Google広告には、たくさんのターゲティング方法があります。
細かく分ければ、50種類以上あるといわれているターゲティングの中の１つでもある「ライフイベントターゲティング」というものをご存じでしょうか。
ライフイベントターゲティングは、GDNのターゲティングの一種になるのですが、詳しく理解できている人が少ないような印象であります。
それどころか、教える側の人間がしっかり説明できていなかったりするケースもあります。
そこで今回この記事では、ライフイベントターゲティングについて、Google広告のライフイベントターゲティングとは？使えるシーンと配信のタイミングについて！ということについて概要など詳しいことをまとめてみました。
「GDNのターゲティングの種類を知りたい」「どのターゲティング設定を使えばよいのか分からない」「効果の出るターゲティング設定が知りたい」という方におススメの記事となっています。
参考になれば幸いです。
さっそく見ていきましょう。
Google広告「GDN」のターゲティングとは?
まず、ライフイベントターゲティングを理解していく前に、「GDNターゲティング」についてしっかり理解しましょう。
GDNとは、Googleディスプレイネットワークの略で数々のターゲティング手法があって、なかなか全容を把握できないと悩んでいませんか？
GDNのターゲティングは、大きく２種類に分けることが出来ます。
GDNのターゲティングの種類は、
- 人（オーディエンス）に基づいたターゲティング
- 面（コンテンツ）に基づいたターゲティング
の２種類に分けられます。
GDNでできるターゲティング手法の条件としては、「どこに向けて出すか」ということと、「誰に向けて出すか」の違いのある2つにわけることができます。
「場所」のターゲティングとしてあるのが、
- プレースメント
- トピック
- キーワード
があります。
一方の「人」に向けてのターゲティングでは、
- リマーケティング
- CV類似ユーザー
- インテント
- アフィニティ
- ユーザー属性
- ライフイベント
の6種類があります。
ユーザーの数だったり強いモチベーションなどに分けて、特定のターゲティング層を決めていく方法になります。
また、ライフイベントターゲティングの肝となっているのは、年齢や閲覧履歴です。
全てのライフイベントには、年齢やそれ相応の履歴のデータが関係しています。
GDNはさまざまなターゲティング手法があり、クリエイティブと同様に結果に大きな影響を与える重要な要素の1つです。
分からないことも多いかもしれませんが、挑戦しないという選択をするのは非常にもったいないです。
勉強のためにも、積極的にいろいろ試してみるのも良いかもしれませんね。
Google広告のライフイベントターゲティングとは？
GDNは、さまざまなターゲティング手法があることが分かったところで、ここから本題に入っていきましょう。
「ライフイベントターゲティング」とは、GDNターゲティングの一種であり、大学卒業や結婚、転職など人生の節目を基にリストにしたカテゴリをターゲットにする手法です。
他には、マイホームの購入だったり定年退職、引っ越しや起業など人生において大きなターニングポイントに向けてターゲティングを行います。
また、2018年に追加されたイベントしては、自宅のリフォームや新しいペットの飼育、転職などがあげられます。
指定できる内容にも細かいものがあり、引っ越しであれば「引っ越し予定」なのか「引っ越し後」なのかなど、詳細な行動に分けられます。
従来のマーケティングでは、年齢や性別といった生活者のデモグラフィック情報をベースにメッセージを書いて届けることが一般的な手法として知られています。
しかし、現在はテクノロジーの進化により、これまで難しかった生活者の意図として、興味や関心ごと、何かをしたいという感情をもとに、必要としているメッセージを届けるという拡張した新たなアプローチも可能になってきました。
もう少し、詳しく見ていきましょう。
ライフイベントにセグメントして広告を配信する
Google広告のライフイベントターゲティングで使用することが出来る「ライフイベント」へのターゲティングについてご紹介します。
まず、ライフイベントとは、「卒業」「マイホームの購入」「結婚」など、人生の節目やイベントの事を指します。
GDNでは、インターネットユーザーの人生の節目や出来事にターゲティングして、広告を配信する事ができて、直近でも更新してアップデートがされている新しい機能です。
現状では「Gmail広告」と「YouTube広告」でのみ利用可能です。
具体的には、どんなライフイベントにターゲティングできるのでしょうかというと、現在、ライフイベントとしてターゲティングできるのは、以下の9項目となります。
- マイホームの購入
- 大学卒
- 定年退職
- 引っ越し
- 新しいペット
- 結婚
- 自宅のリフォーム
- 起業
- 転職
上記の一覧のように、さまざまなライフイベントにターゲティングをすることができます。
「起業」に対しては、税理士事務所の広告やホームページ制作会社の広告を出してみたり、「結婚」に対しては、ブラダル業界やホテルの式場などの広告を出しても良いかも知れません。
