リマーケティングには、多くの方法や種類があるので、それらを全部使いこなしたいと思っていても、なかなか使いこなせるという方はそれほど多くはないでしょう。
そんな中、今回この記事では、特に効果的と言われているRLSA(検索広告向けリマーケティング)の設定方法や、活用する方法等をご紹介していきます。
RLSAは、一般的なリマーケティングでのターゲットよりも、購買意欲などが高い層のターゲットに向けて広告を配信することができます。
Yahoo!では、同じような機能としては”スポンサードサーチサイトリターゲティング”がありますが、ここからは初心者の方でも分かりやすく検索広告向けリマーケティング(RLSA)の基本から概要もお話していきます。
少しでも参考にしていただけたら、幸いです。
検索広告向けリマーケティングとは?
検索広告向けリマーケティングとは、一度サイトに訪問したことのあるリマーケティングリストに載っているユーザーが、設置したキーワードで再度検索を行った際に、そのユーザーへ表示されるように設定された“リマーケティングリストを活用した検索連動型広告”のことをいいます。
ユーザーへの入札を強めることによって、広告を上位掲載をすることができ、また、Google・Yahoo!ともに設定をすることができます。
ちなみに、RLSAは、(Remarketing Lists for Search Ads)の略で、正式名称は、検索連動型広告向けリマーケティングリストになります。
対象としては、一度、サイトを訪問したユーザーが対象になるので、効率よく確度の高いユーザーにアプローチをすることができるので、その結果、獲得に繋がりやすくなります。
RLSAでは、商品を購入しやすいと思われるキーワード(固有名詞や比較検討を意識したワード等)を登録していくことが一般的です。
また、精度を高めるため、広告の訴求の変更や、入札単価を通常のキーワードより高く設定することなどを行います。
当然ながら、設定するキーワードは、CPAやクリック単価を確かめながら調整していくことになります。
検索広告向けリマーケティングの仕組み
検索広告向けリマーケティングの仕組みとしては、一度サイトに訪問したことのあるユーザーの情報をリスト化して、配信する対象として検索キャンペーンに設定することです。
検索キャンペーンに配信対象として設定することで、入札の調整を行うことも可能になります
ですが、その際、ユーザーのサイトへの訪問履歴を貯蓄するために、各ページにリマーケティングタグを設置する必要があります。
情報は、広告主が所有しているウェブサイトやアプリ、YouTube動画にアクセスしたユーザーの行動履歴や、顧客の連絡先情報をもとにしています。
ユーザーをリスト化して配信することで、利用することが可能となります。
ユーザーリストの保持期間としては、自由に選択をすることができますが、リストを活用するためには、過去30日間で1000以上のアクティブなユーザーが必要となります。
そのため、スムーズに配信をするために、事前にユーザーのリストを設定しておくことをおすすめします。
検索広告向けリマーケティングをやるべき理由
例えば、100人のユーザーが何かしらのキーワードを検索した場合に、その100人に対して同じ広告を表示するとします。
その結果、費用対効果が悪かった場合、改善・最適化をする手段として、「掲載順位を落とす」や「キーワードを停止する」、「広告の掲載を抑制する」など、広告の配信自体を縮小するような施策を行う方が多いかと思います。
それでは、効率的な広告の配信をしているとは言えず、最適な情報を与えることが出来ず、結果的に「ユーザの取りこぼし」をしている状態になってしまいます。
そこで、検索広告向けリマーケティングを活用することで、「ユーザの取りこぼし」を防ぐことができます。
ユーザーの中でも、「サイトに訪問したことがある」というのは、大きな強みになります。
サイトに訪問をしたことのあるユーザーというのは、自社のサイトの名前はもちろん、商品名やサービス名、どのような内容なのかも覚えている可能性が高いです。
さらに、もしかしたら購入まで考えて、フォーム入力までしていたけど時間がなくて、コンバージョンを断念していただけという可能性もあるので、この「サイトに訪問したことがある」という強みを持ったユーザーをターゲティングすることが出来るのが、検索連動型広告においての特徴になります。
検索広告向けリマーケティングを導入することによって、過去に費用対の効果が悪く、広告運用を断念したというキーワードについても、再度、活用することが可能になります。
