LINE広告のダイナミック広告は、ユーザーのサイト訪問に応じて最適な広告を出稿できる広告です。
ユーザーの行動履歴をもとに、興味関心にマッチした広告を自動で配信することが出来るので、今注目されています。
リターゲティングだけでなく、特定のウェブサイトに訪問したユーザーに対して類似した属性を持っているユーザーへリーチすることも可能で、FacabookやTwitterなどのSNSなどで接触することのできない層に対してリーチすることが出来ます。
ただ、LINE広告のダイナミック広告についてのよくわかっていない人が多いというのが現状です。
そこで今回は、LINE広告のダイナミック広告について見ていきます。
LINE広告のダイナミック広告とは？
LINE広告のダイナミック広告とは、その名の通りダイナミック広告をLINEに配信することができる広告です。
そもそもダイナミック広告とは、
- タグ
- フィード
これらを利用してユーザーがサイトに訪問した際に、その状況に応じて一番最適な広告クリエイティブを最適なタイミングで動的に配信することが出来る広告のことを言います。
ユーザーがウェブサイトでどんな行動をとったか、ユーザーの興味関心に基づいた広告を動的に配信することが可能になります。
AIを活用して、自社サイトをユーザーが訪問した際に、「商品ページをどのように見ていたか」など履歴を判断し、より興味があるような商品を広告として表示することも出来ます。
他のダイナミック広告と同じように、クリエイティブを個別に作成しなくてもよく、関連度の高い広告を自動で生成し、配信することが出来ます。
ECサイトや旅行、不動産、人材などの業種の商材で効果の高いフォーマットになっています。
LINE広告のダイナミック広告の特徴は？
では、LINE広告のダイナミック広告の特徴を見ていきましょう。
パーソナライズされた広告を配信することが出来る
ユーザーがウェブサイトでどんな行動をとったのか、どんな商品を閲覧したのか、どんな商品を購入したのかなどといった行動をもとに、ユーザーの興味関心にマッチした商品の広告クリエイティブを動的に表示してくれることが出来ます。
カルーセル形式のクリエイティブの場合には、1つのクリエイティブで複数の商品を訴求することが出来ます。
さらに、商品ごとに遷移先の設定が可能です。
ユーザーが気になる商品をタップすると、ウェブサイトの商品詳細ページへ移動してそのまま購入することが出来ます。
また、LINE広告ではLINE Tagへ情報を蓄積することができるようになっています。
そのため、「みなし属性」を参考にして
- 年齢
- 性別
- 興味関心
- 地域
などで、詳細にターゲティング設定をすることもできます。
配信対象を絞りに絞って、LINE広告のダイナミック広告を配信することができます。
新規顧客獲得に強い
LINE広告のダイナミック広告は、ウェブサイトで接触したことのない新規顧客へ対しても広告を配信することが出来ます。
新規顧客へのダイナミック広告の配信のことを「プロスペクティング配信」と言います。
このプロスペクティング配信では、既にいるユーザーと似た属性のユーザーにリーチすることが出来るので、LINEのダイナミック広告を通じて新規顧客の獲得を期待することが出来るんです。
LINEユーザーが多い
LINEの月間ユーザーは8,600万人とかなりの多さを誇っています。
さらに、ユーザーの男女比については5:5ほどで居住地も人口分布比率に等しくなっています。
また、年齢層や職業の幅も広いため、LINE広告のダイナミック広告の効果が最大限に期待できる広告出稿先になるでしょう。
そもそも、LINE広告のダイナミック広告はユーザーのデータ数が少ないとあまり機能するものではありません。
そのため、LINEのようにユーザー数が多い広告出稿先には、LINE広告のダイナミック広告が向いているということになるんです。
アクティブユーザーが多い
LINEの調査によると、1日1回LINEを利用するユーザーは全体の85%を占めています。
この85%という数値は異常に高く、アクティブ率も全体的には高めを推移しています。
アクティブ率が高いということは、LINE広告のダイナミック広告を出稿した際にユーザーの目に触れる機会が多くなるということです。
クロスターゲティングが可能
他の広告にない、LINE広告ならではの機能として、LINEの公式アカウントで取得したデータやユーザーIDを利用するクロスターゲティング配信というのが可能です。
