Google広告の「ファインドキャンペーン」というものを知っていますか?
これは、Googleが抱える多くのフィード、そしてそこに存在しているユーザーに対して、１つの広告キャンペーンで呼びかけることができるとても便利なシステムです。
まだ事業を始めたばかりで、とにかく多くの人に広告を見てもらいたいと考えている人には推奨する広告なのです。
今回は、このファインドキャンペーンについて、どのような機能なのか、基本や概要などを徹底解説していきたいと思います。
まだよく知らないという初心者の方、使ってみたいと思っている方に向けて書いているので、是非参考にしてみてくださいね。
Google広告のファインドキャンペーン広告とは?
先ほども簡単に説明しましたが、ファインドキャンペーンとは、多くのユーザーに対して１つの広告キャンペーンで広告を出すことができるシステムです。
2019年9月からベータ版としてリリースされたファインド広告が、2020年4月に全世界で利用可能になりました。
Google の Discover 、 YouTube Home Feed 、 Gmail上で広告を配信できるキャンペーンで、これら3つの配信面は「フィード」と呼ばれており、フィード上では画像付きの広告が出稿されます。
Googleフィードは、世界中に最大２９億人ものユーザーを抱えているというデータがあります。
これは、とてもすごい数ですよね。
その膨大な数のユーザーを分析して、その中からあなたのサービスやブランドといった商品に興味のありそうなユーザーを発見し、Googleのフィード面で設定したアクション単価や予算を基づき、それに関連する広告を自動で出してくれるのです。
通常はフィード毎に他の複数のキャンペーンを作り、そのキャンペーン毎に目標ユーザーを設定して広告配信を行っていたところを、１つの広告キャンペーンで全てのユーザーにアプローチをしてくれるとても便利なシステムなのです。
Google広告ファインドキャンペーンの特徴
一般的に文だけでなく画像を使用した広告の形式をいえば、 「Googleディスプレイ広告（以下 GDN ）」を想像する方も多いと思います。
しかし、GDNと比較すると、ファインドキャンペーンでは以下のポイントで大きく異なります。
- 配信面
- ターゲティング
- クリエイティブ
- 入札単価
そんな両者を比較して、それぞれ解説していきます。
配信面
GDNでは、300万を超えるウェブサイトやアプリを対象にして広告を配信することができます。
ファインドキャンペーンの場合は、 Discover 、 YouTube Home Feed 、 Gmail の3つの媒体の配信面に限られます。
配信面が限られるからと言って、何も心配することはなく、なんと利用ユーザーは20億人を超えているので、幅広いユーザーに対して広告を配信することができます。
Discoverをはじめ、フィードの間に表示されるため、自然と広告が目に入り興味を持ってもらいやすい広告のフォーマットです。
さらにファインド広告では、機械学習によりアセットに登録した広告の中からよりユーザーが関心を示しやすい広告が表示されます。
そのため、自然にユーザーの行動が促しやすい広告の形式だといえます。
ターゲティング
次に、ターゲティング手法が両者で異なる点があります。
GDNでは、Cookieを活用した、配信先をある程度コントロールできるコンテンツベースでのターゲティングが可能です。
一方、ファインドキャンペーンでは、Cookieを使用する代わりに、 Googleのログインユーザーの情報を活用し、ユーザーの行動を見て分析して使った、より精度の高いターゲティングが可能となります。
クリエイティブ
GDNでは、画像1枚のイメージ広告や、成果に合わせて自動的にクリエイティブが最適化されるレスポンシブディスプレイ広告が主な広告になります。
ですが、ファインドキャンペーンでは、画像のみの広告のほかにカルーセル広告の出稿が可能となっています。
また、ファインド広告はフィードに合わせて自動的に広告が掲載されるので、ユーザーに対してより関連性の高い広告を提供することができます。
入札単価
ファインドキャンペーンで、入札単価10円で配信の実績もあります。
ローンチされたばかりの新配信なら、比較的安い単価で広告を配信することができます。
ファインドキャンペーンの配信面
ファインドキャンペーンの基本情報が分かってきたところで、ここからは、キャンペーンの配信面ついて詳細にご紹介していきます。
先ほどもご紹介した通り、ファインドキャンペーンには、
- Discover
- YouTube Home Feed
- Gmail
の3つの配信面があります。