また、今までもしかしたらスルーしてしまっているかもしれないユーザーを取り込むことによって、その結果、コンバージョン率のアップや、CPAの改善に繋がる可能性がおおいに考えられます。
検索広告向けリマーケティングのメリットとデメリット
RLSAのメリットとデメリットについて、解説をしていきます。
まず、RLSAのメリットとしては、主に3点あります。
- 訪問済みユーザーに対して確実にアプローチすることができる
- 広告訴求やランディングページを最適化することができる
- ユーザーリストの保持期間がある
それぞれについて、みていきましょう。
訪問済みユーザーに対して確実にアプローチすることができる
通常の検索広告に加え、一度、サイトを訪問したことがあるというユーザーに対して、入札単価を調整することができます。
そのため、商品やサービスに対してすでに興味を持っている可能性が高いユーザーとして、成約までの見込みも高いユーザーに対して配信をすることによって、効率的に集客をすることができます。
その結果、無駄なくコンバージョン率が高くなり、成果を見込むことができます。
広告訴求やランディングページを最適化することができる
サイトを訪問したことのあるユーザーに対して、広告を配信することができ、さらにはその内容を分けることができるので、広告文はもちろん、ランディングページの内容などを最適化することが可能です。
例えば、家のような大きな買い物の場合、通常の検索広告からリフォームのサイトにユーザーが訪問したとします。
その場合に、ユーザーはその1回の訪問では決定をすることはなく、情報を持ち帰って他社との比較をするための検討期間に入ります。
その検討をしているタイミングで、最初にリフォームのサイトを見た時よりも、よりサービスの強みやキャンペーンを打ち出している広告文が表示されたら、ユーザーはどう動くでしょうか。
他社との検討をしている期間である場合、よりサービスの強みやキャンペーンを打ち出している方を選択する可能性が高くなります。
このように、検討中のユーザーに対して、影響を与えるようなアプローチをすることが可能になるのもRLSAのメリットのひとつになります。
ユーザーリストの保持期間がある
RLSAは、ユーザーリストの保持期間というのが決まっています。
現在、Google検索広告では540日で、Yahoo検索広告では180日という上限があります。
検索広告向けリマーケティングを活用するための方法
検索広告向けリマーケティングを活用するための主な方法としては、以下の3つがあります。
- 入札単価をアップする
- LPや広告訴求の区分けをする
- ビッグキーワードへのアプローチをする
それぞれについて、解説していきます。
入札単価をアップする
検索広告向けリマーケティングでは、入札単価を通常よりもアップすることで、確度が高いユーザーへのリーチをすることが出来るので、良いとされています。
これは、プレミアムポジションと呼ばれる検索広告の部分に表示して配信するためです。
一度、サイトを訪問したことがあるというユーザーが、コンバージョンに至らなかったとしても、再度、その関連キーワードでユーザーが検索をした場合に、入札比率を強化することによって、獲得見込みの高いユーザーに対して、効率よくアプローチをすることができます。
検索広告向けリマーケティングは、検索広告より単価をアップしても採算が取れることが多いのですが、これはCVRを検索広告と比較すると高くなることが多いためなので、基本的には調整していくことをおすすめします。
入札単価のアップをしすぎが心配だなという場合には、まずは”通常の入札単価の10%アップ”としてみて、その後に調整していくのもひとつの方法です。
LPや広告訴求の区分けをする
RLSAを利用することで、リマーケティングユーザー(RLSA)と新規の顧客とで、異なる訴求やランディングページなど、広告を分けることができます。
これはランディングページ(LP)や広告文を設定できるためになります。
以下のようにすることで、ランディングページのファーストビューの変更や広告訴求の変更ができれば、より成果アップに繋がることが期待できるでしょう。
- 既存顧客(リマーケティングユーザー)→ 定期購入やセット販売等を促進する内容の訴求
- 新規顧客→ セール等の一般的な親しみやすい内容の訴求
ユーザーにとって最適な広告を配信することができるように、詳細なユーザーリストをもとにしてセグメントを切り、効率よく配信をしてきましょう。
ビッグキーワードへのアプローチをする
