2020年2月27日に行われたアップデートにより、LINE広告にもカルーセル広告が追加されるようになりました。
カルーセル広告というのは、画像とテキストを組み合わせて1つの広告枠に複数枚掲載出来る広告のことで、モバイル端末を中心に使われている注目の広告フォーマットです。
カルーセル広告が追加されたことにより、LINE広告の有効性がさらに増しました。
圧倒的リーチ力を持っているLINE広告でカルーセル広告を取り入れることが出来れば、広告のさらなる効果が期待出来るはずです。
そこで今回は、LINE広告でのカルーセル広告運用方法をご紹介します。
LINE広告のクリエイティブの静止画と動画の違いは？
LINE広告のクリエイティブには、静止画と動画を利用することが出来ます。
静止画のクリエイティブと動画クリエイティブでは、それぞれメリットやデメリットがあります。
それぞれについて見ていきましょう。
静止画のクリエイティブ
静止画のクリエイティブというのは、動画と比べて制作コストが低いです。
いくつかのクリエイティブを作り分けしやすいという特徴もあります。
静止画に制作コストをかけすぎてしまうことは、デザイン性が高すぎてかえって見にくいクリエイティブになってしまう可能性があります。
静止画では、デザイン性よりも広告のメッセージが分かりやすく、多くのユーザーの興味関心を惹けるものがいいとされています。
動画のクリエイティブ
動画クリエイティブは、静止画に比べると制作コストがかかってしまいます。
しかし、多くの情報をユーザーに届けることが出来ます。
特に重要なのは、冒頭の3秒です。
この3秒間で、ユーザーの興味関心を惹き付けることが出来るかというのが配信効果に大きな影響を及ぼします。
静止画と動画の同時制作がおすすめ
静止画と動画のクリエイティブではどちらのほうが効果が高いということはありません。
広告の配信効果を向上させるためには、静止画と動画の両方のフォーマットでクリエイティブを制作するのが一番です。
二つのフォーマットでクリエイティブを制作することで、
- クリエイティブのストックが増える
- コンバージョンに有効なフォーマットが見極められる
という利点が期待出来ます。
配信面によっては、静止画や動画など、クリエイティブの種類が異なるので、クリエイティブをいくつかストックしておくと広告運用において「打ち手」が増えるので、広告配信効果のアップが期待出来ます。
また、どちらのフォーマットがよりコンバージョンに繋げることが出来るかということは、配信してみて比較するのが一番です。
実際に配信してみて、その結果からどちらのほうが効果が高いかを把握することで、効率的にクリエイティブを運用することが出来ます。
LINE広告にはどんなクリエイティブの種類がある？
LINE広告には、配信面に応じて5つのクリエイティブの種類があります。
それぞれ使用できるフォーマットが違いますので、確認するようにしましょう。
では、それぞれについて見ていきましょう。
Card
「Card」は、静止画（1200 x 628px）と動画（画面比率16：9）のフォーマットです。
| 静止画（1200 x 628px） | 動画（画面比率16：9） | |
| トークリスト | 〇 | ✖ |
| LINE NEWS | 〇 | 〇 |
| タイムライン | 〇 | 〇 |
| ウォレット | 〇 | 〇 |
| LINE マンガ | 〇 | 〇 |
| LINE BLOG | 〇 | 〇 |
| LINE ポイントクラブ | 〇 | 〇 |
| LINE ショッピング | 〇 | 〇 |
| LINE チラシ | 〇 | 〇 |
Square
「Square」は、静止画（1080 x 1080px）と動画（画面比率1:1）のフォーマットです
| 静止画（1080 x 1080px） | 動画（画面比率1:1） | |
| トークリスト | 〇 | ✖ |
| LINE NEWS | 〇 | 〇 |
| タイムライン | 〇 | 〇 |
| ウォレット | 〇 | 〇 |
| LINE マンガ | 〇 | 〇 |
| LINE BLOG | 〇 | 〇 |
| LINE ポイントクラブ | 〇 | 〇 |
| LINE ショッピング | 〇 | 〇 |
| LINE チラシ | 〇 | 〇 |
Vertical
「Vertical」は動画専用（画面比率9:16）のフォーマットです。
大きく画面表示されるタイムラインに対応いて、3:4の比率で上下が切れて表示されるため、画面下部に字幕などを入れる場合は注意しなければいけません。
ユーザーが画面をタップすると、9:16の全画面表示に切り替わります。
