Googleの広告には、数えきれないほど種類がありますが、Google広告の「カスタムインテントオーディエンス」というものをご存じでしょうか。
カスタムインテントオーディエンスとは、ある特定の商品やサービスをGoogleで調べていたり、すでに購入しようとしている購入を前向きに検討しているユーザーに向けてアプローチが可能なターゲティング戦略の一つです。
また、ターゲティング業界では購入を前向きに検討をしているユーザーのことを「購買意向の強いユーザー」といいます。
「購買意向の強いユーザー」がいる層に対して、アピールしたい商品やサービスに関連するカテゴリがないときに、キーワードやURLといった商品を特定できるものを決め、ターゲティングしていくといった流れになります。
ただ、ここでいう「購買意向の強いユーザー」とは一体どんなユーザーのことを指すのかわかりませんよね。
そこで、今回この記事では、「購買意向の強いユーザー」とはどんなものか、設定方法や競合サイト指定でも成果は出るのかなどといった内容について初心者の方にでもわかるように解説していきます。
Google広告のカスタムインテントオーディエンスとは?
カスタムインテントオーディエンスとは、2019年5月のGoogle Marketing Live 2019でカスタムアフィニティとカスタムインテントが統合され、カスタムオーディエンスとなりました。
カスタムインテントオーディエンスは、目標とするターゲットとなる特定のキーワードとランディングページを合わせて広告グループをセグメント化して活用することです。
そのことにより、ディスプレイキャンペーンや動画キャンペーン、ファインドキャンペーンやYouTubeキャンペーンで使用することができ、広告主様のビジネスにとって理想的なユーザーにアプローチすることができます。
カスタムインテントオーディエンスでは、自動的に作成されたオーディエンス セグメントを使用することも、商品やサービスに関連するキーワードやアプリを入力して独自のオーディエンスを定義することも可能です。
これらのカスタムオーディエンスを使うことによって、ページ、URL、アプリ、動画内のキーワードに関心があると思われるユーザーに広告を表示して、アプローチすることが可能となります。
従来はそれぞれ独立した形で存在
カスタムオーディエンスが実装される以前、カスタムアフィニティ(興味関心)とカスタムインテント(購買意向)はそれぞれ独立したオーディエンスとして存在していました。
その2つが統合しカスタムオーディエンスの実装により、特定の興味関心やニーズを持ったオーディエンスを独自に作成すること自体は容易にはなりました。
ですが、成果を出すためには従来の手法を確認して、どのような分類がなされていたのかを理解しておいたほうがよいでしょう。
カスタムアフィニティ
Google広告におけるアフィニティとは、特定のトピックに高い関心を示している顧客の集まりを指しています。
カスタムオーディエンス実装後も、Googleが用意したカテゴリから選択する形式の「アフィニティカテゴリ」というオーディエンスは残っています。
このアフィニティカテゴリを、広告主が自由にキーワードなどを指定して作成できる機能としてリリースされたのがカスタムアフィニティです。
カスタムアフィニティで指定することが可能だった項目は、下記の4つです。
- キーワード
- URL
- アプリ
- 場所
となります。
カスタムインテント
アフィニティが興味関心であるのに対し、インテントは購買意向の強いユーザー、すなわち特定のトピックに関して積極的に調べているユーザーや購入を前向きに検討しているユーザーの集まりを指します。
カスタムアフィニティのように、既存の項目を選択する形式のメニューである「購買意向の強いオーディエンス」は、カスタムオーディエンス実装後も残されています。
この「購買意向の強いオーディエンス」を広告主がキーワードとURLを自由に指定して作成できる機能がカスタムインテントです。
また、カスタムインテントでは、2018年末頃からオーディエンスに含めるユーザーを判定する要素として、「購買意向の強いオーディエンス向けのキーワード」と「Googleで使われた検索語句」から選択することが可能になりました。
ただし、「Googleで使われた検索語句」を選択した場合のカスタムを使用できるのは、YoutubeやGmailを配信先とする場合のみとなっていました。
購買意向の強いユーザーとは?
