つい、最近の出来事ですが、2020年5月28日にGoogleからとある発表がありました。
それが、ディスプレイ広告向けにカスタマーマッチの利用が可能になるといった発表です。
これまでは、一部の広告主に向けてベータ版が提供されていましたが、これからは広告主全員に提供されるようですね。
リスティング広告を出稿する企業が増えている昨今、競合他社が持っていない自社の顧客データを有効活用することは非常に重要です。
ただ、Google広告のカスタマーマッチという配信方法について「カスタマーマッチと聞いても?」「具体的な使い方がわからない」となる方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回この記事ではGoogle広告のカスタマーマッチとは何なのかということで、使用する方法や概要、設定方法などを内容を詳細に解説していくので、初心者の方でも「カスタマーマッチ」を理解してすぐに実施することができます。
少しでも参考にしていただければと思います。
Google広告のカスタマーマッチとは?

まずは、Google広告のカスタマーマッチとは、広告主が保持しているメールアドレスを暗号化してGoogleと共有することで、顧客データに基づいたユーザーリストを作成してくれる機能のことです。
カスタマーマッチを使うことによって、自分が今まで保持してきたメールアドレスや電話番号を使ってターゲティングが可能になります。
また、狙ったユーザーに向けて関連するディスプレイ広告の掲載が可能になるということです。
今までは、動画広告やショッピング広告でしか使えなかったカスタマーマッチでしたが、ディスプレイ広告でも使えるようになったということで、更なるビジネスチャンスが訪れました。
カスタマーマッチは、活用次第では対象となる顧客リストに近い興味関心を持っているユーザーへ向けての広告配信をすることも可能になります。
データはTwitterのユーザー名とマッチされるので、マーケティングの関連性を高めながら広告キャンペーンで直接ターゲティングをすることができます。
このように、カスタマーマッチの手法はかなり画期的な機能になっています。
Google広告カスタマーマッチの概要

では、ここからは「カスタマーマッチの概要」について見ていきましょう。
カスタマーマッチを使うことによって、認知度の向上やコンバージョンの獲得など目的や用途に応じて応用が可能な機能となっています。
そして、カスタマーマッチを使った広告の配信先の一覧としては下記のようになります。
- 検索
- ショッピング
- Gmail
- YouTube
- ディスプレイ
の5つになっています。
カスタマーマッチが配信される簡単な仕組みとしては、広告の管理画面から保有している顧客リストを登録し、そのリストユーザーが各自のGoogleアカウントにログインした状態で配信先を見ると広告が表示されます。
しかし、保有しているリストが1000人分でも1000人全員に配信されるというわけではないので、その点には注意をする必要があります。
カスタマーマッチの費用は?
ここで気になるのが、「カスタマーマッチの費用」についてです。
カスタマーマッチは、Google広告のいくつかある機能の1つでありますが、通常のGoogle広告に対して追加で費用が発生するようなものではありません。
Google広告のカスタマーマッチを利用する際、特別な機能使用料や追加料金が発生することはありません。
つまり、カスタマーマッチそのものに対して費用がかかることはなく、通常のGoogle広告と同じく、クリック単価(CPC)やインプレッション単価(CPM)に基づいた課金体系となります。
このため、検索広告・ディスプレイ広告・YouTube広告・Gmail広告といった各種フォーマットでカスタマーマッチを使っても、基本的には通常の広告と同様の料金で運用をすることができます。
ただし、実際に効果的なカスタマーマッチ運用を行うためには、間接的なコストが発生する点に注意が必要で、たとえば、顧客リストの準備やフォーマット調整、メールアドレスや電話番号のクリーニングなど、データ整備にかかる人件費があります。
また、リストごとにパーソナライズされた広告クリエイティブの作成や、セグメントに応じたキャンペーン設計なども、運用リソースや外注費が必要になる場合があります。
さらに、カスタマーマッチは一定以上のリスト規模がないと十分なリーチが得られないこともあります。
Googleではプライバシー保護の観点から、ある程度のマッチユーザー数(例えば1,000人以上)を確保できなければ広告の配信が制限されるケースもあるため、活用するには適切な顧客データ量が必要です。
これを満たすためには、継続的なリスト収集やCRMの整備も求められます。
総じて、カスタマーマッチは「追加費用なしで高精度なターゲティングが可能」というコストパフォーマンスの高い機能ですが、その効果を最大限発揮するには、リスト作成・広告設計・データ管理にある程度の準備や運用体制が求められます。
そのため、内部リソースの確保や外部支援の活用も含めて、全体のコストバランスを見ながら導入することが重要になります。
カスタマーマッチでできることとは?