また、「定年退職」には、退職後のお仕事に関する情報や相続税対策などを提案してみたり、「マイホームの購入」や「リフォーム」に対しては、ハウスメーカーの広告や住宅ローンの提案をすることもできそうですね。
「転職」に対してだったら、転職サイトの広告と言った具合に、様々な業種で活用できそうなのがライフイベントターゲティングの魅力だと思います。
ライフイベントターゲティングは、「卒業予定」なのか「卒業した」のか、時間軸に対して「未来」なのか「直近の過去」なのかという部分にも細かくアプローチが可能となっています。
セグメント可能なイベントと、その詳細を一覧にして表にまとめてみました。
| ライフイベント | 詳細ターゲティング |
| マイホームの購入 | マイホームを最近購入 |
| マイホームを近々購入予定 | |
| 大学卒 | 卒業予定 |
| 最近卒業した | |
| 定年退職 | 最近退職した |
| 近々退職予定 | |
| 引っ越し | 引越し予定 |
| 最近引越した | |
| 新しいペット | 最近犬を飼い始めた |
| 最近猫を飼い始めた | |
| 近々犬を飼い始める予定 | |
| 近々猫を飼い始める予定 | |
| 結婚 | 最近結婚した |
| 結婚予定 | |
| 自宅のリフォーム | 自宅を最近リフォーム |
| 自宅を近々リフォーム予定 | |
| 起業 | 最近起業した |
| 近々起業予定 | |
| 転職 | 最近転職した |
| 近々転職予定 |
卒業や定年退職はまだしも、「最近を犬を飼い始めた」とか、そこまで類推できるのがGoogleのビッグデータの凄さだと感じます。
犬や猫を飼い始めた人に、ドッグフードやキャットフードの広告であったり、トイレやしつけに関するグッズ、または、可愛いお洋服など様々な角度からアプローチをすうることもできそうです。
さらに、今回ご紹介した9項目以外にも、今後、プラスでライフイベントが追加されるかも知れません。
例えば、「妊娠中」とか「最近出産した」などの情報も、検索履歴や閲覧履歴のタグから確認して恐らく類推することができると思うので、マタニティグッズなどの広告配信もできそうです。
一方で、ネガティブなイベントへのセグメントとして、例えば「もうすぐ離婚」などは、コンバージョンに向かないので恐らく今後もできないのではないかと思われます。
Google広告ライフイベントターゲティングの使えるシーンと配信のタイミングについて
人生の節目となるライフステージの変化やイベントにおいて、それまであまり意識をしないで除外していたことに興味を持ったり、購買行動が変わったりすることがあります。
そのような変化するタイミングこそが、マーケティングチャンスが生まれやすいのです。
そこで、ライフイベントターゲティングを使えるシーンとページに配信のタイミングについて、実際の配信例をご紹介します。
「卒業旅行に行きたい」という意図を捉える
「卒業旅行に行きたい」という意図を捉えた場合、学生旅行のプロモーション時期に、若年層を対象に「日本旅行」の認知・検索行動を促してコンバージョンにつなげます。
そこで、YouTubeの新しい広告配信手法の1つであるライフイベントの「大学卒業」で、卒業旅行予約の潜在層で、日本旅行ウェブサイトの未訪問者に対して、複数パターンの広告を配信しました。
その結果、動画に接触したユーザーは、動画非接触ユーザーと比較してみると、検索数が大幅に上昇しました。
また、学生における日本旅行ウェブサイト経由のアプリの売上が、前年同時期と比較して増加して、効果的なキャンペーンとなりました。
ライフイベントを活用することで、大学卒業間近という旅行検討の意向が高まる時期をうまく捉えることによって、認知してもらう機会を提供することができました。
「転職をしたい」という意図を捉える
有効求人倍率が上がって売り手市場となっている転職市場では、優秀な人材の転職意欲を見逃さないことが鍵となります。
そのためには、「転職したい」という意図が顕在化している転職活動中の人だけでなく、「転職したい」気持ちはあるものの、まだ活動そのものは開始していない潜在層に対する効率的なアプローチが求められていました。
そこで、関連する商材や商品、サービスを積極的に検索しているオンラインユーザーがその後7日以内にブログやYouTubeに訪れた際、検索内容に基づいた関連性の高い動画広告の表示を可能にするカスタムインテントオーディエンスを活用しました。
そして、転職活動を始めようとしている生活者にも、動画でのメッセージ配信を開始し、漠然と検索をしているものの、具体的な転職活動はまだ進めていないという潜在層にも意図に合わせてアプローチするという戦略です。
通常のデモグラフィックによる広告配信と、上記のカスタムインテントのパフォーマンスを比較したところ、カスタムインテントがより有効であるという結果が得られました。
「映画を観たい」という意図を捉える
映画やドラマなどのオンラインビデオコンテンツを提供するHuluでは、有料会員獲得のための施策として無料トライアルキャンペーンをおこなっています。