ビッグキーワードについて、キーワード設定をするうえで、複数のキーワードを組み合わせてキーワードを設定することが多いですが、 検索広告向けリマーケティングを利用すると、ビッグキーワードでも効果的に広告を配信することができます。
通常、ビッグキーワードで配信をしても関連性のないユーザーに配信されてしまう可能性が高いです。
ですが、 一度ウェブサイトに訪れているユーザーに対して配信を行うRLSAであれば、ビッグキーワードでも入札単価を調整することによって、効果的に配信をすることができます。
競合の多いビッグキーワードの中には、検索数が多くあるので魅力的ではありますが、その分、上位掲載を狙おうとすると、広告主も多くなるために広告費が多く掛かり利益にはなかなか繋がらないものがあります。
そのような場合に、RLSAを活用して、ビッグキーワードであっても無駄なクリックを防ぎながらのアプローチをすることは有効で、より効果的に広告を配信することができます。
例えば、広告運用の代行を探しているユーザーに対しては「広告運用 代行」などの2語を組み合わせて配信を行いますが、 RLSA を活用すると「広告運用」などのビッグキーワードだけでも対象となるユーザーに広告の配信が可能となります。
1回、サイトに訪問をしたユーザーには、上位の掲載をすることができます。
上位掲載をすることによって、不要なクリックの数を下げられますので、通常では掲載しないようなキーワードにチャレンジしていくことが可能になります。
ただし、クリック単価を通常の検索広告と比べると、検索広告向けリマーケティングは高くなることが多いので、気を付けておきましょう。
検索広告向けリマーケティングを使用する上での注意点
検索広告向けリマーケティングの注意点は、下記のようにいくつかあります。
- アクティブユーザーが1,000人以上必要
- リストには有効期限がある
- ターゲティングしすぎないようにする
- クリック単価が高くなる
- モニタリングとターゲティング
- センシティブなカテゴリーへの配信は不可
それぞれについて、解説していきます。
アクティブユーザーが1,000人以上必要
検索広告向けリマーケティングは、ユーザー数が少ないと配信されない可能性があるので、ユーザー数があまり多くないという場合には注意が必要になります。
具体的には、検索広告向けリマーケティングを利用するには、過去30日間でアクティブなユーザーが1000人いることが条件になります。
この条件は、Googleがプライバシー保護の観点から取り決めているルールで、Yahoo!の検索広告のサイトリターゲティング機能も同じように、1,000人以上のリーチ数が求められます。
ディスプレイ広告でのリマーケティングでは、アクティブなユーザーが100人以上が条件となっていて、検索広告向けリマーケティングではディスプレイ広告より求められるリストが大きいので注意をするようにしましょう。
また、今すぐではないけど、今後検索広告向けリマーケティングの利用をしてみたいなと少しでも考えているのであれば、条件となるリストが溜まっている必要があるので、タグの設置をしたり、早めに準備をしてリストを貯めておくことをおすすめします。
また、効率的にリストを貯めるために、広告だけではなく、SEOなどの別の流入チャネルを作っておくこともおすすめします。
ユーザーがどのような行動をするのかによって、広告を出し分ける事ができるので、キーワードだけでは絞り込みをすることのできないユーザーをターゲティングする事ができます。
だからといって、細かく条件を分けすぎてしまうと、サイズが少なってしまい配信をすることがができない可能性が高くなってしまうので、その点は注意をするようにしましょう。
リストには有効期限がある
検索広告向けリマーケティングの注意点としては、リマーケティングリストに保有期間があるというところになります。
リマーケティングリストの保有期限としては、Google検索広告で540日、Yahoo検索広告では180日が上限の有効期限があります。
この期間を超えてしまうと、リマーケティングリストから削除されてしまい、リストを保有することができなくなってしまうので、運用をする際には注意をしましょう。
Googleでは、1000件以上ないと、広告の配信も開始されないようにとなっているので気を付けましょう。
ターゲティングしすぎないようにする
リストのユーザーが検索をした場合に広告を配信するため、リストの数が少なすぎてしまうとどうしてもボリュームが出ません。
検索広告向けリマーケティングによるターゲティングを細かくしすぎてしまうと、広告の表示数が減り過ぎてしまったり、リーチ数が足りなくて出稿されなくなてしまうリスクがあります。