「購買意向の強いユーザー層」とは、どんなユーザーなのか、まずはこれをしっかりと抑えておかないと何も始まりません。
ここでは、具体的な例を挙げて説明していきますね。
例えば、興味を持っているカテゴリとして「スポーツ、スポーツ用品」の購買意向の強いユーザー層であれば、以下のようなスポーツ用品を購入しようかなと考えているユーザーへ広告が配信される可能性があります。
- スポーツ用品をネットでよく見ている、口コミを参考にしている
- YouTubeやWOWOWなどでスポーツ観戦をよくする
- 楽天やスポーツ通販サイトでスポーツ用品をカートに入れた
購買意欲が高いユーザーとは、上記のような目的がはっきりしているユーザーを指し、そのようなユーザーに向けて広告が配信されています。
今回の場合であれば、購買意向の強いユーザー層としては、カテゴリの名前は「スポーツ、スポーツ用品」でしたよね。
一度広告を見てくれさえすれば、かなり高い確率でコンバージョンしてくれるユーザーを囲い込めたら、広告主としてこんなに嬉しい事はありませんね。ポイントを抑えて人の獲得につなげましょう。
このカテゴリは実は「購買意向の強いオーディエンス」として事前にデータを定義されているものになります。
購買意向の強いオーディンエンストして、すでに定義されているカテゴリは以下のようになっています。
- アパレル、アクセサリ
- アート、工芸の関連用品
- イベントのチケット
- ギフト、行事
- コンピュータ、周辺機器
- スポーツ、フィットネス
- ソフトウェア
- デートサービス
- ビジネスサービス
- ビジネス、産業向けの関連商品
- 不動産
- 家庭、園芸
- 家電
- 幼児、子ども向け製品
- 教育
- 旅行
- 楽器、音楽関連
- 求人
- 美容商品、サービス
- 自転車、乗り物
- 通信
- 金融サービス
などがあります。
この一覧はあくまで大カテゴリで掲載されるもので、他にも中小カテゴリーなどもありますが、量が膨大になってしまうためここでは省略させていただきます。
ただ、注意点として自分が売りたいと思っている商品に対応するカテゴリがない場合があります。
これも例を挙げて説明します。
例えば、本が大好きな購買意向の強いユーザー層であれば、
- 本に関する情報をネットでみている
- YouTubeで本の紹介動画をみている
- ブックオフオンラインなどでカートに本を入れた
などです。
この本というカテゴリーは、購買意向の強いオーディエンスで定義されているカテゴリには当てはまりません。
しかし、ここで諦めては勿体ないので、購買意向の強いユーザー層を独自で定義する必要があります。
しかし、購買意向の強いオーディエンスにアピールしたい商品やサービスに関連するカテゴリがない場合、その定義する方法が「カスタムインテントオーディエンス」になります。
Google広告カスタムインテントオーディエンスの設定方法
カスタムインテントオーディエンスについては、お分かりいただけましたか?
では、ここからはカスタムインテントオーディエンスの設定方法に移ります。
- 設定対象の広告グループを選択して「オーディエンス」をクリック
- 「+オーディエンスを追加」をクリックしてオーディエンスの設定画面を開く
- 「閲覧」タブをクリック
- 「ユーザーが積極的に調べている情報や立てている計画」をクリック
- 下部の「+新しいカスタムインテントオーディエンス」をクリック
- オーディエンス名」を入力
- アピールしたい商品やサービスに関連するキーワードやURL、アプリやYouTubeのコン
- テンツを入力
- キーワード候補が表示されるので必要に応じて追加する
- 「ユーザー層の規模」をクリックして配信の予測を立てる際の参考にする
- 画面左下の「保存」を選択
- 作成した「カスタムインテントオーディエンス」のリストにチェックを入れる
- 「保存」をクリックで設定完了します。
以上で、カスタムインテントオーディエンスの設定は完了です。
同じテーマのキーワードとURLなどを、合計15個程度を指定することがGoogleより推奨されています。
また、一度カスタムインテントオーディエンスを作成するとリストとして永久残るので他の広告にも代用可能になります。
さらに、保存されたカスタムインテントオーディエンスは再編集をすることができ、URLやキーワードなどの変更も可能となっています。
Google広告は自動でカスタムインテントオーディエンスの設定はできる?