カスタマーマッチでは、保有する顧客データ(メールアドレスや電話番号など)をもとに、Google広告でターゲティング配信が可能になります。
既存顧客への再アプローチはもちろん、アップセル・クロスセル施策、新規の類似ユーザーへの広告配信にも活用でき、精度の高いマーケティングが実現します。
検索広告、YouTube、Gmailなど複数のチャネルで展開できる柔軟性も大きな魅力です。
詳しく見ていきましょう。
既存顧客への再アプローチ
カスタマーマッチの最大の利点のひとつが、既存顧客に対する効率的な再アプローチです。
Google広告では、メールアドレスや電話番号などの顧客データをもとに、そのユーザーがGoogleのサービス(検索・YouTube・Gmail・Googleディスプレイネットワークなど)を利用しているタイミングに合わせて広告を表示をすることができます。
これにより、過去に商品を購入した、あるいは資料請求や問い合わせをしたユーザーに対して、再度自社のサービスを訴求することが可能です。
たとえば、一定期間購入履歴がない休眠顧客に向けて「再購入キャンペーン」の案内を出したり、セール情報を届けることで、関係性の再構築を図ることができます。
また、直近で購入したユーザーに対して、アフターフォローとして広告を表示することで、ブランドへのロイヤルティを強化する施策にもつながります。
特に重要なのは、すでに自社に接点がある“温度の高い”ユーザーに対して広告費を効率的に投資できる点で、初回接触よりも高いコンバージョン率が期待できるため、成果につながりやすいのが特徴です。
メールだけでは反応が薄いユーザーにもリーチをすることができるため、マーケティングの補完チャネルとして非常に有効です。
アップセル・クロスセル
カスタマーマッチは、アップセルやクロスセル施策にも非常に有効な手段です。
既存の顧客データを活用することで、すでに商品やサービスを購入・利用しているユーザーに対し、より上位のプランや関連商材を広告で提案することが可能になります。
これにより、LTV(顧客生涯価値)の最大化を目指すマーケティング戦略において強力な武器となります。
たとえば、月額プランを契約しているユーザーに対して、プレミアムプランへの切り替えを案内したり、特定の商品を購入したユーザーに、その商品と相性の良い関連商品(アクセサリや保証サービスなど)を提案する広告を配信することができます。
ユーザーの購入履歴に基づいたターゲティングが可能なため、提案の的中率が高く、自然な流れでの購入促進が実現します。
さらに、ユーザーを属性別・購入履歴別にセグメントして、広告文やクリエイティブを出し分けることで、よりパーソナライズされた訴求が可能となります。
これにより、クリック率やコンバージョン率の向上が見込まれ、広告費の投資対効果も改善されやすくなります。
カスタマーマッチは、単なる“再アプローチ”にとどまらず、すでに自社に価値を感じている顧客を、より高単価の商品へ自然に誘導する手法としても最適です。
新規類似ユーザーへの展開
カスタマーマッチのもう一つの大きなメリットは、アップロードした顧客データをもとに、「類似オーディエンス(Similar Audiences)」を自動で生成して広告配信ができることです。
これは、既存顧客と行動傾向や検索履歴、興味関心が近いGoogleユーザーをシステムが分析・抽出し、広告の配信対象にしてくれる仕組みです。
この機能を活用することで、今まで接点のなかった新規ユーザーの中から、自社サービスに興味を持つ可能性が高い層に対して広告を表示することができるようになります。
特に、新規リードの獲得や初回購入を促進したい場面において、高い効率で新規顧客を拡大できるという点で非常に有効です。
たとえば、過去の購入者リストをもとに似た傾向のある層へ商品広告を配信したり、プレミアム会員のリストから「質の高いリード」に似たユーザーへアプローチするなど、自社にとって価値の高い顧客層の拡張が実現できます。
ただし、Googleによる類似オーディエンスの自動生成には一定のデータボリュームが必要で、リスト数が少なすぎると十分な精度や配信量が得られない可能性もあるため、まずはしっかりとした顧客データの整備と蓄積が前提となります。
