広告を運用していくうえで自動入札は欠かせないものとなっています。
もちろん、LINE広告も自動入札が導入され、手動入札よりも圧倒的に効率的な広告運用が可能となっています。
自動入札には、様々な機能が追加されており、自動入札を上手に活用することで、広告運用の成果を最大限発揮することが出来ます。
今回は、LINE広告の自動入札についてご紹介します。
LINE広告の費用相場は?
まずは、LINE広告の費用相場について見ていきましょう。
LINE広告というのは、最低出稿金額がありません。
ウェブ運用型広告をはじめてみたいけど予算はあまりかけたくないという人にとっては、始めやすい広告となります。
しかし、最低出稿金額が無いと言っても、費用相場というものがだいたい決められています。
LINE広告はアクティブユーザーが多く、豊富で幅広い配信面から広告配信をしている企業がどんどん増えてきています。
LINE広告では、競合相手が多いほど広告単価がどんどん上がるオークション形式を採用しています。
ですから、極端に予算を低くしてしまうと、ユーザーに広告が表示されなくなってしまうんです。
LINE広告で良い結果を出していくためには、配信方法を色々試してみて、クリエイティブや予算を調整していかなければいけません。
そして、LINEの公式では、月30万円からの予算を設定し、約3か月以上は広告を運用することが推奨されています。
LINE広告には、
- CPC(クリック)課金
- CPM(インプレッション)課金
- CPF(友だち追加)課金
これら3つの課金方法があります。
クリック課金の場合には、単価相場は24円~200円程度であり、クリックからのコンバージョン率が悪くなってしまうと、費用対効果も悪くなってしまいます。
インプレッション課金の場合には、動画が表示された回数によって課金されるので、高いクリエイティブを維持できるようにしていかなければいけません。
友だち追加型課金の場合には、手動入札の最低入札価格は50円で、最低日予算は1日あたり1円となります。
自動入札の場合には、最低入札価格75円で、最低日予算は1日あたり75円となります。
LINE広告の入札方法は?
LINE広告では、オークション形式を採用しています。
まず、LINE広告における入札方法についてみていきましょう。
LINE広告では、目的に合わせて手動入札と自動入札を選択することが可能です。
LINE広告においては、自動入札が推奨されています。
自動入札
LINE広告の自動入札というのは、機械学習によってあらかじめ設定したイベント単価や、予算内で入札額が自動調整される機能のことを言います。
自動入札は、広告グループ単位で最適化が行われます。
機械学習については、配信期間よりもイベント数によって影響されます。
自動最適化の学習に必要なイベント数に達していない場合には、広告グループが所属している広告アカウントにある情報や、類似した広告情報を使って自動入札が行われます。
運用型広告というのは、予算や配信方法などについてリアルタイムで調整出来ます。
しかし、広告ごとにその都度入札額を人の手で変更していては、かなり手間がかかってしまいます。
自動入札を設定しておけば、あらかじめイベント単価や予算を設定した内容で自動調整されるので便利なのです。
機械学習が完了するのに必要なイベントは、広告グループ単位で約40となっています。
手動入札
手動入札というのは、入札金額を広告グループごとに設定した金額に基づいて決定するというものです。
自動入札とは違い、機械学習による最適化は行われません。
CPCまたはCPM単価で入札設定をすることが可能で、どのオークションでも設定した入札単価をもとにして入札が行われます。
最適化と入札
各キャンペーンごとに、入札方法や最適化対象、課金タイプなどは異なります。
以下の表を参考にしてみて下さい。
キャンペーン目的 | 入札方法 | 最適化の対象 | 課金タイプ | 最低設定価格 |
ウェブサイトへのアクセス | 手動 | CPC | 24円/クリック | |
CPM | 200円/クリック | |||
自動 | クリック数 | CPC | 36円/クリック | |
ウェブサイトコンバージョン | 手動 | CPC | 24円/クリック | |
CPM | 200円/1,000インプレッション | |||
自動 | コンバージョン数 | CPM | 1,200円/コンバージョン | |
クリック数 | CPC | 36円/クリック | ||
アプリのインストール | 手動 | CPC | 24円/クリック | |
CPM | 200円/1,000インプレッション | |||
自動 | インストール数 | CPM | 100円/インストール | |
インストール数 | CPC | 100円/インストール | ||
クリック数 | CPC | 36円/クリック | ||
アプリのエンゲージメント | 手動 | CPC | 24円/クリック | |
CPM | 200円/1,000インプレッション | |||
自動 | オープンイベント数 | CPC | 200円/オープン | |
オープンイベント数 | CPM | 200円/オープン | ||
動画の再生 | 手動 | CPM | 200円/1,000インプレッション | |
自動 | 100%再生数 | CPM | 2円/動画の100%再生 | |
自動 | 3秒再生数 | CPM | 1円/動画の 3秒再生 | |
友だち追加 | 手動 | 友だち追加単価 | 50円/友だち追加 | |
自動 | 友だち追加数 | 友だち追加単価 | 75円/友だち追加 |
LINE広告の自動入札の仕組みは?
