リスティング広告を出稿する上で、広告にかかるコストはとても気になるポイントですよね。
「Googleのリスティング広告運用をしていても、なかなか成果が上がらない」とお悩みではございませんか?
そのような時は「拡張CPC」を使用してみるのも1つの解決策かもしれません。
「入札戦略」は、広告のコストパフォーマンスに直接影響するため、とても重要な項目のひとつですが、入札戦略といっても、「いったいどうしたらいいのか分からない」という方も少なくないです。
コストパフォーマンスをよくするためには、入札戦略を行わなければなりません。
今回は、そんな時に役立つ【Google広告の拡張CPCは使うべき?使うべきタイミングと使ってはいけないタイミングについて!】ということについて、詳しく説明していきたいと思います。
これからのビジネスを成功させるためにも、広告費の見直しを図りたい人は、とくに必見です。
Google広告の拡張CPCとは?
拡張CPCとは、リスティング広告を出す際の入札戦略の一環として、選択できるオプションの中のひとつをこのように言います。
拡張CPCは、自動入札機能の一種で高いコンバージョン率が見込めるオークションでは、クリック単価を上げ、その逆もあり、コンバージョンの見込みが低いと判断した場合は上限クリック単価を下げて、無駄な予算消化を減らしてくれるシステムです。
つまり、過去のデータを参考にコンバージョン率を推測し、それを元にクリック単価を自動的に判断して調整してくれるので、とても簡単に入札単価を節約することができるのです。
なので、ある程度のコンバージョン数が確保されていて、効率よく広告費を消化したい場合や、広告のパフォーマンスが下がっている場合などは、「拡張CPC」を活用していくのがおすすめです。
キャンペーンの過去のコンバージョン計測データなど、さまざまなデータを計算に利用しています。
拡張CPC推定のコンバージョン率の算出には、多くの要因が考慮されますが、下記の表にまとめてみました。
検索連動型広告の場合 | マッチタイプ(部分一致か完全一致か) |
ユーザーの検索クエリに含まれる特定のワード | |
過去の広告のパフォーマンス | |
コンテンツ連動型広告の場合 | 過去の広告のパフォーマンス |
広告とウェブサイトのコンテンツとのマッチングの精度 | |
ウェブサイトの現行のコンテンツ | |
ユーザー属性 | 地域 |
ブラウザ | |
OS | |
ユーザーの言語設定 | |
時間帯 |
コンバージョンの確率が高いと判断された場合には、上限クリック単価が自動的に最大30%増まで引き上げられます。
つまり、積極的に上位に表示されるということです。
逆に、コンバージョンが見込めないと判断された場合には、上限クリック単価が自動的に下げられます。
下げられる際には、下限は特にありません。
つまり、上位には表示されず、広告費を節約することができます。
Google広告の拡張CPCは使うべき?
いつ使えばいい、というよりも、基本的にGoogle広告を出す際には拡張CPCをオンにしておくことをおすすめします。
拡張CPCの効果が期待できるのは以下のようなパターンです。
- 広告費を出来る限り効率的に消化したい場合
- 広告のパフォーマンスが停滞しているような場合
- コンバージョンが少ない場合やキャンペーンを開始したばかりの場合
- とにかく上位に表示したいキーワードの場合
1つずつ、解説していきたいと思います。
広告費を出来る限り効率的に消化したい場合
コンバージョンの見込みが高い時、その現在の予算を変えることなく、より効率的に消化する際に効果を期待することが出来ます。
また、細かな上限クリック単価の調整は、低い時でシステムに任せて自動で調整することが出来ます。
広告のパフォーマンスが停滞しているような場合
以前、ある程度コンバージョンが取れていたものの停滞している場合は、拡張CPCを使用することで、獲得が増加出来る見込みがあります。
その逆に、効果の発揮が期待できない場合は使用しないことをおすすめします。
コンバージョンが少ない場合やキャンペーンを開始したばかりの場合
google広告の拡張CPCの自動単価調整は、そのキャンペーンの過去のコンバージョンデータを元にしています。
なので、コンバージョンが少ない場合やキャンペーンを開始したばかりの場合においては、あまり効果を発揮することがありません。
それどころか、自動調整の際に参照するコンバージョンのサンプルデータが足りないため、的外れな自動調整がなされて、入札単価を引き下げられてしまうという逆効果になってしまうこともあります。
コンバージョンが少ないキャンペーンでは、ある程度コンバージョンのデータがたまるまで、拡張CPCはオフにしておいた方が良いかもしれません。
とにかく上位に表示したいキーワードの場合
google広告上に表示される数字のみでは、判断出来ないような理由で戦略を変える場合、拡張CPCを使わない方が得策です。
「CPAをある程度無視してでも、このキーワードでは絶対に上位表示させたい」ということもあるかもしれませんが、個別に単価設定することが出来ないため、指名系キーワードなど、必ず上位に表示したいキーワードがある場合は、向いていません。
これまで手動だけで調整していた方も、拡張CPCに頼ってみてはいかがでしょうか?