このようにカスタマーマッチは、既存顧客だけでなく、新規獲得の“質”を高めるツールとしても大変優秀であり、精度の高い拡張ターゲティングを実現したい場合には欠かせない施策となります。
Google広告カスタマーマッチの利用条件

ここまでご紹介してきたように、これほど便利な機能の設計にになっているのですが、カスタマーマッチを利用するには確認しておきたい条件がいくつかあります。
まず、カスタマーマッチはどんなアカウントでも使えるわけではないんですね。
カスタマーマッチの公式ヘルプでは、このように記述されています。
- これまでポリシーを遵守してきた実績があること
- これまでお支払いに関して問題が発生していないこと
- 90日以上のGoogle広告のご利用実績があること
- ご利用金額が全期間で5万米ドルを超えていること
このように、以上の4つの条件を満たしているアカウントのみ、カスタマーマッチを利用することができます。
しかし、カスタマーマッチの利用実績がなくGoogleのアカウント担当が決まっていない場合には、要件に関係なく問答無用でカスタマーマッチは利用できない仕様になっています。
今後、カスタマーマッチ申請プロセスが用意されるとのニュースなどもあるので、Googleからの続報に注意して対策をすることができるように待っておきましょう。
Google広告カスタマーマッチの配信先

カスタマーマッチの配信面は、一体どこになるのでしょうか。
カスタマーマッチの配信面は、現在のところ、既存のgoogleが取り扱う3つのプラットフォームとなります。
- Google検索広告での配信
- Gmail広告での配信
- YouTube広告での配信
- Googleディスプレイネットワーク(GDN)での配信
詳しく見ていきましょう。
Google検索広告での配信
Google検索広告では、ユーザーが特定のキーワードで検索を行った際に、カスタマーマッチによってアップロードした顧客リストに該当するユーザーへ、パーソナライズされた広告を表示することが可能です。
これにより、例えば既存顧客が再度自社の商品を検索した場合や、過去に商品をカートに入れたものの購入に至らなかったユーザーが再び検索した場合などに、強い訴求力を持つ広告を届けることができます。
また、検索意図の強いユーザーへのアプローチができるため、コンバージョン率の高い広告運用が可能となります。
キーワードとユーザー属性が合致したタイミングを狙うことで、広告効果の最大化が図れます。
Gmail広告での配信
Gmail広告では、Googleアカウントに紐づいたメールアドレスをもとに、プロモーションタブ内でカスタマーマッチ広告を配信することができます。
アップロードした顧客リストと一致するユーザーに対してのみ広告が表示されるため、精度の高いターゲティングが実現します。
特に、過去に自社商品やサービスに関心を示したユーザーに再度アプローチできるため、リピーター獲得やアップセル施策に効果的です。
広告はメール形式で表示されるため、開封されやすく、ビジュアルやコピーによって訴求力を高めることが可能です。
また、クリック後はランディングページへ遷移するため、商品紹介や購入促進に直結しやすい媒体でもあります。
YouTube広告での配信
YouTube広告では、カスタマーマッチによって指定した顧客リストに基づいて、動画広告を表示させることが可能です。
対象ユーザーがYouTubeを閲覧している際に、プレロール広告(再生前)やインフィード広告(検索結果・関連動画枠など)として表示されます。
動画ならではの視覚的・聴覚的な訴求ができるため、ブランドの印象付けや商品の魅力をダイレクトに伝えることができます。
過去に商品を購入したことがある顧客に対して、関連商品を紹介するなどのクロスセル施策にも効果的です。
また、未購入の見込み顧客に対しても、より強いインパクトを与え、コンバージョンを後押しする役割を果たします。
Googleディスプレイネットワーク(GDN)での配信
Googleディスプレイネットワーク(GDN)を活用したカスタマーマッチ広告では、Google提携の膨大なウェブサイトやアプリ上にバナー広告を表示することができます。
これにより、顧客リストに登録されたユーザーがネットサーフィン中でも広告が表示され、再認知や関心の再喚起に役立ちます。