| Vertical（画面比率9:16） | |
| トークリスト | ✖ |
| LINE NEWS | ✖ |
| タイムライン | 〇 |
| ウォレット | ✖ |
| LINE マンガ | ✖ |
| LINE BLOG | ✖ |
| LINE ポイントクラブ | ✖ |
| LINE ショッピング | ✖ |
| LINE チラシ | ✖ |
カルーセル
「カルーセル」は、1つの広告枠にスライド式で画像を最大10点掲載することができます。
ユーザーの閲覧履歴に基づいて、興味を持ってもらえそうな商品を特定し、広告を表示できる「LINE Dynamic Ads」と、タイムラインとLINE NEWSの一部、LINE BLOG、LINEポイントクラブに対応しています。
| 静止画（1080×1080） | |
| トークリスト | ✖ |
| LINE NEWS | 〇 |
| タイムライン | 〇 |
| ウォレット | ✖ |
| LINE マンガ | ✖ |
| LINE BLOG | 〇 |
| LINE ポイントクラブ | 〇 |
| LINE ショッピング | ✖ |
| LINE チラシ | ✖ |
画像＋テキスト
「画像＋テキスト」は、画像とテキストで構成されるシンプルなフォーマットです。
ユーザーのアクティブ率の高いトークリストで表示されます。
なお、ディスクリプションは表示されません。
| 項目名 | 内容 |
| 画像 | 管理画面に入稿されている素材（静止画のみ） |
| タイトル | 20文字以内（半角全角問わず） |
| 企業名 | LINE公式アカウントの名称 |
| アクションボタン | 管理画面から任意で設定 |
LINE広告でのカルーセル広告で設定できることは？
では、LINE広告のカルーセル広告について見ていきましょう。
LINE広告でのカルーセル広告では以下のような設定を反映させることができます。
| 画像 | 最大10枚まで |
| リンク先URL | 任意 |
| ランディングページ | |
| ボタン | 「詳細はこちら」など決められたフレーズをプルダウンから選択 |
| ディスクリプション | 40文字 |
| タイトル | 20文字まで |
タイトル項目について、画像ごとに設定することが出来ます。
画像によって訴求文を変更したり、違うリンク先の設定が可能になります。
LINE広告のカルーセル広告のメリットは？
カルーセル広告は、1つの広告枠にスライド形式で画像やテキストを複数枚掲載することが出来ます。
LINE広告のカルーセル広告のメリットを見ていきましょう。
様々な訴求が可能
一番のポイントは、複数の画像とテキストによって色々な訴求が可能になることです。
1つ1つの商材に魅力が詰まっていて、違った角度からその魅力やメッセージを伝えたい場合に有効なフォーマットになっています。
ユーザーの印象に残しやすいので、効果が出やすい広告フォーマットとなっています。
口コミの紹介が出来る
LINE広告のカルーセル広告では、企業や商品に対する口コミを載せることが出来ます。
ユーザーが実際にランディングページに遷移しなくても口コミを見ることが出来るので、カルーセル広告を見るだけで商品から口コミまでを把握することが出来ます。
ユーザーにとってストレスのない方法で色々な情報を得ることが出来るのです。
ストーリー形式でブランディング出来る
カルーセル広告はスライド式なので、ストーリー風に仕立てて商材を訴求することも出来ます。
画像のスライドを組み合わせることで一体感を持たせ、複数メディアで1つのメッセージを完成させましょう。
ストーリー仕立てにすることで、ユーザーへの共感度をアップさせ、演出で商品や企業のブランディングをすることが期待出来ます。
LINE広告のカルーセルのフォーマットの入稿規定は？
LINE広告のカルーセル広告のフォーマットは、最大10枚まで静止画像を1つの広告枠に掲載することが出来ます。
入稿規定について見ていきましょう。
| 画像(1080×1080サイズのみ) | 「メディア」より入稿したものを選択（最大10枚まで設定可能） |
| タイトル | 20文字以内(全角半角問わず) |
| ディスクリプション | 40文字以内（全角半角問わず） |
| ボタン | 管理画面内の選択肢より選択 |
| ランディングページ | LPのURLを記入 |
| リンク先のURL | 計測ツールを使用する場合などに発行されるパラメータ付きのURL |
LINE広告でのカルーセル広告運用時の注意点は？
