところに紐づけたいメールアドレスを入力します。
この時に、既にアクセス権限を付与しているユーザーがいる場合には、この画面に「権限付与済みのユーザー」の一覧が表示されます。
そこで、アカウント権限を削除したいという場合は、権限削除したいユーザーの「アクセス権を削除」から権限を削除することもできます。
Yahoo!広告とFacebook広告では特に必要はありませんが、Google広告はGoogleアカウントのメールアドレスが必須になります。
Googleアカウントのメールアドレスが無いと、アカウント権限付与をすることができません。
たとえば、Google広告とYahoo!広告の2つの媒体の権限付与を一緒に行うという場合には、Googleアカウントのメールアドレスを1つ用意することをおすすめします。
権限は5段階に分かれていて、権限によってそれぞれ出来ることが限られているので、適正な権限を下記から選択をします。
- メール専用
- お支払い情報
- 読み取り専用
- 標準
- 管理者
この中から選択をしますが、編集権限を与える場合は、だいたいは「標準」か「管理者」を選択します。
それぞれについて、解説していきます。
メール専用
「メール専用」は、メールの通知のみが届く権限になります。
どのようなメール通知を届けるかどうかは、以下の4つから複数選択式で選別することができます。
- 不承認広告とポリシーに関するアラート
- キャンペーンのメンテナンスに関するアラート
- キャンペーンの掲載結果を向上させるためのアイディア
- 業種別ニュースレターと商品評価に関する最適化案
通知メールやレポートの受信をすることしかできません。
お支払い情報
「お支払い情報」は、お支払い情報を確認することができたり、お支払方法の編集をすることができる権限になります。
それ以外の権限にはアクセスをすることができないので、支払い関係の手続きのみを依頼したい場合には、こちらの権限を付与するようにしましょう。
「お支払いとご請求」では、お支払い情報の表示から編集、請求レポートの編集から実行を行うことが可能です。
読み取り専用
「読み取り専用」は、広告アカウントを閲覧することができる権限になります。
アカウントやその他のキャンペーンの要素を編集することはできないので、「アカウント内は見てほしいけど、設定には触れないでほしい」などという場合が該当します。
アクセス権の詳細としては、
- 通知メールやレポートを受信できる
- ログインとレポート作成ができる
- キャンペーンや最適化、運用ツールページと、アカウント設定を閲覧できる
- メール専用権限を付与できる
上記のように、読み取り専用で権限付与されたユーザーは、配信中の広告の内容や、アカウント情報、配信状況などを確認することができます。
しかし、広告配信の設定を編集することはできません。
標準
「標準」は、管理者権限の下位に位置する権限で、広告アカウント内の広告を登録したり編集をしたり、削除をすることができる権限になります。
権限を付与する相手に、登録や編集、削除をする必要があるのであれば、編集権限を付与するようにしましょう。
しかし、そうでない場合には、誤操作などによる広告配信へのリスクを回避するためにも、編集権限ではなく、「読み取り専用」の権限にすることをおすすめします。
アクセス権の詳細としては、
- 通知メールやレポートを受信できる
- ログインとレポート作成ができる
- キャンペーンや最適化、運用ツールページと、アカウント設定を閲覧できる
- メール専用権限を付与できる
- アカウントとそのキャンペーンの全要素を編集できる
となります。
この標準権限では、アクセスの許可をしたり、アクセス権の変更をすることはできません。
管理者
「管理者」は、広告の編集作業をすることができるだけではなく、アカウントに紐づいている支払い方法の変更をしたり、アカウントへのアクセス権限などの操作、Google広告に関するあらゆるものを管理することができます。
管理者権限は、広告の運用に大きく支障をきたしてしまう可能性もあるので、この管理者権限の付与については慎重に判断をするようにしましょう。
具体的なアクセス権としては、
- 通知メールやレポートを受信できる
- ログインとレポート作成ができる
- キャンペーンや最適化、運用ツールページと、アカウント設定を閲覧できる
- メール専用権限を付与できる
- アカウントとそのキャンペーンの全要素を編集できる
- アカウントへのアクセスの許可、アクセス権の変更、他のユーザーが送った招待の取り消しを行うことができる
- MCC アカウントのリンク リクエストを承認、拒否できる
- MCC とのリンクを解除できる
- 各ユーザーの認証方法と最終ログイン時刻を確認できる
上記のように、あわゆる情報を操作することができるので、万が一社外へ権限を渡す必要が生じた場合には、一度、上司に相談・確認を取るなどの対策をすることが無難です。
各種権限によって、アクセス可能な範囲は媒体ごとに少しずつ異なります。
アクセス権 | メール専用 | お支払いとご請求 | 読み取り専用 | 標準権限 | 管理者権限 |
通知メールやレポートを受信できる | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
キャンペーンを表示したり、プランニング ツールを使用したりできる | 〇 | 〇 | 〇 | ||