LINEの公式アカウントのメッセージ配信によって、ユーザーがどんな反応をしたかで様々なセグメント配信が出来ます。
| クリックリターゲティング | 過去に配信したメッセージにあるリンクをクリックしたユーザーを対象にしたオーディエンス |
| インプレッションリターゲティング | 過去に配信したメッセージを開封したユーザーを対象にしたオーディエンス |
| ユーザーIDアップロード | テキストやCSV形式のファイルでユーザーIDをアップロードして作成したオーディエンス |
クリックリターゲティングやインプレッションリターゲティングへ広告を配信すれば、LINEの友達へ配信するよりも商材への興味が高いので、コンバージョン率のアップが期待出来ます。
ユーザーIDアップロードの活用はMessaging APIの利用が必要となります。
LINE広告のダイナミック広告を出稿できる配信先は？
LINE広告のダイナミック広告は、LINEのどこに配信することができるのでしょうか。
LINE公式によると、
- トーク画面
- LINEウォレット
- タイムライン
- LINE news
- LINEマンガ
- LINE BLOG
- LINEポイントクラブ
- LINEショッピング
- LINEチラシ
- LINEクーポン
- LINE広告ネットワーク
LINEのダイナミック広告は、もともとタイムラインだけに配信することが出来ましたが、現在ではこれらの配信面で広告を配信することが可能です。
配信面によってフォーマットが異なりますので注意しましょう。
LINE広告のダイナミック広告の配信方法は？
ではLINE広告のダイナミック広告の配信方法をご紹介します。
リマーケティング配信
まず、LINE広告のダイナミック広告の配信方法としてリマーケティング配信があります。
これはLINE Tagを利用してユーザーのサイト訪問時におけるウェブトラフィック情報を蓄積することで行うことができます。
例えば、商品をカードに入れてそのまま購入に至らなかったケースがあります。
その場合、ユーザーに向けてその商品とその類似商品がLINE広告のダイナミック広告に配信されるようになっています。
このように再度購入を促すようなリマーケティングが可能です。
プロスペティング配信
プロスペティング配信は、LINE Tagで獲得したユーザーの行動データを参考に、同じような属性を持つユーザーへLINE広告のダイナミック広告を配信することができる方法です。
購買意欲をもとにして配信することができるので、既存よりも新規顧客を獲得することに向いています。
プロスペクティング配信を行うためには、リマーケティング配信でまず成果を出してから、購買意欲が高そうなユーザーのオーディエンスを把握してから配信すると効果的です。
プロスペクティング配信はすぐに成果を出せる配信方法ではありません。
長期的に運用していくことが必要になります。
LINE広告のダイナミック広告とリターゲティングとの違いは？
LINEのダイナミック広告と、通常のLINE広告のリターゲティングではどのような違いがあるのでしょうか？
LINEのダイナミック広告とリターゲティングの違いは、「新規顧客に対して訴求することが出来るかどうか」というところです。
LINE広告のリターゲティング機能というのは、過去にウェブサイトを訪問したことがあるユーザーに対して広告を配信することが出来ます。
商品やサービスの購入や申し込みを検討しているユーザーのコンバージョンを獲得するのが目的です。
しかし、LINEのダイナミック広告では、リターゲティングを行うことも出来ますが、ウェブサイトに訪問したことのないユーザーにも広告を配信することが出来るのです。
LINE広告のダイナミック広告の掲載方法は？
では、LINEのダイナミック広告を掲載する方法について見ていきましょう。
- LINE広告アカウントを作成します。
- LINE社で、LINEのダイナミック広告を実施するための権限付与を申請します。
- LINE Tagを設置します。
- 仕様に沿って商品フィードを用意します。
- 広告キャンペーンを作成します。
これで、広告の配信を開始することが出来ます。
権限付与申請
LINE広告のダイナミック広告を利用するためには、事前に権限付与を申請する必要があります。
権限付与の申請は、申請フォームから行いましょう。
LINE Tagを設置する
LINE広告のダイナミック広告を利用するためには、LINE Tagの作成と設置が必要になります。