ユーザーの行動によって広告を細かく出し分けをすることができる検索広告向けリマーケティングですが、リーチ数が減ってしまっては、成果も下がってしまう可能性があります。
Yahoo!広告では、「いずれかの条件に一致(OR)」や「それぞれの条件に一致(AND)」などの条件を使うことによって、柔軟な設定をすることができます。
リーチ数が減ってしまったという場合には、条件を見直し、ターゲットを増やしていきましょう。
クリック単価が高くなる
検索広告向けリマーケティングの注意点として、クリック単価が高くなってしまうことがあります。
これは、一度サイトへ訪問をしたことがあるユーザーに対してアプローチをするため、通常のクリック単価よりも予算を上げることが必要になります。
コンバージョンに繋がることも考慮し、そこで費用対効果を考えると、クリック単価が高くなってもCVRやCTRに効果が見込めるので損をするわけではありませんが、キーワードに対するクリック単価が高くなってしまうことで、他の施策との兼ね合いも考える必要あります。
モニタリングとターゲティング
リマーケティングリストを作成したら、実際のキャンペーンや広告グループのターゲットにリストの設定を行いますが、この際の設定方法に
- 「モニタリング」
- 「ターゲティング」
の2つがあります。
「ターゲティング」は、特定のオーディエンスにのみ広告を配信をするので、リスト以外のユーザーには広告が配信されることがありません。
リーチをすることができるユーザーとしては少なくはなりますが、特定のオーディエンスにのみ広告を配信したいという場合には、「ターゲティング」を選択しましょう。
その一方で、「モニタリング」は、全ユーザーに配信されるので、オーディエンスを絞るということはありません。
モニタリングでできることとしては、オーディエンスごとの成果を確認したり、入札単価の調整などをしたりすることが可能です。
Googleが推奨しているのは、モニタリングになりますが、前述したように異なる性質を持ち合わせているターゲティングとモニタリングがあるので、それぞれの目的に合っている方を選択するようにしましょう。
Yahooの場合は、「ターゲットリストのユーザー」と「全ユーザー」というような名称になっていますが、その機能としては同じになるので、適切な方を選ぶようにしましょう。
センシティブなカテゴリーへの配信は不可
センシティブなカテゴリへの配信は、基本的にすることが出来ません。
これは、検索広告向けリマーケティングに限った話ではありませんが、健康や人権、アダルトなどといったセンシティブな内容のカテゴリへ配信をすることはできません。
リストの質
リストの質を高めると、リストサイズは減少してしまうことが多いです。訪問者に対するRLSAより、カートに入れたユーザーへ配信したい!というような場面も多いですが、質とサイズのバランスを確認して、運用しながら調整していきましょう。
検索広告向けリマーケティングの設定方法
ここからは、検索広告向けリマーケティングを設定する方法を見ていきます。
今回は例として、Google 広告またはYahoo!の検索広告で作成したユーザーリストを広告グループに「ターゲティング」または「ターゲットリストのユーザー」として設定する手順をご紹介します。
それぞれについてご紹介していきたいと思います。
Google 広告
まず、リマーケティングタグを設置しますが、リマーケティングリストを利用した配信方法のため、リマーケティングタグの設置が必要になります。
リマーケティングタグを設置することで、サイトに訪問したユーザーを計測することが可能になります。
Google広告でリマーケティングしている場合は、タグの設置はいらないです。
- 広告管理画面を開き、右上のツールと設定より、ユーザーリストを設定したい広告グループを選択のうえ、「オーディエンス」をクリックします。
- 左上の鉛筆アイコンをクリックします。
- 追加先のキャンペーンもしくは広告グループを選択します。(広告グループが選択されているかを念のため確認します。)
- ターゲット設定は「ターゲティング」もしくは「モニタリング」を選択します。
- 「閲覧」タブをクリックします。
- 「ユーザーがお客様のビジネスを利用した方法」を選択します。
- 「ウェブサイトを訪れたユーザー」を選択して、その項目から対象のユーザーリストを探してチェックします。
- 青枠の箇所に選択済みのユーザーリストが表示されます。ユーザーリストが選択されていることを確認してから「保存」をクリックします。
こちらで、Google広告で作成したユーザーリストを広告グループに「ターゲティング」として設定する方法は以上になります。