課題としては、映画、ドラマ、アニメなど多岐にわたるジャンルのタイプを提供しているので、どのコンテンツをどのような人に届けることが効果的なのかという見極めを行うことでした。
そこで採用した選択肢の1つが、カスタムアフィニティカテゴリでした。
具体的には、「映画館に興味がありそうなユーザー」を設定して、映画コンテンツとより親和性が高いであろうと判断し、ホームに「映画を含むコンテンツが見放題」を訴求した動画広告を届けたのです。
ユーザーが好きそうな場所に合わせて、それに関連している広告情報を届けていくことで、より価値ある情報提供につなげることができました。
通常のデモグラフィックによる広告配信と、カスタムアフィニティカテゴリを比較したところ、より高いパフォーマンスを示したのはカスタムアフィニティでした。
映画館に興味があるユーザーと、今回の「映画を含むコンテンツが見放題」を訴求した動画広告キャンペーンの相性がよかったので、その結果、効率化に成功した事例となりました。
上記の3つの事例から分かるように、デモグラフィックだけでなく、一定期間において発生している「意図」に合わせて動画広告を活用していくことが必要です。
それが結果的に、より効率的なマーケティング、さらにはビジネスチャンス拡大の新たな一手となり、そして、顧客にとってもより価値ある情報に触れていくことができるようになるのです。
どの業種や商材と相性がいい？
人生の節目には数年に1度、十数年に１度、日常には無い様々な選択をする機会が訪れます。
どの様な業種や商材でも、より顕在層に近く「購買意向の強い」ユーザーに向けて配信する方が成果には繋がりやすいかもしれません。
ですが、特に競合の多い商材であればあるほど、競合より早くユーザーと接点をもつことができるとしたら？
そこからチャンスが広がることはいうまでもありません。
一例ですが、下記のような商材や業種と相性が良さそうですね。
- 教育関係
- 人生の節目に見直す機会の多い保険業
- 車や住宅といった高額な商品を扱う業種
- 学資ローン、住宅ローンなどの金融業
- 高所得者向けの商材を扱う業種
Google広告ライフイベントターゲティングの設定方法
では、ライフイベントターゲティングの設定方法について見ていきます。
ライフイベントターゲティングの設定方法は、難しいことはなく簡単で、まず、Google広告の左側の「オーディエンス」を選択し、クリックします。
次に、「閲覧」をクリックして、「ライフイベント」をクリックします。
「インテント イベントとライフイベント」の項目をクリックすると、各ライフイベントが選択できるメニューが開くので、そこで、「引っ越し」や「結婚」などターゲットにする層を決めます。
また、イベント自体に加えて「～予定」と「最近～した」のチェックボックスがあるので、そこでターゲッティングしたいユーザーの現状を指定できます。
これで、ライフイベントターゲティングの設定自体は完了になります。
ライフイベントターゲティングの活用方法
対象とするライフイベントは、それぞれかけ合わせることはできませんが、Gmail広告の場合、キーワードによってターゲットを絞り込むことが可能になっています。
では、その絞り込む方法をみていきましょう。
まず、「オーディエンス」より「広告グループのターゲット設定を編集」をクリックします。
「ターゲットを絞り込む」より「キーワード」を設定して、ターゲットとするユーザーが訪れていると判断されるサイトに、関連する語句を入力します。
例を挙げると、引っ越しや1LDKなどがあれば、引っ越しなどのユーザーへアプローチすることが可能です。
さらに、地域ターゲティングをかけ合わせることで、新しく引っ越してきた人を狙って近辺の店舗へ集客することが可能になります。
Google広告のライフイベントターゲティングとは？使のえるシーンと配信のタイミングについて！まとめ
今回は、Google広告のライフイベントターゲティングについて詳しく解説しました。
イベントに関連の深い業種のリスティング広告を担当されていれば、すぐさま活用方法は思いつきますよね。
ライフイベントターゲティングは、意外に重要視している人が少ないので、今がチャンスでもありますよ。
また、ライフイベントを考えるときは、年齢やその人間がどういった行動をするのかなどを重視したうえで広告に組み込みましょう。
「引っ越し」1つとっても、大学生の一人暮らしが開始なのか、一軒家へ家族で引っ越しをするのかなどで、ターゲット層が違ってくるので変わってきます。
ライフイベントターゲティングは、魅力的な設定の一つですが、範囲を絞り込み過ぎてしまうと配信母数が確保できない場合もあるので、状況を見ながら検証を多く繰り返して行きましょう。
いかなる場合にも、このタイミングでユーザーが必要としているもの、起こり得る解決したい問題や悩みにはどのようなものがあるか、と考えてみると思わぬ発見があるかもしれません。
適切なターゲットを決めることが、ライフイベントターゲティングの成功につながります。
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