LINE広告の自動入札の仕組みについて見ていきましょう。
LINE広告の自動入札は、次のようなデータをもとにして機械学習が行われます。
- 最大クリック数・・・ウェブサイトへのアクセス数
- コンバージョン最大化・・・ウェブサイトのコンバージョン数
- 友だち追加最大化・・・LINE公式アカウントの友だち追加数
- インストール最大化・・・アプリのインストール数
コンバージョンデータが蓄積されると、機械学習が進みます。
機械学習が進むことによって自動入札が最大化されていきます。
データ
LINE広告の自動入札に利用されているデータは、
- コンバージョン
- クリック
- インストール
などのLINE独自データとなっています。
もしコンバージョン数が乏しい場合は広告グループが属している広告アカウント内の情報を参考にしています。
推奨コンバージョン数
LINE広告の自動入札が作動するための条件として、最低限学習に必要なコンバージョン数を40件と定めています。
獲得機関の条件規定はありませんが、データが不十分な場合LINE広告の自動入札が作動しません。
2~3週間程度あればLINE広告の自動入札に必要なコンバージョン数が揃うように広告運用の手法を考える必要があります。
LINE広告の自動入札の自動最適化とは?
LINE広告の自動入札には、
- クリック自動最適化
- コンバージョン自動最適化
- アプリインストール自動最適化
これらの種類があります。
それぞれについて見ていきましょう。
クリック自動最適化
クリック自動最適化というのは、設定した上限CPC以下の入札価格で勝つことができるように、最適のCPCを広告グループの予算内で計算してクリック数を最大化してくれる機能のことです。
CPC自動最適化を使用する場合には、上限クリック単価の最低金額は36円です。
コンバージョン自動最適化
コンバージョン自動最適化というのは、設定した上限CPA以下の入札価格で勝つことができるように、最適のCPCを広告グループの予算内で計算してコンバージョン数を最大化してくれる機能のことです。
CPA自動最適化を使用する場合には、目標CPAの最低設定金額は50円です。
コンバージョン自動最適化を行う場合には、コンバージョンコードの設置場所が変更されます。
既にある自動最適化は、変更前のコンバージョンデータを参考にしているので、変更後の最適化に影響してきます。
設置場所を変更すると、新しいコンバージョンデータを使用して再学習が行われます。
こういったことにならないようにするためには、新しい広告グループを作成し、コンバージョン自動最適化を設定しましょう。
アプリインストール自動最適化
アプリインストール自動最適化というのは、設定した上限CPA以下の入札価格で勝つことができるように、最適のCPAを広告グループの予算内で計算してインストール数を最大化する機能のことです。
学習が完了するのに必要なインストール数は広告グループ単位で約40となっています。
LINE広告の自動入札のメリットは?
LINE広告では自動入札を推奨されています。
では、LINE広告で自動入札を利用することのメリットについてご紹介します。
LINE広告での自動入札のメリットは次の2つが挙げられます。
- 配信精度が上がる
- 入札の手間が省ける
配信精度が上がる
LINE広告の自動入札は、
- 性別
- 年齢
- 地域
- OS
これらの情報を自動で収集してくれるようになっています。
これにより手動で行っていた情報収集よりも早く、的確に行うことが可能になりました。
手動入札では、ターゲットごとにデータを確認したり、変更や修正を自分で繰り返し行わなければいけませんでしたが、その必要がなくなるということです。
さらに、細かく広告運用を調節しようとしてもターゲットごとに広告グループを分ける必要がありました。
しかし、自動入札をつかえば、データをもとにして微調整が行われるようになっていますので、その分でも、手動よりも精度が上がっています。
配信面や時間帯など、手動ではなかなか管理が難しいところも自動入札なら機械学習によって精度の高い配信が期待出来ます。
入札の手間が省ける
やはりLINE広告の自動入札の大きなメリットとしては、手動よりも手間が省けるというところにあるでしょう。
LINE広告の自動入札では、配信の実績をもとに入札調整が行われるようになっています。
つまり、広告グループの細分化の必要性が無く広告が表示される度に調整が行われるようになっているのです。
人の手で行う以上に細かい調整が可能になります。
広告運用の手間が減り、精度の高い広告配信が出来るようになるということです。
自動入札によって入札の手間が削減できる分、他の広告の管理に手を回すことも出来るようになります。
広告運用の手間を省きたい場合は、LINE広告の自動入札をおすすめします。
機械学習のデータが集まるまでは、設定や変更は行わないようにしましょう。
LINE広告の自動入札の入札戦略は?