次は、Yahoo!の検索広告で作成したユーザーリストを設定する方法を解説します。
Yahoo!の検索広告
Yahoo!のYDNでリターゲティングしている場合には、検索広告向けリマーケティングのためのタグの設置および発行がいります。
- サイトリターゲティングタグを設置して、広告管理画面の「ツール」タブをクリックします。
- 「ターゲットリスト管理」をクリックします。
- 広告グループに設定したいユーザーリストにチェックを入れて、「関連付けの設定」をクリックします。
- プルダウン内「広告グループに設定(配信)」を選択します。
- 「対象のターゲットリストを選択」でユーザーリストが選択されているのを確認します。
- 「関連付ける広告グループを選択」でキャンペーン、広告グループの順で広告グループを設定します。(「キャンペーンに設定(配信)」を選択することでキャンペーン単位に設定することも可能です。)
- 「関連付ける広告グループを選択」で設定した広告グループが選択されているのを確認して、「保存」をクリックします。
- ユーザーリストを設定した広告グループの「ターゲティング」タブをクリックします。
- 配信対象ユーザーのデフォルト値は「全ユーザー」のため、該当のユーザーリストの「全ユーザー」をクリックして開いたプルダウンで「ターゲットリストのユーザー」を選択します。
こちらで、こちらで設定完了となります。
Yahoo!の検索広告で作成したユーザーリストを広告グループに「ターゲットリストのユーザー」として設定は必要です。
また、検索広告向けリマーケティングは、リストに1,000件以上Cookieが登録されてから、ユーザーリスト毎の専用広告が配信されるため、リストの数に気を付けておく必要があります。
紐づけ方法について
リストを作成したら、その後、該当のキャンペーンや広告グループへの紐づけを行います。
紐づけについては、リストがたまっていない状態でも設定をすることは可能です。
ここからは、紐づけ方法について見ていきましょう。
- 該当のリストを選択し、次に追加からキャンペーンあるいは広告グループを選択します。
- 該当のキャンペーンあるいは広告グループを選択します。
- セグメントに合わせてターゲット設定あるいはモニタリングを選択します。
これで、紐づけは完了になります。
ターゲティングとモニタリングの違いについて
Google広告では、ターゲット設定に「ターゲティング」と「モニタリング」があります。
「ターゲティング」と「モニタリング」ではそれぞれ特性が異なり、ターゲティングでは、設定した特定のオーディエンスにのみ広告を表示します。
そのため、広告配信のリーチが限定されます。
モニタリングでは、設定したオーディエンス以外にも広告を表示するので、キャンペーンや広告グループのリーチを制限することなく、オーディエンスリストの掲載結果をデータとして確認し、各リストに対して入札の強弱をつけることができます。
広告配信のリーチには影響を与える問題なく、成果の良いオーディエンスを確認することができます。
また、オーディエンスごとに入札単価の調整もすることが出来るので、可能性としては成果の良いオーディエンスの配信を強化もすることができます。
Google広告の推奨は「モニタリング」となっておりますが、それぞれ特性が違うので設定時は注意をはらって行っていくことが必要です。
検索広告向けリマーケティングで利用可能なユーザーリスト
基本的に、リマーケティングやサイトリターゲティングで使用可能なユーザーリストは、検索広告向けリマーケティングでも利用できます。
利用可能なリストは下記の通り表にまとめてみました。
ユーザーリストの種類 | Google 広告 | Yahoo!広告 |
標準のリマーケティング リスト | ◯ | ◯ |
アプリのリマーケティング リスト | ◯ | ◯ |
YouTube動画のリマーケティング リスト | ◯ | ✕ |
Google アナリティクスのリマーケティング リスト | ◯ | ✕ |
顧客の連絡先情報にもとづくリマーケティング リスト | ◯ | ✕ |
AdWords optimized list (Google 広告の最適化リスト |
◯ | ✕ |
検索広告向けリマーケティングに使用できるユーザーリストは、上記の表のとおり全6種類となっています。
それぞれどのようなユーザーリストなのかは、次で説明していきます。
標準のリマーケティング リスト
標準のリマーケティング リストは、広告主所有のウェブサイトでのユーザーの行動履歴をもとに作成するユーザーリストです。