特に、離脱したユーザーや一度購入を検討した顧客に対してリマインダー的に広告を届けることで、コンバージョンの可能性を高めることができます。
また、静止画・アニメーションなどクリエイティブの自由度が高く、訴求ポイントに合わせたデザインで配信が可能で、幅広い露出ができるため、リストの活用幅が広がるのもGDNの特長です。
もちろん、各プラットフォームを選別して広告掲出をすることが可能なので、3プラットフォームがセットというわけではありません。
また、GDNのディスプレイ広告へは配信をしないので注意が必要です。
さらに、ユーザーがGoogleアカウントにアクセスしてログインしていることで配信対象となります。
Google広告カスタマーマッチの設定方法

では、次に「カスタマーマッチの設定方法」について説明していきましょう。
カスタマーマッチの設定方法は、大きく分けて3つあり、
- キャンペーンの作成
- オーディエンスリストの作成
- オーディエンスリストにキャンペーンを適用
このように上記の3つです。
これらを1つ1つ詳しくみていきましょう。
オーディエンスリストの作成
まずは、「オーディエンスリストの作成」からです。
まず、管理画面右上の「ツールと設定」から「オーディエンスマネージャー」をのタグをクリックします。
次に、オーディエンスの「+ボタン」(新規作成)から「顧客リスト」を選択してクリックします。
そして、次に好きなオーディエンス名を入力しデータの種類を選択して、リストをアップロードして作成をしていきます。
持っているデータに合わせてハッシュ化されていない書式なしテキストデータをアップロードするまたはハッシュ化データをアップロードするを選択し、CSVデータをアップロードします。
これで、オーディエンスリストの作成は完了になります。
オーディエンスリストにキャンペーンを適用する手順
ここまで来たら、最後は「オーディエンスリストにキャンペーン」を適用して完了になります。
まずは、リストを適用するキャンペーンを上から選択して、左側のタブから「オーディエンス」をクリックします。
そして、ターゲット設定を選択して、「閲覧」タブの「顧客リスト」から適用するリストにチェックを入れます。
ここまできたら、最後に「保存」をクリックして設定を完了させると、指定したオーディエンスリストに対して広告配信が反映されます。
キャンペーン単位でも広告グループ単位でも適用できるため、柔軟な戦略設計が可能です。
オーディエンスごとの成果を分析することで、より効果的な広告運用に繋げられます。
カスタマーマッチの効果的な活用方法

ここでは、カスタマーマッチを効果的に活用する方法について解説していきます。
Google検索広告での活用方法
Google検索広告においてカスタマーマッチを活用する最大のメリットは、既存顧客や高精度な見込み顧客に絞って広告を表示できる点にあります。
通常の検索広告では、設定したキーワードに対して誰にでも広告が表示されますが、カスタマーマッチを使えば、たとえば「すでに商品を購入した人」や「問い合わせをしたユーザー」など、自社との関係性が深いユーザーに限定して広告配信が可能です。
さらに、既存顧客にだけ特別なキャンペーンを案内したり、クーポンを提供したりすることで、再購入や会員ランクアップなどを促進できます。
また、広告文を顧客セグメントごとに出し分けることで、パーソナライズされたメッセージの配信も実現できます。
Google検索広告は「顕在層」へのアプローチ手段として非常に有効であり、カスタマーマッチを掛け合わせることで、より成約に近いユーザーに対して的確なアプローチが可能になります。
特にコンバージョン率や広告費の効率化を重視する場合におすすめの組み合わせです。
Googleショッピング広告での活用方法
Googleショッピング広告とカスタマーマッチを組み合わせることで、過去の購入者やカート放棄ユーザーに対して、再度商品訴求を行うことが可能になります。
たとえば、ある商品を閲覧・購入したユーザーに対して、その関連商品や上位グレードの商品をショッピング広告として表示することで、アップセル・クロスセルの促進に繋げられます。
また、顧客の購買履歴に基づいて「再入荷通知」や「セール情報」を表示するようなキャンペーンも展開でき、ユーザーのニーズとタイミングを捉えた広告配信が実現します。