手動で設定するカスタムインテントオーディエンスの設定方法以外に、自動作成のカスタムインテントオーディエンスを設定することも可能です。
自動作成のカスタムインテントオーディエンスとは、Googleの機械学習により既存のキャンペーンが分析されて、商品やサービスに関連する購買意向の強いユーザー層を割り出してくれるようになっています。
このオーディエンスリストは、商品やサービスの情報を調べる際にユーザーが閲覧しているコンテンツに多用されているキーワードやURLに基づいて作成されていて、自動生成されたカスタムインテントオーディエンスはYouTube動画広告を除く、ディスプレ広告とGmail 広告でご利用できます。
設定方法は、画面に「カスタムインテントオーディエンス:自動作成」があるのでそれをクリックするだけです。
ただ、自動作成されたカスタムインテントオーディエンスはYouTubeの広告を除くティスプレ広告とGmail広告でしか利用はできません。
YouTubeに広告を載せたいのであれば、手動がおすすめです。
設定項目は4つ
まずカスタムオーディエンスを作成するにあたり、設定可能な項目は大きく分けて以下の4項目です。
4つの項目をそれぞれ設定画面と方法、注意点を說明していきます。
- キーワード(興味関心または検索語句):特定の検索キーワードを使用するユーザーや興味 / 関心が同じユーザー
- ウェブサイト:特定の種類のウェブサイトを閲覧するユーザー
- アプリ:特定の種類のアプリを使用するユーザー
- 場所:特定の場所に訪れるユーザー
1.キーワード(興味関心または検索語句)
追加するキーワードを、興味関心や購入意向の対象として使用するのか、使用した検索語句として使用するのかを選択します。
ターゲットとするユーザーが関心を持っているカテゴリや、購入に向けて情報を積極的に収集している商品やサービスに関連するキーワードを入力します。
マーケティング目標や入札戦略などのキャンペーン設定に基づいて、そのカテゴリへの関心や購入意向があるユーザーに広告が表示されるようになります。
Googleプロパティで実行中のキャンペーンのみで使用され、その他のキャンペーンでは、キーワードは興味 / 関心や購入意向として使用されます。
ターゲットとするユーザーがGoogle検索で使用している語句を入力します。
Googleサービスで配信されているキャンペーンでのみ、指定した語句とその類似語句を検索したユーザーに広告が表示されるようになりますが、その他のキャンペーンでは、インタレストカテゴリや購入意向として使用されます。
ウェブサイト
ターゲットとするユーザーが、アクセスする可能性があるウェブサイトのアドレス(URL)を入力します。
そのURLと似ているウェブサイトを閲覧しているユーザーに広告が表示されるようになりますが、これは指定して登録してあるURLに広告が表示されるようになるわけではありません。
アプリ
ターゲットとするユーザーが、新規で使用すると考えられるアプリの名前を入力します。
そのアプリと同じようなアプリをダウンロードして、使用しているユーザーに広告が表示されます。
ですが、指定したアプリに広告が表示されるわけではありません。
場所
ターゲットとするユーザーが、利用するであろう可能性がある場所の種類を入力します。
たとえば、スタジアム、ネイルサロン、ディスカウント スーパー、カフェなどを指定できます。
ただし、実際にその場所にいるユーザーにしか広告が表示されなくなるわけではありません。
Google広告はキャンペーンの仕組みが違うので注意!
ディスプレイキャンペーンのカスタムインテントオーディエンスでは、設定したキーワードやURL、アプリ、YouTubeコンテンツに関連する商品やサービスの購入を前向きに計画しているユーザーや、Googleが自動作成した購買意向が強いユーザー層に広告を配信することができます。
それに対し、YouTubeキャンペーンのカスタムインテントオーディエンスでは、商品やサービスを検索する時に使用した「検索語句」をキーワードとして指定して広告を配信します。
例えば、キーワード「スパイク おすすめ」を設定した場合、以下の配信ユーザーの違いがあります。
- ディスプレイキャンペーンの場合サッカースパイクの口コミサイトをよく見ているユーザー
- YouTubeでサッカー動画をよく見ているユーザー
- スポーツ用品の通販サイトでスパイクをカートに入れたユーザー
YouTubeキャンペーンの場合は、
- 「スパイク おすすめ」と過去に検索したユーザー
YouTubeキャンペーンのカスタムインテントオーディエンスは、「検索語句」に基づいてターゲティングされます。
なので、キャンペーンごとのターゲティングの仕組みを理解してキーワードを設定しましょう。
Google広告カスタムインテントオーディエンスを運用するコツ!