過去にコンバージョンが獲得できていたキャンペーンであれば、成果改善につながる可能性もあるので、効果が期待できないオークションにはお金をかけないで、広告費を効率よく使うことができるようになります。
コスパをよくしたいと考えている人は、とにかく設定をしてみることです。
しかし、もしコンバージョンが少ないキャンペーンで使うときには、データ不足のために入札単価を下げられてしまう可能性もあるので注意が必要です。
広告のパフォーマンスに悩んでいるときに、是非導入してみてください。
Google広告の拡張CPCの使い方
では、実際に拡張CPCを設定してみましょう。
まずは、Google広告の画面で「キャンペーン」をクリックします。
次に、拡張CPCを設定したいキャンペーンの名前を選びます。
選んだら左側のメニューより「設定」をクリックしましょう。
次に、「単価設定」を選択して、さらに「入札戦略」を変更を選びます。
「設定」をクリックするといくつかの項目が出てきますが、その中から間違えないように気を付けてクリックしましょう。
次に、メニューから入札戦略を変更をクリックして出てくる「個別クリック単価」を選ぶと、プルダウンメニューが出てくるので、その中の「拡張CPC」を選択します。
最後に「保存」を押したら完了です。
以上が、Google広告の拡張CPCを設定する手順です。
ちなみに、これらの設定をして拡張CPCを使うには、事前にコンバージョントラッキングが設定されていなければ行うことができません。
なので、設定前に必ず確認をして、もし、コンバージョントラッキングが有効になっていないのであれば、まずはそちらを設定しましょう。
Google広告拡張CPCを使った事例
拡張CPCとは、コンバージョンを獲得できる可能性が高いと推測した場合に、設定した上限クリック単価を引き上げる機能だということが分かりました。
そこで、ここでは「良くなった事例」と「悪くなった事例」をご紹介していきたいと思います。
良くなった事例
まずは、「良くなった事例」からご紹介します。
- 業種:販売店のバイト求人
- CV地点:お問合せ完了
- 目標:CV数最大化
追加して4月からスタートしている案件で、設定当初から拡張CPCを利用していました。
エリアが狭いため予算には余裕があり、その中でCV最大化を目指して調整していました。
求人のある店舗の多少によって成果に影響はあるため、月ごとの比較は正確ではない可能性もあります。
開始1か月目ですぐにCPCが大きく上がって、同時に表示回数も大きく増加し、あわせてクリック数も増加したためCV数も伸びました。
その後三か月以降は、対象店舗が減少しているためエリアをより狭めて運用をしましたが、CV数は大きく落ち込むことはありませんでした。
悪化した事例
続いて、「悪化した事例」をご紹介します。
- 業種:データ復旧
- CV地点:申込完了
- 目標:CV数最大化
ご覧のように、こちらも拡張CPCはずっと使っていたアカウントです。
目標はCV数最大化ですが、予算は潤沢というわけではなく、CPAを抑制しなければCV数は最大化されないためCPAの抑制が課題となっていました。
しかし、CPCの相場は上昇傾向だったため入札単価を抑える調整を行っていましたが全く下がらず、1年運用した結果拡張CPCを止めました。
開始半年間でもCPCが大きく上昇してしまい、CPCの増加に合わせてCPAも悪化しており、CV数自体も減少傾向となっています。
拡張CPCを止めてから通常運用に切り替えましたが、現在のところ回復してきています。
同じ拡張CPCを利用した事例でも、それぞれ「良くなるケース」、「悪くなるケース」がありました。
運用者として機能自体に依存するのではなく、その機能をビジネスの道具として使いこなせるようにしていきましょう。
Google広告拡張CPCの活用メリット
拡張CPCを活用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
拡張CPCを活用すると、商品のキャンペーンやその中に含まれるキーワードが多い場合でも、煩雑な入札管理に人手をかけることが無くなります。
そのため、ページの全体的な獲得単価を調整しつつも、コンバージョンの数を増やせるようになるのです。
こんな時には拡張CPCはNG!