ウェブサイトに
- Google 広告⇒リマーケティング用のタグ
- Yahoo!広告⇒サイトリターゲティング用のタグ
を設置することで、そのタグを読み込んだユーザーをリストとして作成できます。
大きなメリットとして、サイトの閲覧履歴によってセグメントを容易に作成できるということです。
たとえば「商品をカートに入れたけれど離脱したユーザー」などといった購買意向が比較的高いユーザーか否かを見極めて、キーワードの入札価格に強弱をつけるなどの利用ができます。
アプリのリマーケティング リスト
アプリのリマーケティング リストとは、広告主が所有しているAndroidやiOSアプリ内の行動履歴をもとに作成するユーザーリストです。
Google 広告またはYahoo!広告に連携する方法としては、各広告媒体と連携可能なSDK(※)をアプリに実装することで利用することができます。
また、会員登録やインストールなど、ユーザーのアプリ内での行動別に検索広告を出し分けたい場合に活用することができます。
ちなみに、SDK(Software Development Kit)とは、ソフトウェアを開発するために必要なプログラムや技術文書などをひとまとめにしたものです。
SDKをアプリに実装することで、アプリ内の行動履歴が測定可能になり、また、各広告媒体と連携可能なSDKを実装することで、広告配信に必要な設定もできるようになります。
動画リマーケティング リスト
動画リマーケティング リストとは、広告主所有のYouTube チャンネルや動画を過去に視聴したことのあるユーザーなど、YouTube チャンネル内での行動履歴にもとづいて作成するユーザーリストです。
動画リマーケティング リストは、対象のYouTube アカウントとGoogle 広告とを連携することで作成することが可能です。
たとえば例としていうと、「広告主所有のYouTube チャンネル内の動画を高く評価した人」などの、自社の商品やサービスに関心が深いユーザーか否かで検索広告を出し分けたい場合に活用できます。
Googleアナリティクスのリマーケティング リスト
Googleアナリティクスのリマーケティングリストとは、Googleアナリティクスの計測データをもとに作成するユーザーリストです。
Googleアナリティクスのリマーケティングは、Google広告とGoogleアナリティクスとを連携することで利用できます。
さらに、「滞在時間」や「セッション数」など、Google広告のユーザリスト設定画面(オーディエンス マネージャー)では指定できないセグメントを利用して検索広告を出し分けることができます。
顧客の連絡先情報にもとづくリマーケティングリスト
顧客の連絡先情報にもとづくリマーケティングリストとは、カスタマーマッチと呼ばれ、広告主のもつ顧客の連絡先情報(メールアドレスや電話番号、住所など)にもとづいて作成するユーザーリストです。
顧客の連絡先情報にもとづくリマーケティングリストは、顧客情報を暗号化された状態でGoogleに共有してリストを作成します。
たとえば、「消耗品」などのリピート性の高い商品を取り扱うサービスで、既存顧客がその商品が属するジャンル名(ビッグワード)を検索した際に入札を強めることが出来ます。
その結果、リピート促進に活用できるということです。
Google Ads optimized list(Google 広告の最適化リスト)
Google Ads optimized list(Google 広告の最適化リスト)とは、Google広告のタグやGoogle アナリティクス、YouTubeなど、複数のデータソースを組み合わせて1つに統合されたユーザーリストです。
このGoogle Ads optimized list(Google 広告の最適化リスト)の作成には、少なくとも1つのデータソースを選択する必要があります。
Google広告と連携可能な広告主所有のすべてのサービスに接触したユーザーか否かで検索広告を出し分けをしたい場合に活用できます。
検索広告向けリマーケティングでは、購買意向が比較的高いユーザーや既存顧客など様々なユーザーリストを使ったターゲティングが可能です。
参照したいレポートのデータを含むビューを選択して、数字を確認することが可能です。
検索広告向けリマーケティングの活用シーン
検索広告向けリマーケティングですが、どういった場面で活用をすることができるのかなかなかイメージすることができないという方も少なくないのではないでしょうか。
そこで、検索広告向けリマーケティングの活用シーンとしてご紹介していきたいと思います。