もともとディスプレイ広告のオーディエンス設定は、購買意欲が高いユーザーといった特殊なセグメントはカバーしていません。
ここまで作成方法をお伝えしましたが、実はカスタムインテントオーディエンスには使い方のコツがあります。
何事にもコツをつかまなければうまくいかないので、以下の2つの点をつかみましょう。
- 購買意向の強いユーザーを絞り込んで広告配信をする
- 購買意向が強まる時期を区切って広告外信する
以上の2つです。
1つ目は至極当然のことで、全く違うカテゴリに広告配信しても意味がないので、自分が扱うカテゴリにあったユーザーをターゲットにしていくことが重要です。
2つ目は、時期を考えるということです。
例を挙げるとジュエリーを扱うショップを想像してみた時に、皆さんはいつジュエリーを買いますか?
普段生活をしていて、急にジュエリーを買うことは滅多に少なく、恋人やパートナーに向けてジュエリーを送ることが一番多いですよね。
その時期としては、クリスマスだったりホワイトデーだったり決まって特定の時期に限られるので、そういった特定の時期に合わせて広告配信していくことで戦力的な配信が可能になります。
以上の2つのコツを把握しておくことで、限りなくコストパフォーマンスを向上させることができます。
カスタムインテントオーディエンスの導入による効果は?
では、実際にカスタムインテントオーディエンスを導入することでどういった効果が得られるのでしょうか。
カスタムオーディエンスが実装されたことで、シンプルでわかりやすくなりました。
そこで、従来の広告と効果について分かりやすく比較してみます。
比較するのは、とあるIT関連企業のリターゲティングキャンペーンとカスタムインテントオーディエンスを使用したパフォーマンスの比較です。
結果はリターゲティングであればクリック率:0.09%、平均クリック単価:132円、コンバージョン単価:2338円、コンバージョン率:5.64%。
カスタムインテントオーディエンスはクリック率:0.13%、平均クリック単価:41円、コンバージョン単価:1691円、コンバージョン率:2.41%となりました。
これを見れば一目瞭然ですが、圧倒的にカスタムインテントオーディエンスのほうが効果は出ていますよね。
従来のリターゲティングでは得られないような効果が、カスタムインテントオーディエンスでは得られました。
同じひとつのカスタムオーディエンスであっても、使用するキャンペーンの目標、入札戦略に応じて、「リーチ」「比較検討」「パフォーマンス」のいずれかを重視したオーディエンスに自動で切り替わるということになります。
Google広告のカスタムインテントオーディエンスとは?競合サイト指定でも成果はでる?まとめ
今回はGoogle広告のカスタムインテントオーディエンスとはどのようなものなのか?競合サイト指定でも成果はでるのか?というところの解説となりました。
カスタムインテントオーディエンスを使えば、今まで「購買意向の強いユーザー」で事前に定義されていなかったカテゴリを扱っていても独自定義することが可能になりました。
広告の配信前に、広告を表示すべきユーザーを絞り込みかつ購買意欲の高い人達を囲い込んで配信できるため、この機能を使いこなせばより効果的な集客ができるようになるはずです。
また、独自性を出すことができ、また配信次第ではライバルを大きく出し抜くことも可能です。
カスタムインテントオーディエンスでは「誰に売るのか」といったことを重視してリサーチし、広告を配信するのですが、一見すると簡単に見えますが奥が深くリサーチ力が試される戦略でもあります。
是非1度、カスタムインテントオーディエンスをしてみて広告配信をしてみてはいかがでしょうか。
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