では実際にLINE広告でのカルーセル広告を運用する場合の注意点をご紹介します。
設定できる内容に相違がある
今までのLINE広告の画像サイズでは、
- 1200×628
- 1080×1080
この2つを選択することが出来ました。
しかし、LINE広告でのカルーセル広告では1080×1080の1つしか選択肢がありません。
つまり、正方形のみの規定となっていて、長方形型の画像サイズはLINE広告でのカルーセル広告では利用することができないということです。
正方形サイズの枠が多いLINE広告ですが、もし今あるもので代用できない場合には正方形のものを準備する必要があります。
横長（1200×628）の画像はカルーセルでは利用できません。
ディスクリプション文字数が異なる
LINE広告における画像では、ディスクリプションの文字数が75文字以内になっていました。
しかし、LINE広告でのカルーセル広告ではディスクリプションが40文字となっています。
画像よりも文字数が少なくなっています。
文字数が異なるので、既存広告から流用することが出来ません。
登録している画像毎のレポート数値抽出ができない
LINE広告でのカルーセル広告では、画像毎の表示回数やクリック率を管理画面で見ることはできません。
どの画像やテキストが良かったのかが分かりづらくなってしまいます。
もし、LINE広告でのカルーセル広告で計測をしようとするのであれば、Googleアナリティクスなどの外部ツールを導入して、識別子などを画像ごとにリンク先に付与することをおすすめします。
④画像の掲載位置は決められている
LINE広告でのカルーセル広告では、最大10枚まで画像を設定することができます。
しかし、画像の表示順に関しては登録してしまうと後から変更することができません。
最適化機能も搭載されていないので、登録時には十分注意する必要があります。
順番が後ろのほうになっている画像はスライドされる可能性が低いので、訴求力の高い画像から登録するようにしましょう。
ストーリー形式でカルーセル広告を利用したい場合は、訴求したい順番で入稿しましょう。
⑤配信先はタイムラインとNEWSのみ
LINE広告のカルーセル広告の配信先は、
- タイムライン
- LINE NEWS
この2つに限定されています。
この2つは、LINE広告が独自にリサーチをし、反応がよかった配信面を限定していますので、配信ボリュームが少なくなってしまうということではありません。
そのため、これから先どんどん配信先が増えていくことでしょう。
LINE広告でのカルーセル広告の有効な場面は？
では実際のところ、LINE広告でのカルーセル広告はどんな場面で配信していくのが効果的なのでしょうか？
電子書籍
まずは、電子書籍です。
LINE広告でのカルーセル広告では10枚の画像を登録できますが、これを漫画形式にしてしまう方法があります。
そもそも、電子書籍を開いているユーザーというのは、漫画に興味があるユーザー層です。
そのユーザー層へ漫画形式のLINE広告でのカルーセル広告を配信することで得られる効果は絶大でしょう。
ECサイト
LINE広告でのカルーセル広告では、商品ごとにURLを設定することができます。
そのため、売れ筋商品のスライドショーなど商品の紹介にLINE広告でのカルーセル広告を利用することが可能となります。
レコメンド機能が搭載されていないので、ユーザーの興味関心にマッチさせるような機能はありません。
レコメンド機能ができるまでは手動で画像を切り替える必要があります。
不動産クライアント
不動産クライアントのように、伝えたい情報が多い事業に関してはLINE広告でのカルーセル広告の利用が好まれます。
不動産クライアントには、
- マンションの外観
- 内装
- 立地
- 設備
など提供すべき情報がたくさんあります。
そのため、LINE広告でのカルーセル広告を利用して最大10枚の画像で訴求することが有効であると言えるでしょう。
複数の物件を1つの広告で訴求したい場合には、間取り図などを使ってディスクリプションによって物件ごとの概要を伝えるなどのアプローチをすることも出来ます。
人材派遣会社
不動産とよく似た理由ですが、人材派遣でもカルーセル広告は有効です。
人材派遣では、
- 業界
- 業種
- 年収
- おすすめポイント
など、訴求する項目がたくさんあります。
人材業界というのは多種多様な訴求方法があるので、複数枚入稿することのできるカルーセル広告は最適であると言えるでしょう。
多種多様な人材を採用したい企業はたくさんあるので、幅広いユーザーへの配信が必要になってきます。
また事例としては、
転職について悩む→サービスを利用する→解決！