これはメールマーケティングでは反応が薄い場合でも、視覚的に訴求できるショッピング広告なら高いクリック率とCVRが期待できるため、非常に効果的です。
特にECサイトでは、カスタマーマッチによってLTV(顧客生涯価値)を高める施策が可能となり、広告費をかけるべき「すでに成果があるユーザー層」への再投資という点でROI向上にも直結します。
データを活かしたリピート促進施策として、ショッピング広告は非常に相性の良いチャネルです。
これは、あくまでも既存顧客に対して行うものなので、新規の顧客に対しては行われません。
Gmail広告での活用方法
Gmail広告(現在はディスカバリー広告に統合されつつありますが)は、ユーザーの受信トレイ上部に表示される広告形式で、ネイティブで自然な見た目と高い開封率が特徴です。
カスタマーマッチを活用すれば、メール配信リストと同じような感覚で、Googleのサービス内で広告メールのような訴求ができるため、メールマーケティングの拡張版として非常に有効です。
たとえば、過去のキャンペーンに反応しなかったユーザーや、最近アクティブでない顧客に対して、Gmail広告で「限定オファー」や「再訪特典」などを表示すれば、メールとは異なるチャネルで再アプローチが可能になります。
また、Gmail広告ではタイトルや本文がメール風に表示されるため、開封率やクリック率が高まりやすく、ブランドとの接点を自然に増やせるという利点もあります。
さらに、メールとは異なり「迷惑メールフォルダ」に振り分けられる心配がなく、Googleアカウントでログイン中のユーザーに確実に届けられるため、リーチの安定性という面でも優れています。
既存顧客への再訴求や、アクティベーション施策におすすめのチャネルです。
YouTube広告での活用方法
YouTube広告とカスタマーマッチの組み合わせは、視覚・聴覚を活かした高インパクトな再アプローチ手法として注目されています。
特に、過去に購入歴があるユーザーやサイト訪問者などに向けて、ブランドの世界観や新商品、サービスの魅力を動画で伝えることで、再認知・リピート購入につなげることが可能です。
たとえば、一定期間購入がないユーザーに向けて「こんな商品もおすすめです」といった関連提案を動画で表示したり、VIP顧客に向けた限定キャンペーンの紹介動画を配信することで、個別最適化された広告体験が実現します。
また、企業紹介やユーザー事例動画などを使えば、信頼性の再強化やブランドへの共感を生み出す効果も期待できます。
YouTubeはエンゲージメントが高く、広告スキップの有無や視聴時間などの行動データも取得できるため、次の広告戦略の改善にも役立ちます。
カスタマーマッチを用いることで、これらのデータをもとにしたより高度なセグメント設計とPDCAが可能になるのです。
結果として、YouTube広告は単なる動画配信チャネルではなく、「体験価値を通じたブランドの再接触」の場として活用することができ、既存顧客へのアプローチにも非常に適しています。
Google広告カスタマーマッチの活用例

では、実際にどのようにしてカスタマーマッチを活用していくのでしょうか。
カスタマーマッチの活用例は千差万別あって、本当に多岐にわたりますが、ここでは代表例として4つをご紹介しますので参考にしてください。
それが、
- ロイヤルカスタマーへの購入の促進=新商品のアプローチ
- 休眠ユーザーの掘り起こし=セール時での購入促進
- 店頭購入ユーザーのオンラインサイト購入誘導=オンライン限定のクーポンを利用してアプローチ
- 見込み顧客への認知度向上=バナーや動画での刷り込み
などとなっています。
ただ、自身が扱っている商品にマッチした有効な配信方法でないと、カスタマーマッチの100%の力を発揮することができません。
なので、自社が抱える課題や達成目標から、カスタマーマッチを利用してどのような配信を行うかということを採用する前に練っておく必要があります。
注意する点としては、世界で9億人を超えたというGmail利用者ですが、実際の広告主様の保有リストと照合するとかなり数が絞られてしまう、という問題です。
リストの出自にもよりますが、照合した配信対象ユーザー数が確保できるかどうかも実行にあたって重要な課題となってきます。
従来のターゲティングとカスタマーマッチでは何が違う?