LINE Tagというのは3種類のコードがありますので、これらをウェブサイトに設置してユーザーの行動を把握します。
LINE Tagの取得は、広告アカウントから行いましょう。
LINE Tagを取得したら、サイト内の<head>の中へ設置していきます。
複数のコードを同じページに設置する時は、ベースコードをまず最初に貼り付けてから他のコードを下に貼り付けましょう。
商品フィードを作成
LINE Tagを設置したら、商品フィードを作成していきましょう。
商品フィードというのは、ダイナミック広告で配信する広告の元のデータとなるものです。
商品フィードがないと、広告を配信することが出来ません。
商品フィードを登録しておくことで、自動的に広告の情報を読み取ってクリエイティブを生成してくれます。
フィード上の画像、”image_link”は画像、”title”はタイトル、”description”は説明文に、クリエイティブに反映されます。
商品フィードの必須項目に、出来るだけ多く、正しい情報を入れることで機械学習の最適化が進むので、精度を高めることが出来ます。
広告キャンペーンの作成
商品フィードの登録が終わったら、広告キャンペーンを作成します。
配信対象となるオーディエンスを設定します。
オーディエンスというのは、ダイナミック広告を配信するためのターゲットリストのようなものの事を言います。
LINE Tagによって取得したデータをもとにして、オーディエンスを作成していきましょう。
まずは、オーディエンスのメニューからオーディエンスタイプを選択します。
- ユーザーIDアップロード
- クリックリターゲティング
- インプレッションリターゲティング
- チャットタグオーディエンス
- 追加経路オーディエンス
- ウェブトラフィックオーディエンス
次に、ターゲットを設定します。
ターゲット設定は、オーディエンスタイプによって方法が異なります。
対象のタグ一覧から使用したいデータを選択していきましょう。
また、友達追加をした期間を基準にして対象にする期間を設定していきます。
ターゲットを指定し、有効期限を決めたら保存しましょう。
最後に、オーディエンスの公開設定を「公開」に変更したら完了です。
LINE広告のリターゲティング広告の配信方法は？
LINE広告のダイナミック広告と関わりの深いリターゲティング広告の配信方法についても見ていきましょう。
- キャンペーンを作成
- キャンペーンの設定
- オーディエンスを決定
- 広告フォーマットの設定
- 配信設定
- 入札設定
- 予算設定
これが、LINE広告のリターゲティング広告の配信手順です。
では、詳しく見ていきましょう。
キャンペーンを作成
広告マネージャーから「+キャンペーンを作成」で、キャンペーンを作成していきましょう。
キャンペーンを設定
つぎに、キャンペーンを設定していきます。
- キャンペーン名
- 掲載期間
- 任意設定の内容
これらを決めて行きましょう。
ターゲット設定
広告グループのターゲット設定を行っていきましょう。
リターゲティング配信では「オーディエンス作成」に進みます。
オーディエンス決定
オーディエンスの一覧から、使用するオーディエンスを選択します。
広告フォーマットの設定
インストリーム動画を配信するかどうかを決めます。
友達追加キャンペーンでは、インストリーム動画を使うことは出来ないので注意しましょう。
配信設定
広告の配信先を決めて行きます。
自動配信が推奨されていますが、任意で設定することも出来ます。
LINE以外のアプリへも配信することが出来ます。
入札設定
入札戦略は、
- イベント単価の上限を設定
- 入札額の上限を設定
- 単価の上限なしで1日の予算の消化を最大化
の中から選択します。
課金方法は、クリック課金かインプレッション課金を選択しましょう。
上限金額が必要であれば金額を入力しておきましょう。
予算設定
1日の予算を設定していきます。
設定金額の2倍を超えてしまった場合には費用は請求されません。
予算を設定しても、必ず設定金額以下でおさまるわけではありません。
LINE広告のリターゲティング広告の効果を発揮するためには？
では、LINE広告のリターゲティング広告の効果を最大限に発揮するためにはどうしたらいいのか見ていきましょう。
プロスペクティング配信を行う
ダイナミック広告でも見てきたように、リターゲティング広告でもプロスペクティング配信を行うことが出来ます。