おすすめしているGoogleでの拡張CPCですが、時には使わない方がよいなんていうこともあります。
拡張CPCを使わない方が良いケースとしては、下記の2パターンがあります。
- コンバージョン数が少ない/キャンペーンを開始したばかり
- CPAをある程度無視してでも上位表示させたい場合
基本的にあらゆる場面や状況で効果的なGoogle広告の拡張CPCですが、いくつか使わない方が良い(あるいは使ってもあまり効果がない)ケースもあります。
コンバージョン数が少ない/キャンペーンを開始したばかり
Google広告の拡張CPCですが、いくつか使わない方が良い(あるいは使ってもあまり効果がない)ケの拡張CPCの自動単価調整は、そのキャンペーンの過去のコンバージョンデータを元にしています。
ですから、コンバージョンがそれほどないキャンペーンや、新規で開始したばかりのキャンペーンでは、あまり拡張CPC本来の効果を発揮してくれません。
サンプルが少なければ少ないほど自動調整が難しくなり、それどころか、参照するコンバージョンのサンプルデータが少ないゆえに、的外れな自動調整がなされて、逆効果になってしまいます。
なので、コンバージョンが少ないキャンペーンでは、ある程度コンバージョンのデータがたまるまで、拡張CPCはオフにしておいた方が良いかもしれません。
CPAをある程度無視してでも上位表示させたい場合
また、CPAの改善を望んでいない場合も、拡張CPCを設定する必要はありません。
Googleのサイトの広告上に、表示される数字のみでは判断出来ないような理由で戦略を変える場合、拡張CPCを使わない方が得策と言えます。
時には、「このキーワードはなにがなんでも上昇させておきたい!」、「CPAをある程度無視してでも、上位表示させたいキーワードがある」という目標があるときには、拡張CPCでは、そうしたニーズに対する個別の設定をすることが出来ないので、設定するのはやめておきましょう。
なので、戦略上、パフォーマンスの数字以外の要素を考慮しなければならない場合は、拡張CPCをオフにしておきましょう。
拡張CPCは、注意点としてはコスパ以外の要素を求める際には向いていないのです。
それぞれの自動単価調整機能との違い
ここでは、これまで紹介してきた拡張CPCと機能が似ている、「目標コンバージョン単価制」と「コンバージョン数の最大化」と「拡張CPC」の違いを説明します。
目標コンバージョン単価制
「目標コンバージョン単価制」とは、指定した目標コンバージョン単価以下で、コンバージョン数を可能な限り増やせるように上限クリック単価を自動調整してくれる機能となっています。
Google広告の「自動入札戦略」の一つで、機械学習の力を使うことでコンバージョンの獲得効率を向上することができます。
目標コンバージョン単価は、CPAを維持しながら、コンバージョンを増やすことが出来て、さらに、運用者の工数を削減することができます。
たとえば、CPAを1,000円で設定したとすると、1,000円を超えない範囲でコンバージョンを増やすよう入札単価が自動で調整される仕組みになっています。
多少ブレが出てしまうこともありますが、CPAを維持しつつコンバージョンを増やしていくので、予算の無駄な消化を防ぐことが可能で、また、手動で調整する手間が省けるので、空いた時間を活用してLP改善などクリエイティブな施策に時間を充てることができます。
また、“シグナル”を使用した入札単価調整が可能となっています。
コンバージョン数の最大化
「コンバージョン数の最大化」とは、指定の予算を消化して、最大限のコンバージョン数が得られるように上限クリック単価を自動調整してくれる機能となっています。
これら「目標コンバージョン単価制」と「コンバージョン数の最大化」の2つと「拡張CPC」の大きな内容の違いは、上限クリック単価の決定です。
「目標コンバージョン単価の自動調整」と「コンバージョン数の最大化の自動調整」の場合、システムが広告掲載のたびに上限クリック単価を最適化します。
自動調整は便利な機能でもありますが、上限クリック単価が極端に高くなってしまったり、下がってしまったりすることもあります。
その点、拡張CPCはというと、基準となる上限クリック単価を手動で決めることになります。
なので、システムに基づいて上限30%の間で調整してくれる機能(下限はなし)となり、上限クリック単価は比較的制御しやすいです。
Google広告の拡張CPCは使うべき?使うべきタイミングと使ってはいけないタイミングについて!のまとめ
今回この記事では、Google広告を拡張CPCは使うべきなのか?
使うべきタイミングと使ってはいけないタイミングについてお伝えしてきました。
拡張CPCの機能についてご説明しましたが、自動で入札単価を調整してくれる便利な機能となっているので、広告を作成して出す際のコスパ向上に関連してとても役立つツールです。
また、入札が自動化されることでこれまで単価の調整に割いていた時間を、新たな施策を考える時間などに充てられる場合もありますね。
これまで手動で調整していた方も、拡張CPCを設定しておくだけであとは自動調節してくれるので、広告費に悩んでいる人は是非この方法に頼ってみてはいかがでしょうか。
また、過去にコンバージョンが獲得できていたキャンペーンの内容であれば、成果の改善につながる可能性は大いにあります。
特別な場合を除き、この便利なシステムをしっかり理解して活用していってくださいね。
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