では、もともとあった「ターゲティング」と「カスタマーマッチ」では何が違ってくるのでしょうか。
- 推測ベースか、実データベースかの違い
- 精度とパーソナライズのレベルが異なる
- 活用目的に応じたアプローチの柔軟性
詳しく見ていきましょう。
推測ベースか、実データベースかの違い
従来のターゲティング手法は、多くの場合「推測ベース」で成り立っていました。
ユーザーの検索履歴、Webサイトの閲覧履歴、位置情報、アプリの利用状況などから、Googleがアルゴリズムで「このユーザーはこういうことに関心がある」と判断し、広告を配信していたのです。
このような方法では、精度の高い予測はできるものの、あくまでユーザーの行動に基づく「傾向の推測」に過ぎません。
一方、カスタマーマッチは企業が自社で保有する一次データ、つまりメールアドレスや電話番号など実在する顧客情報をGoogleにアップロードし、実際のユーザーと照合することで、確定された対象者に直接広告を配信できます。
このように、推測に頼るか、確定情報を基にするかという根本的な違いが、両者の大きな特徴です。
精度とパーソナライズのレベルが異なる
カスタマーマッチは、従来のターゲティングと比較して広告配信の精度が非常に高いのが特徴です。
なぜなら、自社で取得した顧客のメールアドレスや電話番号といった確実な情報に基づき、Googleユーザーと照合した上で広告を配信できるからです。
これにより、「過去に購入したことのある人」「特定の問い合わせをした人」「休眠顧客」など、目的に応じた細かなリストを作成してターゲティングすることが可能になります。
また、広告の内容もこれらのセグメントに合わせてパーソナライズできるため、ユーザーの関心やニーズに沿った提案が実現しやすくなります。
従来のような大まかな興味関心ベースの配信に比べ、より一人ひとりに最適化された広告表示ができるため、結果としてクリック率やコンバージョン率の向上にもつながるのです。
活用目的に応じたアプローチの柔軟性
カスタマーマッチは、その柔軟な活用方法も大きな強みで、従来のターゲティングでは、主に新規顧客獲得を目的としたアプローチが中心でした。
しかし、カスタマーマッチでは、既存顧客や過去に接点のあったユーザーに対する広告配信が可能なため、さまざまなマーケティング施策に応用することができます。
たとえば、商品をすでに購入した顧客に対しては関連商品のクロスセル、過去に資料請求だけで終わったユーザーにはリマインダー広告、しばらく接触がなかった休眠顧客には再活性化の広告など、フェーズごとに戦略を使い分けることが可能です。
また、これらのリストをベースに「類似ユーザー(類似オーディエンス)」を構築すれば、新規顧客開拓にも活かせるなど、1つのデータリストで多角的な広告施策を展開できるのがカスタマーマッチの魅力です。
Google広告カスタマーマッチの利用で気を付けるべき点は?