では次に、LINE広告の自動入札の入札戦略についてご紹介します。
「入札戦略」というのは、自動入札を行う際の入札タイプのことです。
イベント単価の上限を設定する
イベント単価の上限を設定することで、イベント単価が予算の上限を超えない範囲でLINE広告の自動入札を行ってくれます。
コンバージョンの最大化を目指して広告運用をしてくれるので、予算を守りながらコンバージョンを最大にしたい方におすすめです。
イベント単価の目標を設定する
イベント単価の目標を設定することで、目標値の誤差10%ほどを維持しながらコンバージョンを最大化させることができます。
1日の予算を使いきってしまう難点はありますが、イベント単価を一定に維持したい方におすすめです。
入札額の上限を設定する
入札額の上限を設定することで、イベント単価が上限を超えないことを優先的にしてくれるようになります。
保守的な広告運用が可能ですが、高い入札単価には参加しないことが多く機会損失になってしまうことも。
1日の予算を消化する
1日の予算を消化してコンバージョンを最大化させることができるようにもなっています。
イベント単価が高いオークションであっても予算を使い切り、最大化を目指す攻めたLINE広告運用が可能です。
LINE広告で最適な入札戦略の選び方は?
LINE広告を運用していくには、運用方針に合わせた最適な入札戦略を選択する必要があります。
ケース別の推奨入札戦略を参考にしてみて下さい。
目標 | 予算・KPIの方針 | 推奨されるキャンペーンの目的 | 推奨される入札単価の設定方法 | 推奨される入札戦略 |
ウェブサイトへの訪問者を増やしたい | 目標のCPC(クリック単価)が明確 | ウェブサイトへのアクセス | クリック数の最大化を目的に自動で設定 | イベント単価の上限を設定 |
予算を確実に消化したい | ウェブサイトへのアクセス | クリック数の最大化を目的に自動で設定 | 単価の上限なしで1日の予算の消化を最大化 | |
ウェブサイトのコンバージョン数を増やしたい | 目標CPA(顧客獲得単価)が明確 | ウェブサイトコンバージョン | コンバージョン数の最大化を目的に自動で設定 | イベント単価の上限を設定 |
予算内でコンバージョン数を最大化したい | ウェブサイトコンバージョン | コンバージョン数の最大化を目的に自動で設定 | 単価の上限なしで1日の予算の消化を最大化 | |
アプリのインストール数を上げたい | 目標のCPI(インストール単価)が明確 | アプリのインストール | インストール数の最大化を目的に自動で設定 | イベント単価の上限を設定 |
予算内でインストール数を最大化したい | アプリのインストール | インストール数の最大化を目的に自動で設定 | 単価の上限なしで1日の予算の消化を最大化 | |
公式アカウントの友だち数を増やしたい | 目標のCPF(友だち獲得単価)が明確 | 友だち追加 | 友だち追加の最大化を目的に自動で設定 | イベント単価上限を設定 |
予算内でインストール数を最大化したい | 友だち追加 | 友だち追加の最大化を目的に自動で設定 | 単価の上限なしで1日の予算の消化を最大化 |
「イベント単価の上限を設定」という入札戦略が、単価と効果を重視したバランスの良い広告運用に向いているという事が分かります。
広告の効果を最大化するために、入札戦略を活用していきましょう。
LINE広告の自動入札の使い方は?
では、LINE広告の自動入札の使い方をご紹介します。
実際にどのように設定していくのか見ていきましょう。
自動入札の設定の手順は、
- LINE広告の広告グループを作成する
- 「最適化と入札の入札戦略」を入力する
- 「保存」をクリックして広告を作成する
これで完了です。
LINE広告では、設定しているキャンペーン目的によって入札方法や課金タイプが異なります。
目的に応じたものを選択しましょう。
キャンペーン目的 | 入札方法 | 課金タイプ |
ウェブサイトへのアクセス | 手動入札(クリック数の最大化) 手動で設定 |
自動入札:CPC 手動入札:CPCまたはCPM |
ウェブサイトコンバージョン | 自動入札(コンバージョン数の最大化) 手動で設定 |
自動入札:CPM 手動入札:またはCPM |
アプリのインストール | 自動入札(クリック数の最大化) 自動入札(インストール数の最大化) 手動で設定 |
自動入札:CPCまたはCPM 手動入札:CPCまたはCPM |
アプリのエンゲージメント | 自動入札(オープンイベントの最大化) 手動で設定 |
自動入札:CPM 手動入札:CPCまたはCPM |
友だち追加 | 自動入札(友だち追加の最大化) 手動で設定 |
CPF(友だち追加ごとの単価) |
動画の再生 | 自動入札(動画の3秒再生数の最大化) 手動で設定 |
自動入札:CPM 手動入札:CPM |
LINE広告の入札戦略の設定方法は?