プロスペクティング配信を行うことで、リターゲティング広告の配信効果をさらに高めることが出来ます。
ウェブサイトに訪問したことのあるユーザーだけでなく、まだ接触したことのないユーザーに対しても広告を配信することで、対象ユーザーの母数が増えます。
また、コンバージョンの可能性が高いユーザーにアプローチすることも出来るので費用対効果もアップします。
コンバージョンユーザーの除外
既にコンバージョンしているユーザーには、関連商品や再購入などの訴求を行う場合を除いて除外設定を行うようにしましょう。
コンバージョンしているユーザーに広告を配信しても、広告費を無駄にしてしまうことになります。
リーセンシーの設定をする
リーセンシーを活用することで、ターゲットの中から購買意欲の高いユーザーに対して広告配信を行うことが出来るようになります。
ウェブサイトに訪問したことのあるユーザーを一律に扱うと、訪問してから日数が経っているユーザーの反応というのはどうしても悪くなりがちです。
リーセンシーを設定することで、訪問日からあまり日数のたっていないユーザーに絞り込むことが出来るので、購買意欲の高い状態のユーザーに広告を配信することが可能です。
入札戦略は適切に
LINE広告に用意されている入札戦略も実施していきましょう。
入札戦略というのは、色々な広告の目的に対応しています。
目的に合わせたものを使うことで、広告効果を最大限に発揮することが出来ます。
LINE以外のアプリへ配信する
LINE以外のアプリへ広告を配信することでも、広告のインプレッションを高めることが出来ます。
広告配信先を設定するときに、自動配信やLINE広告ネットワークを選択すると、LINE以外のアプリへ広告を配信することが出来るようになります。
LINEにもその他のアプリにも広告を配信することが出来るので、配信のボリュームが増えて広告効果が高まります。
LINE広告のダイナミック広告の費用は？
では、LINE広告のダイナミック広告の費用はどのぐらいかかるのか見ていきましょう。
LINEのダイナミック広告では、
- クリック課金
- インプレッション課金
を選択することが出来ます。
広告の目的に合わせて課金方法を選択しましょう。
費用の相場は、
| クリック課金 | 24円～200円/クリック |
| インプレッション課金 | 400円～650円/1,000インプレッション |
このぐらいを目安にしましょう。
LINE広告のダイナミック広告に向いているのは？
LINE広告のダイナミック広告は、既にLINE広告を運用している人や、LINE広告以外のウェブ広告を運用している人におすすめです。
なぜなら、既に運用しているウェブ広告のデータを活用することが出来れば、LINEのダイナミック広告でリターゲティングやプロスペクティング配信を行うことが出来るからです。
既存のデータを活用することで、費用対効果を高めることが出来ます。
同時に新規顧客に対しても広告を配信することが出来れば、広告のさらなる露出にも繋がります。
LINE広告のダイナミック広告を活用するポイントは？
LINE広告のダイナミック広告は、インプットデータがとても重要です。
自社でどれだけのデータを持っているのか、そのデータを正確に広告媒体のエンジンに取り込むことが出来るのかと言うことがポイントになってきます。
LINE広告のダイナミック広告を活用するポイントは、
- データを日々アップデートする
- 媒体の必須項目以外の推奨項目も全て埋める
- クリエイティブ、カテゴリを調整する
となります。
ユーザー数を多く抱え、日々活発なアップデートを進めているLINE広告では、これらの施策がとても重要になってきます。
LINE広告のダイナミック広告とは？特徴やリスト作成の方法も！まとめ
今回は、LINE広告のダイナミック広告について見ていきました。
LINE広告のダイナミック広告は配信先が多くありますが、それぞれを固定させることはできません。
そのため全てに共通するような広告を配信することが重要になってくるでしょう。
LINE広告のダイナミック広告は、活発なアップデートが日々行われているので、配信面についてもどんどん増えてきています。
他の媒体のダイナミック広告に比べると、まだまだ活用されていることが少ないですが、対応業種が増えてきていることも含めて、競合先が増える前に導入することをオススメします！
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