それぞれ解説していきます。
Discover
まず、「Discover」とは、iOSアプリや一部のAndroid端末、Google公式サイトで使用可能なプラットフォームです。
Discoverは、検索画面の下にフィードが表示されるので、そこに広告も表示することができます。
フィードでは、ユーザーの検索履歴やアカウント情報などを基に、ユーザーの興味・関心に合わせてコンテンツが自動的に表示されるので、ユーザーはフィードを自分好みにカスタマイズすることが可能です。
YouTube Home Feed
「YouTube Home Feed」とは、YouTubeのトップページのことです。
トップページの上部のフィードや、動画の間に挿入されるフィードで広告を配信できます。
Gmail
GDNでもGmail広告を配信することができますが、ファインドキャンペーンでも同様に出稿をすることが可能です。
メールの一覧画面の上部に、広告を配信できます。
Google広告ディスプレイキャンペーンとファインドキャンペーンの違い
ここまで「ファインドキャンペーン」について見てきましたが、Google広告で、以前から配信可能であった「ディスプレイキャンペーン」とは、どのような違いがあるのでしょうか。
解説していきます。
プレースメント
まずは、プレースメントです。
| プレースメント | |
| ディスプレイキャンペーン |
|
| ファインドキャンペーン |
|
ディスプレイキャンペーンのプレースメントはご存知の通り、Googleと提携されているウェブサイトで構成されています。
一方で、ファインドキャンペーンのプレースメントは、Googleのプラットフォーム上の掲載面（YouTubeフィード ・ Gmail ・ Googleフィード）で構成されています。
ファインドキャンペーンでは、GmailとYouTubeで既存のキャンペーンタイプと掲載面が一部重複しますが、これまで広告が出稿されていなかった掲載面に広告を配信できるようになっています。
ターゲティング
ターゲティングは、掲載面がYouTubeフィード ・ Gmail ・ Googleフィードに指定されているので、サイト指定のターゲティングをファインドキャンペーンで実施することはできません。
また、ディスプレイキャンペーンでは、購買意向の強いオーディエンス配信を行うためのカスタムインテントでしたが、ファインドキャンペーンでは、「Googleで使われた検索語句」を活用したターゲティングが実施できるようになっています。
「Googleで使われた検索語句」を活用したターゲティングでは、Googleプラットフォーム上の掲載面でないと広告を配信しないため、これまでGmail広告、動画広告しか配信できませんでした。
ファインドキャンペーンではGoogleプラットフォーム上の１つの掲載面しか広告が掲載されないため、「Googleで使われた検索語句」を活用したターゲティングができるようになっているのです。
新しくローンチされたファインドキャンペーンは、既存のキャンペーンタイプとは別の掲載面に広告を配信することができるので、これまでユーザーが見ていなかったタイミングに広告を配信できるようになりました。
いろんな出稿アカウントが増えているかと思いますが、新しいキャンペーンタイプとしても注目されていて、可能性を広げるためにも挑戦する余地はあります。
Google広告ファインドキャンペーンを行うメリット・デメリット
では、使い方についてご説明する前に、ファインドキャンペーンを行った際のメリット・デメリットについてお伝えするので認知しておきましょう。
メリット
まずは、ファインドキャンペーンのメリットとなる部分からみていきましょう。
これは先ほどから言っているように、１つの広告キャンペーンで多くのユーザーにアプローチができる点でしょう。
YouTube広告やGmail広告など、さまざまな媒体がありますが、Googleが持つ膨大なフィードの中から幅広くユーザーを探し、それに対応して広告を出すことができます。
従来は広告ごとに目的に合った様々な設定をしなければならなかったところを、１度だけの設定でアプローチを促すことができるようになります。
見出しや画像、フレーズやロゴなど、広告を構成する要素を追加するだけで自動的に広告を表示してくれるのでとても簡単です。
簡単に手広く広告を表示できる、という点がファインドキャンペーンのメリットとなります。
デメリット
では次に、ファインドキャンペーンのデメリットの部分についてもご説明していきましょう。
メリットだけを見て「これは良い！」と思って始めても、意外と自分の広告とは合わなかった、ということになってしまっては時間とお金の無駄になってしまいます。