ここまでご紹介をしてきて、いろいろな面で便利なカスタマーマッチですが、ここで気を付けるべき点があるのでご紹介しますが、これは必見です。
注意する点について、しっかり把握しておきましょう。
データ要件とフォーマット
カスタマーマッチを利用するには、Google広告にアップロードする顧客データが決められたフォーマットとルールに沿って整備されている必要があります。
まず基本となるのが、メールアドレスや電話番号、氏名、国、郵便番号などの「識別可能な情報」で、これらはGoogleがユーザーと照合するためのキーとして使われます。
フォーマットはCSV形式で作成するのが一般的です。たとえば、メールアドレスを含むカラムには「Email」、電話番号には「Phone」など、指定されたラベルをつけ、Googleのフォーマットガイドに従って整形する必要があります。
また、アップロード前にデータをSHA256形式でハッシュ化することが推奨されています(Google広告側でも自動ハッシュ機能が利用可能です)。
さらに、データの正確性も重要で、誤った情報が混在していると、マッチ率が大幅に低下し、広告の配信効率が落ちてしまいます。
リストを作成する際は、最新のデータを使い、不要なスペースや記号を削除するなど、丁寧なクリーニング作業が成果に直結します。
プライバシーとポリシーの遵守
カスタマーマッチを活用する際には、Googleの広告ポリシーおよびプライバシーポリシーを厳守することが必須です。
顧客情報を扱う特性上、ユーザーの個人情報保護に関する取り扱いが非常に重要視されており、違反した場合はアカウント停止などの重大なペナルティにつながる可能性があります。
まず、ユーザーのデータを収集する際には、その使用目的(広告配信への利用を含む)について明確に説明し、同意を得る必要があります。
たとえば、利用規約やプライバシーポリシーに「第三者広告配信に情報を利用することがあります」といった文言を明記し、ユーザーが理解・納得したうえで登録していることが求められます。
また、収集したデータはカスタマーマッチ以外の目的で転用しないこと、共有・再販しないことも義務付けられています。
これらに違反した場合、リストが使用できなくなるだけでなく、広告アカウント全体に影響が及ぶリスクもあります。
安全に活用するためには、データ管理のフローと社内ポリシーの整備、Googleの最新のポリシーの定期確認が欠かせません。
広告運用担当者だけでなく、企業全体として情報管理への意識を高めておくことが、信頼ある広告配信につながります。
リストのサイズ制限と活用条件
カスタマーマッチを利用するためには、アップロードした顧客リストのサイズ(件数)にも一定の制限や条件がある点に注意が必要です。
Googleではプライバシー保護の観点から、個人が特定されにくいよう、一定数以上のマッチングがされなければ広告の配信が開始されません。
具体的には、検索広告・YouTube・Gmailなどのフォーマットごとに最低でも1000件以上の有効マッチが必要とされており、単にリストをアップロードしただけでは不十分です。
たとえば、2000件のメールアドレスをアップしても、Googleにマッチするのが800件しかなければ、広告配信の対象として不適格とされる可能性があります。
また、Googleでは一部のアカウント(新規開設・実績の少ないアカウントなど)ではカスタマーマッチの利用が制限されている場合があります。
利用には、一定の「アカウント信頼スコア」や「実績」が求められるケースもあるため、事前にGoogleのサポートや管理画面で利用可能かを確認することが大切です。
さらに、リストの有効期限や更新頻度にも注意が必要です。
古いデータを使い続けるとマッチ精度が低下し、広告の効果も下がります。
定期的にリストを更新・メンテナンスする体制を整えることで、常に精度の高いターゲティングが可能となります。
Google広告のカスタマーマッチとは?概要と設定方法を解説!まとめ

今回はGoogle広告のカスタマーマッチの概要と設定方法について解説してきました。
カスタマーマッチは、ご紹介した通り使いこなすことが出来れば、十分すぎる効果を発揮する機能ですが、いかがでしたでしょうか?
Google広告のカスタマーマッチは、自社で保有している顧客データ(メールアドレス、電話番号、住所など)を活用して、特定のユーザーにパーソナライズされた広告を配信できるターゲティング手法です。
リストとGoogleユーザー情報が一致すると、その対象者に対してGoogle検索、YouTube、Gmail、Googleディスプレイネットワーク(GDN)といった様々な媒体で広告を表示することが可能になります。
これにより、既存顧客への再アプローチや、見込み客へのナーチャリング、さらには類似ユーザーへの展開による新規獲得まで、幅広いマーケティング施策が展開できます。
設定方法はシンプルで、まず顧客リストをCSV形式で準備し、Google広告管理画面の「オーディエンスマネージャー」からアップロードします。
リストがGoogleの基準に沿って承認されると、検索広告やディスプレイ広告など任意のキャンペーンに適用することができます。
プライバシーポリシーの順守やデータの暗号化など、扱う情報が機微なものであるため、運用時にはガイドラインの確認が重要です。
カスタマーマッチを活用することで、広告配信の精度が向上し、広告費を効率的に活用しながら高い効果を生み出すことが可能です。
特に、アップセルやクロスセル、休眠顧客の掘り起こしといった場面で力を発揮し、LTV(顧客生涯価値)の最大化にも寄与します。
顧客との関係性を深める広告戦略を考えるうえで、非常に有効な機能といえるでしょう。
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