お支払い情報を表示できる | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
お支払い情報を編集できる | 〇 | 〇 | 〇 | ||
請求レポートを編集、実行できる | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
メール専用権限を付与できる | 〇 | 〇 | 〇 | ||
ユーザー、管理者、サービス間のリンク設定を表示できる | 〇 | 〇 | 〇 | ||
キャンペーンの掲載結果レポートを編集、実行できる | 〇 | 〇 | 〇 | ||
キャンペーンを編集できる | 〇 | 〇 | |||
サービス間のリンク設定を追加または削除できる | 〇 | ||||
アカウントへのアクセスの許可、アクセス権の変更、他のユーザーが送った招待の取り消しを行うことができる | 〇 | ||||
MCC アカウントのリンク リクエストを承認または拒否できる | 〇 | ||||
MCC とのリンクを解除できる | 〇 | ||||
各ユーザーの認証方法と最終ログイン時刻を確認できる | 〇 |
そして、左下にある青色の「招待状を送信」をクリックして送信すれば完了です。
それぞれの権限によって出来る範囲が違って、場合によってはセキュリティ面などでトラブルになる危険性もあります。
トラブルにならないためにも、どのユーザーにどの権限を付与するのかということを精査する必要があり、特に外部のユーザーに権限付与するという場合には、十分に注意をするようにしましょう。
招待状メールの送信をすると、それと同時に管理者権限所有者の登録メールアドレスに招待状メール送信の確認メールが届きます。
「MCC」の方は、追加するものがないので、MCCを持っている方から申請をしてもらうことになります。
その場合、どうするのかというと、表示画面の右上にある10桁のIDをMCCを持っている方に送信することで、その人が権限を申請するので、そのうえで上の方に申請をするというボタンが出てきます。
その招待状メール内の承認ボタンをクリックして招待を受理することによって、紐づけの設定は完了になります。
そして、編集をすることが出来るような形になり、これで、Google広告のユーザー権限付与することが出来るようになります。
よくあるのが、「招待状を送信」をクリックし、入力したメールアドレス宛てに招待状メールを送信して、そこで設定が完了したと思ってしまうケースがあります。
しかし、そこで設定は完了していないので、設定したつもりにならないように、招待状メール内の承認ボタンをクリックしましょう。
アクセス権の種類
アクセス権の種類は、
- 管理者権限
- 編集権限
- 閲覧権限
それぞれ、アクセス権の種類について説明していきます。
管理者権限
管理者権限は、全ての権限をもっています。
広告アカウントに関するあらゆる設定を編集をすることができるのはもちろん、それだけではなく、アカウントにユーザーを追加したり削除をしたり、アカウントに紐づいている支払い方法の登録をしたり変更をすることが可能です。
これらすべてを行いたいという人は、この管理者権限が必要になります。
ただし、広告アカウント内のすべての項目を管理することができてしまうので、たとえば必要がないのに誤った操作を行ってしまうリスクもあります。
なので、この管理者権限の取り扱いには十分に注意をするようにしましょう。
編集権限
編集権限は、おもに広告アカウント内の配信設定を登録したり、編集をしたり、削除をしたりすることができる権限になります。
設定変更や入稿、修正作業や追加作業など、広告運用を行うには、最低限この権限が必要になります。
しかし、そのような作業を行わないという場合には、誤った操作などによる思わぬトラブルや広告配信の影響を回避するためにも、読み取り専用の権限がおすすめです。
閲覧権限
閲覧権限は、広告アカウントのデータのみ閲覧できる権限になります。
広告のデータのみを閲覧をすることができ、そのあとの編集や登録などといった部分には制限がかかっているので、万が一誤って設定を変更してしまい広告掲載に影響がおよぶのを回避することができます。
権限の中でも、あまり使用されない権限になります。
権限を付与する際に気を付ける点として、不適切な権限を付与してしまうと思わぬトラブルになってしまうので、権限の選択は慎重にするようにしましょう。
Google広告のユーザー権限付与についてのまとめ
Google広告のユーザー権限付与について解説をしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
Google広告のユーザー権限付与は、ユーザーごとにアクセス可能な範囲を割り当てることができるとても便利な機能で、他のユーザーと協力して同一のアカウントを管理することができます。
権限には種類があるので、どの種類の権限を付与すればいいのかは、その状況をみて判断をして、適切な権限を付与するようにしましょう。
それぞれの権限でアクセス可能な範囲を把握しないで権限を付与してしまうと、思わぬ食い違いが起こってしまうこともあるので、しっかり理解したうえで進めていきましょう。
権限を付与した後で、ユーザーのアクセス権を編集したり、いつでも削除をしたりすることができます。
複数のGoogle広告アカウントを持っているという場合には、是非、Google広告のユーザー権限付与の導入をおすすめします。