しっかりとデメリットについても確認は必須です。
実は、ファインドキャンペーンを活用すると、以下の設定を変更することができません。
- 個別単価設定を使用した入札戦略
- 配信方法
- 広告のローテーション
- モバイルデバイスターゲティング
- フリークエンシーキャップ
- コンテンツターゲット
このような設定を変更したい場合には、ファインドキャンペーンを使用せずに広告を作っていきましょう。
自分で細かく広告を設定したい場合には、ファインドキャンペーンは不向きであると言えるので検討する必要はないでしょう。
Google広告ファインドキャンペーンはこんなときにとっても役立つ！
「こんなときはファインドキャンペーンを使うと効果的！」という事例と、その理由をご紹介しましょう。
ファインドキャンペーンの効果的な使用例としては、以下の３つです。
①とにかくコンバージョン率を伸ばしたい場合
今までにないような、大きな規模で広告を出してコンバージョン率をとにかくアップさせたいと考えている場合には、ファインドキャンペーンは有効です。
ファインドキャンペーンで、ニュースの購読やさまざまなサイトへのアクセス誘導を促してみましょう。
②新規顧客を獲得したい場合
最近の新しいメディアを使って、新規のお客様を獲得をしたいと考えている場合に、ファインドキャンペーンは効果的です。
Googleが抱えるユーザーが新しいものを欲しているしてタイミングを計測して探り当てて、そこに視覚的に働きかける広告を出すことができます。
世界的にも多くのユーザーを保持しているTwitterは、広告プラットフォームとして大変優れており、様々な企業がプロモーションのためにTwitterを利用しています。
③ユーザーに何度もアプローチをしたい場合
特に、効果的なユーザーに対して、何度もアプローチをしたいと考えている場合に、ファインドキャンペーンを活用してみてください。
ユーザーがお気に入りのフィードに繰り返しアクセスしてきたときに、そのユーザーが求めていると思われる商品(過去に購入したことがある、閲覧したことがある等)の広告を自動的に出して販売促進をしてくれます。
ファインドキャンペーンを利用することによって、Googleが持つ様々なフィードで広告ができるので、見込客や新規客、様々な顧客の獲得が容易にできると考えられます。
とにかく、ファインドキャンペーンの活用のポイントとしては、幅広く広告ができるという点なので、Googleの膨大な顧客数を存分に活用していきましょう。
ファインドキャンペーンは、ビジネスを拡大したいときにとても向いているのです。
Google広告ファインドキャンペーンを設定してみよう
では、実際にファインドキャンペーンを設定していきましょう。
まずは、キャンペーンを設定するところから始めます。
①まず、広告アカウントにログインし、「キャンペーン」をクリックします。
②次に+ボタンをクリック後、「新しいキャンペーンを作成」し、キャンペーンで達成したいマーケティング目標を複数の選択肢の中から選択します。
目標を設定せずにキャンペーンを作成することもできます。
③キャンペーンタイプは「ファインド」として、「続行」をクリックし、キャンペーンの配信地域及び言語を選択して、入札単価と予算の設定に進みます。
ファインドキャンペーンでは、入札戦略は「目標コンバージョン単価」および「コンバージョン数の最大化」の2種類を選択することができ、予算と単価設定に基づいて自動的に入札調整をしてくれます。
「目標コンバージョン単価の設定」にチェックを入れると、入札戦略は「目標コンバージョン単価」になります。
④広告グループ名を記入した後に、オーディエンス・ユーザー属性の設定を行うのですが、カスタム、リマーケティング等、広告グループごとに様々なターゲティング方法を選択できます。
また、「ターゲットとするオーディエンスの編集」から、「ユーザー属性」では、年齢、性別、子供の有無、世帯収入の設定ができます。
⑤最後に入札戦略の中の１日の予算を入力したら「保存」を押して完成となります。
広告はこの画面でも、キャンペーンを作成した後でも入稿することができます。
ここまでの基本設定が完了したら、次に広告を作っていきましょう。
ファインドキャンペーンページで、広告表示オプションをクリックして「ファインド広告」を選択します。
※ファインド広告は「ファインド広告」「ファインド カルーセル広告」の二種類のフォーマットから選択することができます。
広告は、画像１つのみの通常の広告と、複数画像を使うカルーセル広告が選択できますが、アセットの仕様に関してはGoogle広告ページをご確認ください。