という、ストーリー形式でLINEのカルーセル広告を配信している企業もあります。
それぞれ効果を出しているので、カルーセル広告は有効であると言うことが分かります。
アパレル
アパレルもサイトに似ていますが、例えば服と言っても様々なジャンルや種類があります。
カルーセル広告で組み合わせれば、様々なジャンルの服を選んでもらいやすくなります。
1枚の画像よりも複数枚の画像を使うほうが多くの服の種類を見せることが出来るので、興味関心にも繋げることが出来ます。
デリバリー
出前など手軽に出来るデリバリーの業種でも、カルーセル広告は有効的です。
カルーセル広告を使うことで、複数枚の料理の画像を掲載することが出来ます。
料理というのは、色々なものから選びたいというユーザーが多いはずです。
複数枚の画像を使用し、豊富な種類の料理をアピールし、デリバリーへ繋げる、アプリをダウンロードしてもらうという方法が効果的です。
LINE広告でのカルーセル広告の入稿方法
では、LINE広告でのカルーセル広告を入稿する方法について見ていきましょう。
入稿手順は以下の通りです。
- まず、LINE広告マネージャーを開きます。
- 広告フォーマットから、「カルーセル」を選択します。
- 広告の詳細を設定します。
- 「画像を選択」をクリックし、広告に使用する画像をアップロードしましょう。
- 詳細設定が出来たら「広告の作成」をクリックします
これで、カルーセル広告の入稿は完了です。
画像をアップロードする時の細かい入力情報については以下を参考にしてください。
| タイトル | 広告の見出しのようなものを入力します。 |
| ディスクリプション | 広告の概要を入力します。 |
| ボタン | ユーザーの行動を促す、広告に合ったフレーズをプルダウンから選択します。 |
| ランディングページ | 広告をクリックした人に表示するランディングページのURLを入力します。 |
| リンク先URL（任意） | 広告をクリックした人に表示するURLを入力します。 |
| インプレッショントラッキングURL（任意） | サードパーティー計測サービスから提供されたURLを入力します。 |
LINEのカルーセル広告では、画像、タイトル、ランディングページを各枚数で設定することが出来ます。
色々な組み合わせで別々のページに飛ばしたいのであれば、異なったページを設定するようにしましょう
入稿設定が完了したら、実際にLINE広告でのカルーセル広告を配信してみて、効果を測定していきましょう。
LINE広告のカルーセル広告を配信する時のポイントは？
では、LINE広告のカルーセル広告を配信する時のポイントについて見ていきましょう。
どんなユーザーを狙うのか
カルーセル広告というのは、LINE広告だけでなく様々なプラットフォームで展開されています。
それぞれにアプローチ出来るユーザー層が異なるはずです。
訴求したい商品がどんなユーザーに求められているのかというのをしっかりと考えて広告を配信していく必要があります。
ユーザーに伝えたいメッセージを明確に
カルーセル広告は、1つの広告枠に複数枚画像を掲載することが出来ますが、ただ商品の画像を載せればいいというわけではありません。
商品の魅力がしっかりと伝えられるような訴求が重要になってきます。
1つの画像に色々な情報を詰め込んでしまうと、伝えたいことがユーザーに伝わらず、かえって分かりづらい広告になってしまいます。
広告を配信する目的と言うのをはっきりさせて、目的を達成するためにユーザーに伝えたいメッセージを厳選していきましょう。
LINE広告でのカルーセル広告運用方法徹底ガイド！配信面やサイズについては？まとめ
今回は、LINE広告でのカルーセル広告について見ていきました。
カルーセル広告は、LINE広告だけでなく様々なプラットフォームで成果を上げている広告フォーマットになります。
動画広告に比べて制作費用も安く済むのに、複数の静止画クリエイティブを用意することで動画にも負けないストーリー形式にすることが出来たり、多くの情報をユーザーに伝えることが出来るからです。
カルーセル広告を使えば、サービスをより深く伝えることが出来たり、フリックすることで広告への接触時間が長くなったりなど、1枚の画像広告を見てもらうよりも多くのメリットがあります。
まだLINE広告でのカルーセル広告は実装されて間もない配信方法ですが、利用している企業は山ほどあります。
これを機に、LINE広告でのカルーセル広告デビューしてみてはいかがでしょうか。
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