- 入札単価を上げて、見込みが高いユーザーへのアプローチを強化する
- 今まで検索広告では入札できなかったようなキーワードでアプローチをする
- 新規顧客と既存顧客で広告訴求やランディングページを変える
検索広告向けリマーケティングは、ユーザーの検索語句とユーザーリストの組み合わせによって、活用シーンを大きく3つに分けることができます。
1つずつご紹介していきたいと思います。
1. 入札単価を上げて、見込みが高いユーザーへのアプローチを強化する
入札単価を上げて、見込みが高いユーザーへのアプローチを強化するとは、例を挙げて解説していきます。
たとえば、浴衣を販売しているECを運営していたとします。
その場合、ウェブサイトに1度は訪問したことがるものの、訪問時には商品を購入せずに離脱したユーザーがいたとします。
そこで、あらためて「浴衣 通販」などビジネスに直結する検索語句で検索した場合は、通常よりも入札価格を20%引き上げるといった使い方をします。
また、リピート性の高い商材の場合であれば、過去にコンバージョンをしたユーザーに対しては入札価格を50%引き上げるなどをすることで、成果の見込みが高いユーザーへ強くアプローチを行えます。
2. 今まで検索広告では入札できなかったようなキーワードでアプローチをする
今まで検索広告では入札できなかったようなキーワードでアプローチをするということですが、これは1と同じく、浴衣を販売するECを例にして説明してみます。
まず、「浴衣を着るのは、どんなときか」ということを考えてみましょう。
浴衣を着るシーンとして、よくあるのが「花火大会に行きたい」、「夏祭りに行きたい」ということが多いのではないかと考えることができます。
このように、活用法をご紹介する前にちょっと思考を変えてみましょう。
浴衣の通販のプロモーションを行う場合、「花火大会」「夏祭り」のような一般的なキーワードに入札を行うかと思います。
しかし、これらの検索語句で検索するユーザーは、浴衣の情報よりも、花火大会や夏祭りが、いつ・どこで行われるか?といった情報を欲しているので、通常は広告投資に対する効果は得られにくいのです。
しかしながら、1度ウェブサイトに訪問したことのあるユーザーに対してであれば、「隅田川花火大会」のように、浴衣を着用するシーンに関連する検索語句からでもコンバージョンを期待することができます。
3. 新規顧客と既存顧客で広告訴求やランディングページを変える
新規顧客と既存顧客で広告訴求やランディングページを変えるとは、コスメやサプリなどでは、新規顧客獲得の手法として、少量のサンプルを販売し、その後、通常の商品を購入してもらうアップセルが一般的です。
しかし、
- 新規顧客には「サンプル販売の広告訴求」
- 既存顧客には「通常商品の購入や定期購入を促す広告訴求」
をするなど、新規顧客と既存顧客で広告訴求やランディングページを変えることが可能となっています。
コンテンツごとで必ず一致ではなくていいので、用語を選択して情報として何を必要としているのかを把握しましょう。
このように、検索広告向けリマーケティングでは、ユーザーリストによる目的にあった詳細なセグメントができるためターゲティングを上げることが可能になります。
効果に関するレポートを作成するには、指標(クリック数、インプレッション数など)を表示し、レポートの表にコンバージョン統計情報(アクション、トランザクション、収益など)の列を追加します。
少し思考を変えるだけで、ビジネスチャンスが大きく広がって売り上げに繋がるので試してみましょう。
検索広告向けリマーケティング(RLSA)とは?設定方法から活用のコツまで解説!まとめ
ここまで、検索広告向けリマーケティングを設定する方法や、活用方法を見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
検索広告向けリマーケティングによって、リマーケティングが検索連動型広告でも行えるようになり、そのサイトへ訪問のあったユーザーに対して、検索をした場合のみに広告を表示したり、キーワードの入札に強弱をつけたり、ターゲティングすることができるようになりました。
しっかり理解した上で的を絞ったターゲティングをすることで、競合に負けることなく、広告の配信も向上する傾向にあります。
費用対効果の面でも効果アップが狙えることもありますので、リマーケティングは今までディスプレイ広告やリスティング広告のみだったという方も、ぜひ、追加をして是非チャレンジしてみてはどうでしょうか。
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