行動を促すフレーズのテキストは、デフォルトでは自動設定になっていますが、アプリダウンロード目的であれば「ダウンロード」、商品の販売目的であれば「今すぐ予約」「今すぐ購入」など、目的に合った行動を促すフレーズを設定することでより高い成果が期待できます。
広告を設定したら、成果を確認すべく待ちましょう。
すぐに結果を確認することはできないので、ある程度の数値を獲得できてから広告内容を変更するかどうかを決めていきます。
そのため、予算は高めに設定しておきましょう。
おすすめとしては、目標コンバージョン単価の１０倍の予算を立てておきましょう。
多くのユーザーにリーチするためには、自動ターゲティングを設定しておくことをおすすめします。
自動ターゲティングを設定しておくことで、これまでとほとんど同じ単価でコンバージョン率を増やすことができるでしょう。
その他の注意点
ファインドキャンペーンを設定するためには、パーソナライズ広告及びGoogle広告の規定に違反していないか、サイトワイドのタグ設定をアカウントで有効にしているか、という２点をクリアしている必要があります。
うまく設定できない場合、この基準をしっかりクリアしているかどうかを確認しましょう。
パーソナライズ広告及びGoogle広告の規定に違反していないか
ファインド広告の掲載は、メディアのコンテンツに溶け込んだ形でユーザーに見られることを目的としているので、ユーザーの関心度予想で決まってくるのですが、その関心度はYouTubeの視聴内容等で決まります。
そのため、ユーザーに不快感や誤解を与える画像は質が低いとみなされ、広告が不承認となることがあります。
なので、広告掲載にふさわしくないある一定の表現が繰り返されているようなコンテンツは自動的に排除されます。
受けねらいのテキストや挑発的なコンテンツ、不快なテーマを含む画像や文字、不適切なイラスト、トリミングが不適切な画像、自撮り写真などが該当します。
さらに、クリック可能なテキストやボタンなどの行動を促すフレーズ、またはそれらを模倣したような要素（クリック可能かどうかを問わず）が含まれる画像は避けましょう。
Googleの範囲であればどこでも掲載される、というわけではないので確認しておきましょう。
サイトワイドのタグ設定をアカウントで有効
他のプロダクトにも共通していることですが、他のキャンペーンのメニューで高い成果の出ているオーディエンスは良い成果を出せる可能性が高いので、積極的にターゲティングしましょう。
ファインド広告にカスタム インテント、カスタマー マッチ、リマーケティング、類似ユーザーを追加すると、コンバージョン率は 81％上がり、コンバージョン単価は 25％下がります。
特に獲得目的のキャンペーンを配信する場合は、上記のGoogle 広告の最適化のガイドに記載されているような既存の顧客、ウェブサイト訪問者やその類似ユーザーなど、コンバージョンする可能性が高いオーディエンスから試すことをオススメします。
また、最適化に必要なデータ（コンバージョン40件程度）が得られるまではｍ」極力キャンペーンに変更を加えないことが推奨されています。
もし可能であるならば、目標コンバージョン単価の10倍以上の予算を確保しておくとスムーズです。
Google広告のファインドキャンペーン広告とは?使う際のメリットとデメリットを徹底解説！のまとめ
Google広告のファインドキャンペーン広告とは?使う際のメリットとデメリットを徹底解説！ということについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
Google広告において、ファインドキャンペーンはとても有効な広告方法であることがお分かりいただけたでしょうか?
ファインドキャンペーンを活用することによって、多数のユーザーが利用しているプラットフォームに広告を出稿することができます。
特に配信面のDiscoverのフィードでは、ユーザーの興味関心に合わせてコンテンツを表示するため、ユーザーの注目度も高く、見込み顧客の獲得に大いに役立ちます。
また、国内のGoogle広告全体で考えても導入率はまだまだ少ないので、今ならCPCも安く配信することができるので、うまくいけば先行者利益を得ることができるかもしれません。
なので、「広告を出してみたけれどなかなかコンバージョンが上がらなくて悩んでいる」、「たくさんの広告を管理するのが大変で悩んでいる」、という人は是非ファインドキャンペーンを試してみてください。
チャンスである今のうちに、挑戦してみてはいかがでしょうか。
この記事が、少しでも広告を管理する皆さんの助けになれば幸いです。
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