では、LINE広告の管理画面から入札戦略の設定方法を確認していきましょう。
- 「キャンペーンを作成」をクリックする
- 広告の配信目的に合わせて「キャンペーンの目的」を選択する
- 「広告グループを作成」→「最適化と入札」の項目で入札戦略を設定する
これで、入札戦略を設定することが出来ます。
LINE広告の自動入札の活用ポイントは?
では、LINE広告の自動入札をうまく利用するためのポイントをご紹介します。
自動入札を利用する際にはどんなポイントがあるのでしょうか、見ていきましょう。
データ蓄積に専念する
先ほどもありましたが、LINE広告の自動入札が動作するための条件として、最低限必要なコンバージョン数は40件以上とされています。
40件のコンバージョン数がない段階では、LINE広告の自動入札が動作できないので、まずはデータ蓄積に専念するようにしましょう。
広告グループをまとめて、コンバージョンが蓄積されやすい仕組みを作ることが大事です。
広告グループが分散していると、コンバージョンの獲得に繋がりにくくなってしまいます。
予算は余裕を持つ
LINE広告の自動入札では、予算の使い方が非常に重要になってきます。
1日の予算が制限されていると、1日をかけて予算を消化するように広告の掲載頻度が下がってしまいます。
1日の予算を使いきることが正解ではありませんが、残してしまうのも機会損失に繋がりかねません。
学習に必要なデータを収集するための予算は確保しつつ、それ以外に割けるリソースを残しておくことが必要です。
入札戦略をどのように選択したらいいか悩んだ時には、一番に優先すべきことは何なのかを考えて設定するようにしましょう。
ノイズのデータは除去する
LINE広告の自動入札において、コンバージョン計測の不備によって生まれたデータが一定数存在します。
そのノイズとなっているデータは、手動で除去する必要があります。
LINE広告の自動入札の精度向上のためにも、ノイズデータは日々チェックをして省いていくことをおすすめします。
LINE広告の自動入札の導入のポイントは?
自動入札は、どのようなタイミングで導入を検討すべきなのかについて紹介します。
コンバージョン数
まずは、どの程度のコンバージョン数を見込めるのかということです。
LINE広告では、広告セット単位で機械学習が行われます。
機械学習に一番関係してくるものと言えばコンバージョン数です。
1広告セットあたり、1週間で40件のコンバージョンを自動入札の目安としていきましょう。
オーディエンスの人数
配信対象とするターゲット(オーディエンス)の人数がどのぐらいいるかも導入のポイントになります。
リターゲティング配信を行う場合などでは、オーディエンスの数が少ない場合があります。
自動入札というのは、多くのオーディエンスから効率よく配信するべきターゲットを探しだすということが目的となっています。
オーディエンスの数が小さいと、効果を発揮することができない場合があります。
なので、オーディエンスの数は、10万人程度を目安とするようにしましょう。
LINE広告で自動入札に変更した場合の最適化方法は?
LINE広告で、手動入札で配信をしていた入札方法を自動入札に変更した場合には、最適化方法はどのようになるのでしょうか。
手動入札から自動配信に入札方法を変更した場合には、過去の実績データをもとにして最適化されるようになっています。
同一広告グループにおいて、ターゲティング配信を手動入札で行った後にブロード配信を自動入札で行う場合には、機械学習が再び完了するまでの間は、過去の実績データが利用される場合があります。
過去の実績が不十分であったり、実績が悪かったりすると再学習をする必要があります。
再学習が必要になった場合には、学習が完了するまでの時間は新規作成の場合とあまり変わりません。
LINE広告の自動入札の仕組みは?入札戦略はどう立てればいい?まとめ
今回は、LINE広告の自動入札について見ていきました。
LINE広告を運用していくにおいて、機械学習で最適化してくれる自動入札を活用することは大変メリットがあるという事が分かりました。
LINE広告の自動入札は、今やあまり企業は取り入れていらず、時代遅れとまで言われており、必要性は高まりつつあります。
導入を検討する際には、どの程度のコンバージョン数を見込むことができるのか、オーディエンスの数はどのぐらいなのかということをしっかりと把握しておくようにしましょう。
自動入札を導入したからと言って、自動入札任せにするのではなく、コンバージョン数を維持すること、最適な入札戦略を選択することはとても重要になります。
どのぐらいの予算にするのか、広告配信の目的は一体なんなのかをしっかりと見定めて広告を配信していくようにしましょう。
手動よりも圧倒的に効率的な広告運用が可能な、LINE広告の自動入札を有効活用して、広告の効果を最大限に高めていきましょう!